巫女さんを抱きにいくぞ!<後編>
前回の続き。
「巫女さんを抱きに行く」
そんな男の夢を叶えるべく、いくつもの県や山を越えて我々は現地に向かった。
車内はすごいテンションであっという間に現地に到着。
厳密には夜に出発して昼過ぎに到着だからあっという間ではないが、そういうテンションだった。
とりあえず、例の神社にお参りに行こうと
クソ長い階段を運動不足の俺たちはゼエゼエと汚い吐息を吐きながら登りきった。
「うわ~いるわ、いるわ」
真っ白な「白衣」に真っ赤な「緋袴」を身にまとった若い巫女たちが( ´・ω・`)
なんという神々しさだ・・・
もう、梅田や心斎橋で見かけるような茶髪で派手な子は誰もいない。
艶やかな長い黒髪に、真っ白な肌。
んで田舎ぽい、ほっぺが少し赤いとこもイイ。
神聖な神社で
「一体、どいつが来んだ?どいつが来んだ?」
と鼻を伸ばして巫女を品定めする一同。
さぞかし気持ち悪い絵だったと思う。
あと、知らなかったけど、巫女さんって舞を踊るのね。
神主みたいな人が「祓いたまえ、清えたまえ」でおなじみの白い紙がついた“ぬさ”を振ってる時
その後ろで木の枝を持って優雅に踊る若い巫女さんに、また胸がドキドキ・・・・・。
で、衝撃だったのが
奥から長い黒髪をフワリとなびかせて神酒みたいなのを運んでくる巫女さんが
「綾瀬はるか」にそっくりな美女。
みんな、その美貌と優雅な姿にマジで見とれてしまったのである。
神社本殿の前で、先輩が
「ここは願い事を叶うパワースポットとして有名らしいよ」
とすかし顔。
みんなお賽銭に小銭を入れて神妙な顔で願い事してるけど
絶対願い事は
「さっきの綾瀬はるかが来ますように」だ。
んで、あれこれ飯食って酒のんで日も落ちると
「イザ巫女抱タイム」。
先輩がどこかに電話で話し、車で移動。
何やら古ぼけた旅館みたいなとこに到着。
雰囲気がいかにも伝説っぽい。
受付のお婆さんに
「○○さんの紹介で・・・」と先輩。
お婆さんはハイハイと頷きながら部屋に案内してくれた。
よそ者なのに簡単に通してくれるものだ・・・○○さんスゲー!!
六畳くらいの和室の各部屋に一人づつ通された。
部屋の都合で、俺と先輩だけは薄い壁で隣どうし。
先輩の咳払いとか聞こえて、なんだか気恥かしい・・・・
六畳の和室の真ん中に布団と提灯のような暗い照明。
「あああ・・・・伝説の巫女抱き・・・」
何だか落ち着かず、立って座ってを繰り返すが
下半身は立ったままで、一向に座る気配はない。
玄関の開ける音。
「来たっ!( ´・ω・`)」
俺の部屋に向かって歩いてくる。
「シュシュ」っと布が擦れる音。
まさしく昼間に聞いた巫女衣装の擦れる音。
神酒を持った綾瀬はるかの姿が脳裏に浮かぶ。
フワっとした感じで俺の部屋の襖が開いた。
真っ白な「白衣」に真っ赤な「緋袴」清潔感あふれる巫女衣装。
手には、おなじみの“ぬさ”
そして髪は
ふわりと長い・・・・
え?短っ!
・・・ってかパンチパーマ??
そして顔は
綾瀬はる・・・・・・
え?・・・三郎?
俺の目の前で巫女衣装を着た
北島三郎と瓜二つのババアが仁王立ちしていた。
逆ブリッジで3mくらい逃げた。
恐らく、今までの人生で
生きた人間にあそこまで恐れおののいたのは初めてである。
ちょうど貞子がテレビから出てきた時よりも驚いた感じだったと思う。
階段がもう一段あると思い込んで足を踏み外して肝を冷やすことが多々あるのと同じように
女子大生が来ると思いこんでての北島三郎。
階段で言うと、あと一段あると思い込んでたのに47段くらい残ってたような衝撃。
三郎がニカっと笑う。
巫女さん相手に失礼だが、その“ぬさ”を貸してくれたらお前に憑いてる妖怪を祓ってやろうか?
・・・俺だけか?
俺だけがこんな天罰を?と動揺してたら
隣の部屋から「笑い飯」より感情を込もった先輩の声で
「思うてたんと違う~!」
と聞こえたから、たぶん同じような状態なんだろう。
先ほどまで元気だった俺の下半身も一気に“もやし”みたいになった。
もう性欲もどこかに飛んで瀬戸内寂聴みたいな気分になってたから
とりあえず、お茶を飲みながら話をすることに。
北島三郎の年齢は当時の俺のオカンより4つ上。
伝説の「巫女抱き」の話を聞いたら。
「そんなの、知んねぇ」
と美味そうに煙草をくゆらせる。
また真っ赤な口紅の唇が、無性にムカつく。
「・・・・あの女子大生は?」
「そんなの、いねぇ」
と紫煙をパカーと吐く。
口元から見える金歯3本がまた、ムカつく。
三郎の長男が東京の会社で係長になったという話の途中で時間終了。
お金を払って悪霊はさっさと退散してもらった。
集合場所に集まった同僚一同の表情は、土色そのもの。
先輩とこに来た巫女さんは「大川栄作」そっくりなオバサン。
同僚のとこに来たのは「前川清」そっくりなオバサン。
もう一人の同僚のとこに来たのは、まだ比較的に若かったけど「和田アキ子」そっくりな人。
「北島三郎に大川栄作、前川清に和田アキ子か・・・・・
紅白歌合戦できるな・・・・」
俺の快心のボケにも誰も笑わなかった。
大阪に戻る車内。
行き道と打って変わって「シーン」と静かである。
「巫女抱き伝説」なんて初めからなかったのだ。
ただの巫女の衣装をコスチュームとした熟女専門の場末の遊郭だった。
ただ誰も先輩を責めない。
だって「巫女抱き」に一番目を輝かせてたのも先輩だったんだの。
先輩はずっと涙目。
面白半分で嘘をつかれて担がれた先輩がみんな不憫でならなかったのである。
先輩はおもむろに携帯を取り出すと
「ああ、俺や!実は極秘情報なんやけど、○○神社に巫女抱きって言う・・・・」
こうしてバカな俺達のような被害者は拡大していくんだな。
大阪で泣きそうな顔でずっと手を洗う先輩。
なんでも大川栄作に果敢にチャレンジしてみたけど、強烈な匂いで断念したが
手にその悪臭がこびりついて取れないと必死に洗ってる。
バチが当たったんだきっと。
あと、エロいの期待してた人の呪いで
俺は明日くらいにきっとバチが当たると思う。
コメント
2011/04/17 8:57
51. 実に良い話しでした(笑)
返コメ
2011/04/16 17:03
50. >ひーくんさん
ひーくんさん(‘・ω・́)ゝ
ようこそおいでやす☆
褒めてもらって素直にうれしいっす( ´・ω・`)
返コメ
2011/04/16 12:02
49. 久しぶりに笑わしてもらいました~今までの日記の中でダントツです…ありがとー
返コメ
2011/04/16 2:25
48. >水月さん
まぁ、基本的には間違った巫女さんへの需要やけどね~ヾ(≧▽≦)o
エロの方面じゃなくても元巫女さんの裏話とか暴露話はなんか楽しそうw
機会があったら発表してね( ´・ω・`)
返コメ
2011/04/16 2:13
47. >りょうまさん
いえいえ
どういたしまして。
現役じゃないけど、
巫女さんの需要を再認識しました。
返コメ
2011/04/16 2:06
46. >水月さん
あとね、晴れ着の袖の中に手を入れたくて仕方がない☆
水月ちゃんは、俺の中では大塚寧々系の巫女さん( ´・ω・`)
日記のおかげで生々しく思いだしてしまった
「北島三郎の巫女さん」が少し頭の中から消えて頭痛がおさまったよ★
ありがとう(*^_^*)
返コメ
2011/04/16 1:55
45. >りょうまさん
なるほど そんな感じか。
ちょっと違うけど 帯解きたい感じかな。
もうりょうまさんの中では私は巫女さんですよね(笑)
返コメ
2011/04/16 1:47
44. >水月さん
水月ちゃん。
例えば、着物の帯を引っ張ってくるくる回して「あれ~♪」ってのは男の憧れなのね( ´・ω・`)
もうね、衣裳がいつもと違うってだけで2割増しで下半身が固くなるだけに巫女の衣装なんて・・・・
妄想なんかとっくに通過して逆に“瞑想”しとるわ\(◎o◎)/
返コメ
2011/04/16 1:37
43. >りょうまさん
そんなもんですかね。
そこまでは言われなかったけど興味はあったようです。
中 どーなってんのとか言ってたから。
あ、りょうまさん
妄想してる?
返コメ
2011/04/16 1:19
42. >水月さん
何?
黒髪ロングで大塚寧々系
の巫女さんだって?( ´・ω・`)
\ドストライク~!/
\(◎o◎)/
まぁ、俺が彼氏だったなら巫女衣装は泣きながらお願いする。
んで土下座して“ぬさ”はアレな感じで手作りさせてもらってると思うww
脱がしにくいのを脱がす嬉しさって知らないでしょ?( ´・ω・`)
返コメ