打ち合わせが終わった後に仕事仲間と中華料理店でビールを飲みながら

【中国人が発明した偉大なモノは何か】というお題に

『麻雀』か『餃子』かで

議論はかなり白熱していたが、注文した肉汁たっぷりの餃子がテーブルに出された瞬間


満場一致で『餃子』となった。


もし、ここが雀荘だったら間違いなく「麻雀」になってたと思う。


そんなものである。


俺は、昔から気心知れた仲間とくだらない話で盛り上がるのが大好きだった。


今でも好きなんだが大人になれば「くだらない話」ができる場や仲間が少なくなっている。


例えば、


【二匹のヘビがお互いの尻尾をくわえたまま、どんどん食べていったら、
最終的にどうなるのか？】

というファンタジーな話を持ち出すと


「まず、共食いしている最中に蛇は死ぬやろ！」


「蛇の習性で尻尾から食べることはありえない！」


いや、ごもっともな意見である。

だけどなんだか悔しいではないか。


「『アワワワ！２匹の蛇が消えてなくなるわ！』って目を輝かせる奴は一人もおらんのか！」って言い放つと


「質量保存の法則」なんか持ちだして「消えないことを証明する」奇妙な計算をするやつもいた。


チンコとウンコの話以外はまったく反応しなくなる。

大人になるというのはつまんないものだ。


そんな中、中華料理店に３人の家族連れが入ってきた。


子どもは３歳くらいの女の子だろうか。


拙い言葉で一生懸命ママとパパに話しかけているのだが

ママは携帯電話に夢中、パパは漫画雑誌に集中。


夫婦でさえ目を合わせないし

子どもが一生懸命に話しているのに完全に無視である。



（え！俺、幽霊目撃デビュー！？）

子どもが見えてるのは俺だけかと思ったが仲間に確認するとちゃんと存在している。


独り言の女の子は、遂に会話をあきらめて最終的に一人で歌を唄いだしたのである。


その光景を見ていた俺は、何だかいたたまれない気持になってしまった。


子育て経験の無い俺が言うのもなんだが


子どもの感受性を豊かにするためにも両親にはちゃんと会話して欲しいな思う。


また両親も、もったいないことをしていると思う。


大人になって眠ってしまった感性が、子どもとの会話で再び感受性を取り戻せる機会なのに。　


子のいない俺なんて羨ましくてしょうがない。


日々、小さい子どもと接して会話をたくさんしているママはわかると思うが


子どもって大人では太刀打ちできないくらいの発想力を持っていないだろうか？



友達の家の子どもは３歳の女の子。

俺のことが大好きなようで、遊びに行くたびに膝に座ってくれて色んな話をしてくれる。


「うんとね、ヒヨコが大きくなるとね、隣のヒゲのオッチャンになるねん」


ヒヨコが大きくなり、ニワトリならぬヒゲのオッサンになるという支離滅裂な内容を聞きながら


俺は腹を抱えて笑うんだが、こんな発想ができる子どもはすごいなと思う。


俺には全然浮かばない。


きっと子どもと「２匹の蛇」の話をすると、きっと面白い発想が次から次へと出るとおもうんだ。


子どもの感受性を豊にする為にも親はちゃんと会話するべきだし


親もまた会話を通じて子どもから感性を受け取ることができると思う。


俺は仕事柄、自分の感性を鈍らせない為にも子どもと遊んだり会話をしたりする。


児童養護施設のボランティアもそんなきっかけで参加するようになった。



地下鉄で若いママと幼い子が、２人で大爆笑しながら会話をしている姿が非常に微笑ましかった。


すっごく理想的な母子だと思った。


いつか俺に子どもができたら、大いに会話を楽しもうと思う。


【なぜ男に乳首が必要なのか？】

こんな壮大なファンタジーを子どもの発想で聞くのがとても楽しみなのである。