Mと言う古い友人がいる。





彼は10代、20代と不遇な時代を過ごした。



まったくと言っていいほど女の子にはモテず、40才まで素人童貞である。





まず性格的な問題。



わがままで身勝手で団体行動もろくにできない男なので同性の俺でさえ難儀するほどである。




もうひとつは独特なルックスである。



誰に似てると言われると南斗五車星の山のフドウなんだけど、善人っぽくもないので、全体的には人が思い描くベタな「山賊」にそっくりなのである。




一緒に飲みに言って、こいつが骨付き肉をほぉばってたら、俺まで山賊になった気分になる。






何が山賊かと言うと毛深さである。


髭はもちろんのこと、胸から背中、腕から指までモジャモジャなのである。





なのに何故か頭はハゲている。


かなり若い頃からハゲていた。



本来いらないところに生えている毛を集合させて頭部に集めればハゲは解消されるのに、




本体同様、毛根も団体行動が苦手なようなのだ。






そして極め付きは、「臭い」である。

本来不潔な人間で、おまけに毛むくじゃらだから、暑くなると独特な酸っぱい臭いを放っている。




何度か苦言を呈したが、本人いわく

「フェロモン」と言い張って耳を貸さない。


女を寄せ付けないフェロモンなんか必要なのか？



っと言うわけで、彼はまったく女にモテない不遇の時を過ごした。なんなら明日目覚めたくなくなるほどの経験もしている。




なんと、そんなMに



彼女ができた。





28才のE カップで10人が10人美人だというぐらいの上玉である。

同棲して一年。


俺が初めて会わせてもらった時はあまりの衝撃に腹話術の人形のように声が出せず口だけパクパクしてしまった。


結婚詐欺か？ヤバい宗教の勧誘か？



そして彼女の話しを聞いて謎が全て溶けた。






彼女は性癖的にあっち方面の人だったのだ。





「私は毛むくじゃらで、臭い男が好きなんです。」

Mくんである。


「あと生活的に変わってて何を考えてるかわからない人が好きです」


Mくんである。




不遇な時代にたくさんの女に逃げられ、傷付けられ、同性にもバカにされ続けてたM。


されが今では誰もが羨む極上のギャルと毎晩イチャイチャでっせ？



まさに、捨てる神あれば拾う神ありではないか。



なぁ、諸君！


世の中も色々で、見捨てる人もいれば助けてくれる人もいるのだ。だから人間関係で困ったことがあってもくよくよすることはないということなのだ。






ちなみにMが言うには


彼女が臭いのが好きだからって、風呂に入れさせてくれず俺の臭いチ○コを彼女の鼻に押し付けるのが毎日義務付けされた日課なんだよ～(ToT)



と、くよくよしてはります。