緩い坂道
40代半ば  東京都
2021/10/28 0:16
緩い坂道
数年ぶりの懐かしい緩い坂道を
20代の知り合いの女の子と歩いた
登り坂だ

坂道の両側に立ち並ぶいろんなお店は
すっかり様変わりしている
坂道のカーブはそのままで
相変わらずの緩い坂道

変わっていたのは
坂道を登る私だ
若い女の子はパンプスでスタスタ
adidasのスニーカーの私は…
坂道の真ん中くらいから
少し歩幅が小さくなる
隣を歩く女の子に
元気だねー、流石に若いわぁ
と話しかけると
彼女が
はーい、元気ですよ、、と笑いながら
私の歩幅に
さりげなく合わせ始める

気の利く優しい子だなぁ、と苦笑いをしながら
2人で坂の上に到着

彼女の優しい気遣いが
なんだか、とても嬉しくて

坂道の上にあるお洒落なカフェに誘ってみる
え?いいんですか~?
このカフェ、大人な感じで行きたかったんです。ご馳走様でーす︎
と、悪びれなくはしゃぐ仕草が
なんとも可愛らしい

お揃いのケーキとアイスコーヒー
少しの間、2人だけの女子会トーク
またまだ希望と期待と不安に満ち溢れた彼女の話
私が彼女と同じ年齢の頃
今の私の年齢は
ただの母親か、お洒落を忘れた普通に中年のおばさんの時代だった

20代の仕事関係の女の子とカフェでお茶なんて
あり得ない事だったと思う

いつの間にか
女性が当たり前に仕事をしている時代に変わった

子供達も
帰宅する家には
お母さんは仕事でいないのが当たり前になっている

コロナで
おうち時間が増えたことは
あまり良い事として報じられていない
大変、とかストレスとか…

私は家族って何なのか
よく分からない環境で育ってしまったようだから
あれこれ言う立場にないけれど

ただいま~、と鍵のかかっていない玄関のドアを開けると
おかえり~、とお母さんの声が
't台所"のあたりから聞こえる同級生達の家が
ひたすら羨ましかった毎日を
緩い坂道と
坂の上のカフェでの時間が
ふと、私に思い出させた

彼女と坂の上の駅で別れて
一人になった私は
帰路の途中で
不思議な気持ちを抱きしめながら
今の世の中を眺めた


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コメント

60代前半  東京都

2021/11/11 11:35

3.  >>2 RuKaさん

だから人は成長もするし、人生がより豊かなものになるのかもしれません。

40代半ば  東京都

2021/11/11 4:18

2.  >>1 イーグルスさん
こんばんは♪
いつも本当にありがとうございます[にこにこ]
過ぎ去ってしまえと思う事。
過ぎ去って、ようやく楽になれる事。
過ぎ去ってしまわないように抱きしめていたい事。
思い出って不思議ですよね。

60代前半  東京都

2021/10/28 16:07

1. 
“ いつの間にか…”
いつの間にか街は変わり人も変わる。いつの間にかショーウィンドウに映る自分も変わる。
若さを羨ましいと思ってる訳でもないし、何かを悔やんでる訳でもない。ただただ若かった頃の自分に現実味や実感が持てなくて、映画のワンシーンのように時々甦えってくるだけ。過ぎ去ってしまえば全てはうたかたの夢のよう。

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