愛じゃなくても恋じゃなくても君を放しはしない
久しぶりに花金だったので会社の後輩を連れて飲みに行った。
若い後輩もいてどうしても2次会にカラオケに行きたいというので本当に久しぶりに飲んだ後カラオケにも行ってきたんだけど・・・
いや~オジサンは驚いてしまった。
25歳の青年がブルーハーツの「リンダリンダ」を熱唱してるではありませんか。
80年代の曲だから
彼が生まれる前の曲である。
オッサンの俺に気を使って歌ってるのか?と話を聞くとそこにいた20代の子はみんなリンダリンダを知っているし、〆には必ずリンダリンダを歌うという男もいた。
すごいな。
名曲は時代も世代も超えるんだね。
「リンダリンダ」
俺が小学校の頃だったかな?
リンダリンダの中にどうしても解せない歌詞があったのである。
「愛じゃなくても恋じゃなくても君を放しはしない」
当時はクラスに死ぬほど好きな子がいて、その子は絶対に放したくなかった。
そういうラブソング的な歌詞なら納得である。
愛でもないし恋でもないのに放したくないってのはどういうことだ?(´・ω・`)
当時、金髪の坊主頭でバンドをしていた親戚の兄ちゃんにリンダリンダの歌詞の意味を尋ねてみた。
兄ちゃんはニヤリと笑うと
「そやな、お前のチンチンに毛が生えそろったら歌詞の意味がわかるわ」
どういうことだ?(´・ω・`)
それから歳月は流れ、俺は25歳になっていた。
忘れもしない合コンである。
俺の前に座っている女は、当時の俺の1つ上の女。
この女がすごい女であった。
長く綺麗な黒髪で、Eカップもあろうモデルのような抜群のプロモーションであった。
ただ顔がー
男はつらいよの寅さん(渥美清)そっくりなブスであった。
まるでボディビルの雑誌に載っていた“筋肉ムキムキのお爺ちゃん”を見た時のような強烈な違和感に俺はメンタルをかなりすり減らしていた。
しかもその女が延々と俺に自慢話をしているのである。
俺は事前に取り決めていた席替えのサインを1000回は仲間に向けて繰り返したが、まるで俺が自縛霊かのごとく誰も見てくれない(厳密に言うと見て見ないふりをする愉快な仲間・・・)
寅さんは鼻から煙草の煙を妖怪のように出すと自慢話を繰り返す。
「アタシ、15歳の頃から男を切らしたことないねんな」
「俳優の○○と付き合ったこともあるで」
「最高で7股くらいしたことあるねん」
俺はメンタルをやられすぎて、ロシアの首振り人形のように感情の無いまま「うんうん」と頷く行為だけ繰り返していた。
(この合コン早く終わってくれ・・・)
俺は時間を過ぎるのをただただ酒をガバガバ飲んで待っていた。
いや~しかし、諸君、何ですな?
若いってアレですな?
気が付くと
俺は寅さんとラブホテルにいた。
我に返ったのは、寅さんと5発くらいいたした後だった。
若いとはいえ、5発。
ベッドの上で咆哮を上げたのはこの時が初めてであった。
「何がどうなって・・・なんだこりゃー!」
めちゃくちゃ上手いのである。
君は阿修羅マン?
本当に手が2本なのか怪しいほどのテクニック。
そう寅さんが女として生き残るためには夜の技術を磨くしかなかったのである。
「男を切らしたことがない」というのもまんざら嘘ではないようだ。
その後、寅さんとは2年ほど関係が続いた。
まったく愛していない。
むしろ寅さんの顔も性格も大嫌い。
まったく恋もしていない。
でもすぐに遭いたくなって震える。
「愛じゃなくても恋じゃなくても君を放しはしない」
この歌詞の意味を理解できるようになったのは
チンチンに毛が生えてから15年の歳月が経っていた。
結局、寅さんとは2年で関係を絶ったが、その後、据え膳食わぬは武士の恥!とばかりストライクゾーンはかなり広い男になっていた。
寅さんとヤレたのだからどんな女ともセックスはできる自信が付いた。
そう!寅さんのおかげで
決して負けない強い力を僕は一つだけ持つことができたのである。