酸ケ湯温泉水に感染力弱める効果
青森市の酸ケ湯温泉(石川栄一社長)は
21日、
香川大学医学部分子微生物学講座との共同研究により、
酸ケ湯温泉の温泉水に
ウイルスの感染力を失わせる強い
不活化効果が認められたと発表した。
同講座の桑原知巳教授が
インフルエンザウイルスや、新型コロナウイルスに似たウイルスなどを
使って効果を確認した。
感染症を治すものではないが、
仮に感染者と一緒に入浴しても感染は広がりにくいと考えられ、
石川社長は「安心して酸ケ湯温泉を
楽しんでほしい」と語った。
桑原教授は、同温泉の中で源泉の異なる4種類の温泉水について検証。
いずれも強い酸性を示し硫黄成分を
多く含む各温泉水とウイルス液を混合し、
一定時間後のウイルスの感染性を調べた。
その結果、どの温泉水でも
A型インフルエンザウイルスは1分後、
ネコカリシウイルス(ヒトノロウイルスの代替ウイルス)は5分後に99.99%以上
不活化した。
新型コロナウイルスに近い
猫伝染性腹膜炎ウイルスを使った検証では、
4種類とも37度以上で
5分後にウイルスの感染性を99.9%以上不活化することが分かった。
同程度の酸性に調整した塩酸と比べ、
より不活化効果が高いことから、
温泉水の強酸性だけでなく
何らかの硫黄成分が関与していると考えられるという。
桑原教授は
「常に新しいお湯が流れている環境で、ウイルスは分単位で不活化される。
安全に楽しんでもらえるだろう」との見解を示した。
石川社長は
「いつどこで感染しているか分からない中で、
感染させずに済むとなれば互いにリラックスできると思う」
と語った。
今回の研究では、
温泉水の水分を飛ばして粉末状にした場合でも
同様の不活化効果が認められたという。
桑原教授は
「不活化に関与する温泉成分を探索することで
流行性ウイルス感染症の対策にも大きく貢献する。
鳥インフルエンザウイルス対策などにも
活用できるのではないか」と話した。
酸ケ湯温泉で開かれた記者会見には、
石川社長、桑原教授のほか、共同研究を仲介したという
フジタ企画(兵庫県)の藤田八束代表らも同席した。
留意事項
今回もインターネット検索によるものです。