花より台所
40代後半  千葉県
2019/08/13 9:45
花より台所
昨日、昼ご飯を作っている時に、台所のシンクの汚れが一瞬 気になった。
普段なら、確実に見て見ぬ振りをするのだけど、今はお盆休み中で 昨日は何も予定がなかった。

玉ねぎを薄切りしながら 考えた。

“シンクを掃除するなら、ガスコンロ周りもやるべきか?”

と考えながら、
玉ねぎを切り終わる、、、

“よしっ! やろうっ!”

何もせずに、ダラダラ一日を過ごすと、必ずその日の夜は怠けた自分を反省してしまう。
別に何もしなくても、誰かに責められる訳ではないのだけど、反省してしまう。
そうなる事も分かっていたので、
一念発起してやる事を決めた。

昼食も早々に切り上げて、掃除に取り掛かる。

ガスコンロ周りの油汚れには、専用洗剤をスプレーして、その上全面にラップをかけて、数十分放置してその間に、シンクの掃除をする。
シンクの掃除が終わった頃には、ガスコンロ周りの油汚れが浮いてきて、後は油汚れを拭き取る。
ついでに、ガスコンロ周りのタイルの壁や、レンジフードも掃除をした^_^

時間にして2時間弱の作業ではあったけど、真夏の昼間だけに、汗がダラダラ[あせあせ(飛び散る汗)]
同じダラダラなら、こっちのダラダラの方が気持ちが良いし[にこにこ]
夜のビールも美味い[ビール](笑)

掃除をした事の達成感からか、
とても上機嫌の俺♪(´ε` )[ムード]
そして 高揚した気分のまま、夕飯の買い出しに出かけた。

お腹の空いている時と、気分の良い時はつい、余計な物まで買ってしまうもので、晩ご飯の食材をカゴに入れながら、普段はあまり買わない切り花が半額だったので、迷わず切り花を買ってしまう。
(半額シールに弱いのです[表情(嬉しい)][あせあせ(飛び散る汗)])

家に帰って晩ご飯を作っていると、
大学生活の夏休みを謳歌している長女のコトネが帰って来て、冷蔵庫の中の麦茶を取り出し、グラスに注ぎシンクの前で、麦茶を一気に飲み干している。

“気付くか~~、気付くのか~~
目の前のシンクはピカピカだぞ~~
目を背けたくなるくらい
眩しいだろ~~お嬢さん~[熱]?”

ピーマンを切りながら、さり気なく
娘を覗き見る

「あ~~ やっぱ、麦茶は美味しいだすな~~
( ^ω^ )」
と一言だけで、コトネは台所を出て行く。

“だすな~~ って、、、
それ流行ってるの?
流行らそうとしてるの?
って言うか、気付かないの?
この眩しい迄に光り輝く、生まれ変わったシンクの存在に️ ”

などと、心の中でつっこんでいると、
トイレからトーンの高い声で
「うわぁ~~きれい~~」
と言う コトネの声が聞こえて来た。

“なんだよ~、生放送中の海外中継じゃないんだから、そんな時間差で、褒めるなよ~~(#^.^#) ”
照れ笑いを浮かべながら、キャベツを切る包丁にも力が入る。

トイレの水を流すと同時に、手も洗わずコトネが台所に駆け寄って来ると
「カズッ! トイレの花 すごく綺麗だすなっ!
どしたのあれ?」

“だすなっ て[あせあせ(飛び散る汗)]

((((;゚Д゚)))))))

そこなの~~~~
シンクじゃ無くてそこ~~~~[がまん顔]
君の綺麗なものセンサーは、そこに反応するの~~?
だすな~についても、ツッコミたいところだけど、今はいいや、、、
そこなの~~
まぁ 確かに、気分良く買い物に行って、綺麗だなと思った花が半額で、買ってきて トイレに置いたけど、、、でもさ~~”

少し イラッ[むかっ(怒り)] と していまい

「コト~~ オマエ あれだろ
最近の有名人の結婚ラッシュの話になった時に、
『いや~~ビックリしたよね~噂も全然無かったし、まさか結婚するなんて思ってもみなかったよね~~、、、、、、春風亭昇太』
とか 言うタイプだろっ!
絶対に 小泉進次郎と おもてなしクリステルの方には行かないタイプだろっ!
速水もこみちの[オリーブオイル婚]
なんなんそのネーミング!
センスなっ!
とか、ツッコまないタイプだろ!!
あれは、ツッコむ必要があるんだぞ!

と 急にまくし立てると、コトネはキョトンとした顔で、
「ちょっと、何言ってるのか
分からないだす」ƪ(´ε` )ʃ
と言い残し、首を捻りながら自分の部屋に静かに入ってしまった。





“、、、まぁ確かに、台所の掃除は自己満足だから、コトが気付かないのは仕方ないか、、、
トイレに置いた花みたいに、
見た目にはっきりと分かるものじゃなければ、気付かないのも無理もないかなぁ~”

大人気ない発言に、反省をしながら、
コトネに少し申し訳ない気持ちで 料理を作り終える。

「コト~~ご飯出来たぞ~~
箸と器を出してくれ~~」

そう言うと
コトネは 「はいよ~」と
いつもの様に返事をしながら、台所にやって来て、食器棚から器を出そうとしたその時、コトネが息を呑んだ

「うわぁっ、台所めっちゃ綺麗になってるっ![わーい(嬉しい顔)]
ピカピカじゃん!
どしたのカズ? なんかあった?」

「、、、ウフフフ~~😙
やっとお気付きになられましたな~
コトネさん~
そ~なんです、何も無いけど
綺麗にしてみました
あははははは~~(^◇^)」

気付いてくれた事が嬉しくて、つい変な口調になってしまう

「ふーん、で、今日のメニューは何?」

と、コトネに素っ気なく切り返されたのだけど、気付いてくれた事が本当に嬉しくて、

「はい~ 今日は
回鍋肉に春雨サラダとワカメスープです~~
気付いてくれたコトネさんには、
大盛りをお出ししますよ~
(⌒▽⌒) 」

年甲斐も無く、変なキャラ設定で話しを続けていると、コトネは目を細めて

「そのキモい喋りやめて!
面白く無いし!
それと、ダイエット中だから、春雨サラダとスープの普通盛りだけでいいや」

(゚д゚lll)[あせあせ(飛び散る汗)]
、、、まさかの、、、ツンデレ、、、

娘の言葉に一喜一憂してる自分は、アホだな~と思いつつ、丁寧に春雨サラダとスープを器によそう。

“でも、気付いてくれて嬉しいぞ”
( ^∀^)




テレビを見て笑って、ご飯を食べている娘を、台所のカウンター越しに 観ながら、お疲れ様のビールを静かに飲む。

充実した一日を過ごせた事に感謝をしながら。











「ごちそうさま 、だすた」


「だからそれっ!
流行ってるのかっ?
流行らそうとしてるのかっ?」
(˃̶͈̀ロ˂̶͈́)/
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