自殺のネタが続いてすみません。新聞で、韓国内にある統一教会の施設で、日本人女性の信徒が統一教会の幹部にシンナーを浴びせて火をつけ、
自分も亡くなった、という報道がなされました。その後、マスコミでの続報はないですが、関係者が一斉にネット上で書き込みを始め、詳細が判明
しました。

　亡くなったのは、公文敦子さん（53歳）。被害にあったのは統一教会の幹部のOという人物です。この公文さんという人は広島大学卒業ですが、
不幸にして統一教会のマインドコントロールにあい、最近まで熱心に統一教会で活動をしていたそうです。問題は、彼女の部下が統一教会に献金
した２０００万円を統一教会の幹部のO氏が横領したので彼女が教団に訴えたのですが、教団は無視。
　そこで彼女が激怒し、今回の犯行に及んだという事です。

　統一教会と言えば、信徒を洗脳し、多額の献金を集めて社会問題になったカルトですが、その献金を内部の幹部が横領して私利私欲を満たしている
というのですから、ますます救われない話です。

　しかし、宗教法人の横領事件は、こういうカルトに留まらず、伝統ある宗教でも起きています。今は具体的に名前はあげませんが、問題が起きなかった
宗教はない、と言ってもいいでしょう。

　伝統的な教団であれ、新宗教であれ、こういう残念な事件が散発する背景には、関係する法律の不備があります。オウム真理教の事件の時に、
事件の再発を防止するために宗教法人法の改正が議論になった時に、宗教法人からは『信仰の自由の侵害」という声があがりました。結果、法律の改正
は限定的なものになりました。私は、この態度には賛成していません。コンプライアンスが議論になっている時代に宗教法人のみが特権的な態度を保持
するのは、国民の公平感を害するおそれがあります。実は、私自身、特定の信仰をもっている人間です。しかし、個人の信仰とは違い、組織に対する
規制は、その内容が合理的なものなら、何も信仰の自由を害するとは思いません。結局、宗教法人は票田ですから、政治家が手をつけられないので
すが、神や仏がそんな事を望んでいるとは思えないです。

　ただ、念のために付け加えると、真面目な宗教法人は、会計をきちんとし、内部統制も調えています。そういう教団のほうが多数でしょう。が、そういう
教団がある他方で、名前は出せませんが、おかしな宗教法人もあるのも事実です。税制上の優遇措置を受けている以上、やはりその点は、譲歩すべきだと
思います。また、真面目にしている団体はそれで困る事はないはずです。その観点から、この問題は大いに議論すべきでしょう。