僕の愛したもの
わざわざ書く必要は無いのかもしれないけれど、少し母の事を書きたくなった。
先日母の月命日があり、いつもは平日の為父と親戚に任せきりだったが今回は休みを取った。
お寺さんのお経を聴きながら、母の事を色々と思い出す。
母は料理が上手な人だった。
身内贔屓と言われそうだし、僕だけがそう思っていただけかもしれないけれど、とにかく僕は母の作る料理が好きだった。
「今日の晩何食べたい?って聞いて答えてくれるのアンタだけやわ」
母にそう言われたのは僕が高校生の時で少し恥ずかしかったけれど、子供心に母の中にある虚しさの様なものを感じ、それから僕は家で食べれる日は必ず母に夕食のリクエストをする様になった。それは僕が僕の家族を持つまで続いた。
母は必ず「よっしゃ!」と言い僕のリクエストに応えてくれた。
もちろんリクエスト以外の料理もあり、僕の嫌いな料理もお構い無しに並べ、残そうとする僕に「何してんねん?」と睨みを効かせる事も怠らなかった。
だけどそんな母にもただ一つ、苦手な料理があった。
「卵焼き」
味はもちろん美味しいのだが、とにかく焦がす。姉が「恥ずかしいから弁当に入れんといて」と言うほどに。
だからいつも卵焼きを出す時母は「お母さん卵焼きだけはあかんねん」と言いながらとても恥ずかしそうに出す。
けれど僕は、その焦げた卵焼きが実は何より大好きだった。朝起きた時、遊びや仕事で遅く帰った時、「何か食べるか?」と聞く母に、僕は必ず卵焼きを頼んだ。
そんな僕は今でも半熟が好きじゃない。
母の代表的な得意料理を上げるとするならば、僕は間違いなく「焦げた卵焼き」を選ぶ。僕にとっての「おふくろの味」だ。
母が亡くなった時、その小さな棺の中にメッセージを書いた折り鶴を家族が入れるという儀式があり、姉に「なんて書いたん?」と聞かれた。僕はそこに「また卵焼きを焼いてくれ」と書いた。
コメント
2018/11/20 8:52
28. キヤさんのお母さんと同じように
食べてもらえる喜びを感じながら(^-^)
返コメ
2018/11/20 8:39
27. あったかい日記読ませてもらえて
朝から優しい気持ちに溢れます(^ ^)
素敵な日記です♪
私も母を思い出しました。
いつも食事の始まりに
「たくさん召し上がれ」って言葉に
安心感や甘えた気持ちでほっと出来ました。
だから 私も必ず食べてもらう人には
「たくさん召し上がれ」って
言っています♪
返コメ
2018/11/19 10:59
26. >>25 Mさん
おはようございます
コメントありがとうございます○┓
ホントはただのバカ息子なんでお恥ずかしい限りです( ;´Д`)
「よっしゃ」が響く毎日を!
返コメ
2018/11/19 10:17
25. おはようございます。
素敵な日記でした、最後まで読まぬうち涙が。
お母ちゃんと息子の愛のある関係が良いな。
痛い程解る、お母ちゃんの"よっしゃ''も。
私は四年前に息子がお星様になって、まだまだ辛くて。
でも今居る娘に卵焼けるから、頑張ります
返コメ
2018/11/17 21:54
24. >>23 まむさん
次は心が弾む様な日記が書ければいいかな
(^^)
コメントありがとうございます
返コメ
2018/11/17 21:48
23. いい意味で心が苦しくなるお話ですね。
返コメ
2018/11/17 21:25
22. >>21 Amiさん
はじめまして!
人はどこにいても何かに出会うとおもいます
「よっしゃ!」ってなるような(^^)
コメントありがとうございます
返コメ
2018/11/17 21:16
21. はじめまして!
ステキな日記をありがとうございます(*^^*)
ひさしぶりに感動しました。
こういうお話が聞けると、サイトにいる後ろめたさが吹っ飛びます!!
お母さまの『よっしゃ!』が聞こえるような日記でした。
返コメ
2018/11/17 11:06
20. >>19 ゆりさん
お互い素敵な一日になりますように(^^)
お気を付けて行ってらっしゃいませ!
返コメ
2018/11/17 11:01
19. >>18 キヤさん
私はお仕事行って来まーす️
キヤさんは素敵な週末をねヽ(^o^)
素敵な日記でした
返コメ