この間は出張で東京に滞在しておりました｡



東京にいて､いつも思うことは


なんだかんだ俺が暮らす大阪なんて一地方都市にすぎないなと思う｡


いくら大阪地下鉄御堂筋線のﾗｯｼｭがすごいといわれても


そんなもの東京の｢ｿﾚ｣に比べたらﾊﾟﾁﾝｺの新装開店ﾚﾍﾞﾙ｡


初めて､東京の朝夕のﾗｯｼｭを見たとき



中国人ｴｷｽﾄﾗの大群が走り去る

｢ﾅﾝﾊﾟｵのCM｣かと思ったもん｡



東京一極集中って言葉があるように､

日本の政治･経済･文化･人口･資本が東京に集中していることは間違いない｡



本来は仕事をﾊﾞﾘﾊﾞﾘして高いとこを目指すなら東京進出をするべきである｡


俺も東京移住は何度も進められたけど､どうも水が合わないというか


東京に対するｱﾚﾙｷﾞｰを持つ田舎者だから断り続けて､大阪に居座っている｡



実は東京で受けたﾄﾗｳﾏってのが俺にはあって､

昔に｢関西人｣が東京ではﾓﾃるって聞いたのをいいことに

東京で合ｺﾝを開いてもらったことがある｡


まぁ､ﾓﾃた｡

ただ､ﾓﾃたのは俺ではなく､俺が使う



関西弁がﾓﾃたのである｡


女の子たちの反応は


｢ｷｬｰ､生の『何でやねん』初めてきいた（笑）｣

｢関西弁､超ｳｹる･･･（笑）｣

｢うわｰ！本当に飴“ちゃん”って言ってるよ｣



大阪で腕を磨いてきた俺のしゃべくりのﾃｸﾆｯｸは関係ない。

単純にﾈｲﾃｨﾌﾞの｢関西弁｣を使う男として興味を持たれたのである｡

何を言っても笑う｡

合ｺﾝで｢笑わせてる｣のではなく｢笑われて｣しまっていたのである｡


このｱｳｴｰ感ときたら････



挙句の果てに
しょーもない女の子の小ﾎﾞｹの連発に

｢･･･ってよう見たらこれ爪楊枝やん！喉にささって､ｺﾞﾊﾝ飲み込まなｱｶﾝがな～｣

って何度も寒い乗りﾂｯｺﾐをさせられたり｡



事あるごとに｢ﾊﾞｰﾝ｣と指鉄砲されては｢やられた～！｣をさせられた｡


無視しなかったのは―。


｢えｰ！大阪人なのに寒い～！｣
って言われた方が､指鉄砲よりガチでやられるからだ｡



大阪人としての誇りはないのか？

と後日､地元の仲間に嫌み言われたけど


４人の女子＝合計８個のおっぱいを目にすれば

んなもん､誇り高い大阪人の魂なんてなんぼでも売ります｡



まぁ､東京ｱﾚﾙｷﾞｰはこれが直接的な原因ではない｡


東京に到着して間もなく､恐らく歌舞伎町で朝まで飲んでいたんだろうか

早朝の新宿の路上で若いｶｯﾌﾟﾙがｷｬｯﾄﾌｧｲﾄさながらの壮絶な喧嘩をしていた｡


大阪でも宗右衛門町あたりでｶｯﾌﾟﾙの喧嘩は頻繁に目撃するんだが


だいたいが口汚いが､どこかおもろい｢口喧嘩｣か､


もしくは一方的にｶﾊﾞﾝでどつかれて｢堪忍やで｣とばかりに逃げ惑う男


行くとこ行っても､ｶｯﾌﾟﾙが居酒屋の｢のぼり旗｣を持ってのﾁｬﾝﾊﾞﾗである｡



新宿のその喧嘩は質が違った｡


下になった女の子が彼氏の顔を蹴り上げる､彼氏の顔に何発も命中｡

まぁ女の子の蹴りだから大したことないと思い静観。

ｷﾞｬｰｽｶ､ｷﾞｬｰｽｶとわめきあい｡


たくさんの出勤の人が信号待ちをしているすぐ横でのﾌｧｲﾄである｡


すると蹴り挙げられた彼氏が､彼女の髪の毛を鷲掴みすると､



あろうことか､彼女の顔に上から拳を何度も振りおろした｡



これは洒落にならんと､俺は慌てて止めに入って彼氏を押さえつけた｡


押さえつけると彼氏は案外大人しくなったんだが

下の彼女が反撃の機会とばかりに



また彼の顔目掛けて足を飛ばしてきたが､命中したのは



俺の足！！けっこう効く｡



あと彼女が引っ掻いた爪の先はも


やっぱり俺の足と腕！！




本当に怖かった｡


ｶｯﾌﾟﾙの喧嘩が怖かったのではない｡


ｻﾗﾘｰﾏﾝの出勤時間｡

信号が変わってたくさんの人波が交差点で行き交っのだが

男を羽交い絞めしている俺､流血している若いｶｯﾌﾟﾙ｡


まぁ､明らかにどこを見ても修羅場な現場である｡


こんなに､たくさんの行き交う人の波なのに

その誰一人としてその修羅場を一瞥することもなく､


まるで俺達３人が存在しないかのように無視されていた。


無表情に前だけ向いて歩き去る人間の大群が何と無く｢怖かった｣のである｡



大阪ではまずこんなことはありえないと思う｡


たぶん｢兄ちゃんどうしたん？｣って好奇心旺盛なｵｯｻﾝが駆け寄ってくる｡

｢これ使い｣ってお節介なｵﾊﾞﾊﾝがﾎﾟｹｯﾄﾃｨｯｼｭを出して止血を促し

何なら､その場にいる全員に飴ちゃんを配り出すかもしれない｡



ﾎﾞｰｾﾞﾝと行き交う人の表情を見ながら

いかにも東京｢らしい｣といえば｢らしい｣場面に遭遇したような気がした｡

自分のことで精いっぱい
他人には無関心。

この場所へのアレルギーは東京の冷たいところかもしれない。




ひっ掻かれた個所の血を拭きがらﾄﾎﾞﾄﾎﾞ歩いてたら

ｸﾗｲｱﾝﾄとの待ち合わせ場所がわからなくなった｡


自慢じゃないが基本､俺は超方向音痴で道に関しては､他力本願な俺は

､迷子になる前に､あっさりと道行く人に聞くようにしている｡


ところが､東京では人に道を尋ねようと声かけても､


まぁ､女性は立ち止まってくれない｡

冷たい顔して完全に無視である｡



男性ですら｢すいません！｣って近づくと不信感たっぷりの表情で顔を引きつらせる｡

道を尋ねてるとわかると､どこか安堵の表情を浮かべやっと教えてくれる｡


大阪では地図を持って､ｷｮﾛｷｮﾛしてたら､かなりの確率で

｢兄ちゃんどこいくの！｣

って向こうから道を教えにきてくれるお節介なｵﾊﾞﾊﾝが多い｡


んで､そのｵﾊﾞﾊﾝが尋ね場所わからなかったら

ｵﾊﾞﾊﾝ自ら道行く女性に｢ちょっと奥さん､ここ知ってはる？｣って聞き出す｡


それが数珠つなぎになり


一度､俺の周りに５人の見知らぬｵﾊﾞﾊﾝが俺の地図を見ながら

｢あｰでもない､こでｰもない｣論議を開始されて収集がつかなくなったことがある


｢いいです､もう自分で探します｣

とも言い出せず､なかなか難儀した｡


外国人観光客にも早口の“大阪弁”で案内してるのも見たこともある｡


｢OH MY GOD･･･｣ って表情の外国人が印象的だった｡



同じ日本でここまで違うか････


無視されて立ち止まってくれなかった女性の背中をﾑっとしながら目で追ってみると｡


視界から消えるまで次から次へと男が出てきて声をかけられてた｡


たぶんｷｬｯﾁか､怪しげなｽｶｳﾄだろう｡


もちろん､彼女は完全無視だった｡


道を尋ねるのに無視されてｶﾁﾝときたけど､たぶん彼女が悪いわけではない｡


知らない男から声をかけられても無視をすることが､正しい選択なんだと

この女性はこの街で自分を守るために身につけた作法なのかもしれない｡



そう考えると､ちょっと東京は悲しい街やなと思うのである｡


人間的にはｲｲ人はどこにでもいる｡


ただ住んでいる場所や環境で人間って変化するものなのかもしれない｡


夜の飲み会の待ち合わせ場所で歌舞伎町の中を歩いてたら


身体がでかく全身ﾀﾄｩｰで､ﾋﾟｱｽまみれのｲｶﾂｲ男が俺の前を歩いて来る｡


できることなら､一生避けて通りたい人物だから､そんなのとは視線は一切合わせない｡


無事すれ違ったと思いきやふいに肩を叩かれた｡


振り返ると､その全身ﾀﾄｩｰ男である｡


こんなにﾋﾞﾋﾞｯたのは中２でｶﾂｱｹﾞされた時以来である｡


全身ﾀﾄｩｰ男は指を俺の足もとにﾁｮﾝﾁｮﾝと向け


｢靴紐ほどけてますよ｡踏んじゃうと危ないから｣とﾆｯｺﾘ笑顔｡


うんざりするほど冷たい街で､思わぬ触れた人の温かみに


『君､そんなことより､今晩､俺を抱いてくれないかな？』

と言いそうになってしまった｡


地方から出てきた女の子がいとも簡単に東京人に食われる理由が少しわかった気がする｡



さっき大阪に戻ってきたんだが､


電車の中で荷物がたくさんある俺を見て座席に座ってるｵﾊﾞﾊﾝが


｢兄ちゃん､重そうやな｡座り｣って俺のｹﾂ半分くらいのｽﾍﾟｰｽを空けてくれた｡



笑顔で丁寧に断ったが､大阪に帰ってきた感じ｡


将来はわからんけど､今のとこ俺には大阪が一番いいわｗｗ



あと､東京の女は想像以上に蹴りが強烈だから､みなさん怒らせないように気をつけよう｡