言うまでもなく人間は動物ではあるのだが


子どもは大人より動物に近いと何かの本で読んだことがある｡


言葉をあまり理解していない子どもは目を見てくる｡


大人が目で褒めてあげれば喜んではしゃぐし､目で怒ればｼｭﾝとする｡


これは人間（動物）に備わった本能だという｡



大人より子どもの方が動物的本能が強い｡


なるほどである｡



読んでて小学生の頃のあることを思い出した｡



小学生の頃､ｸﾗｽで一番“ﾓﾃた”男子ってどんな人だったか―｡



おもしろい男子｡


喧嘩の強い男子｡



色々あったが､恐らくﾀﾞﾝﾄﾂでﾓﾃたのは



『足の速い男子』

だったのではないだろうか？



O君は長居競技場で大阪の小学生記録を持つくらいの俊足だったが､



大阪随一の｢ﾊﾞｶ｣だった｡



一度､O君の算数の答案用紙を見てひっくり返りそうになったんだが


Q.八百屋でﾘﾝｺﾞが○○個､ﾒﾛﾝが○○個…全部で足して何個でしょう?


みたいな簡単な足し算の出題だったと思うんだが､O君はその出題意図とまったく無関係な答えで




A.（ﾒﾛﾝの方が美味しい）個


と書いていた｡


今となってはある意味天才かもしれないが

｢ﾊﾞｶ｣以外の表現が見つからないほどいつも青っ鼻を垂れてへらへらしていたが､かけっこになると

本当に顔つきが変わり､ﾁｰﾀｰのように速く


体育の時間や運動会では羨望の眼差しを受け､女子からﾓﾃまくったのである｡



小学校低学年の女子にとって


足が速ければ､ｵﾂﾑが少々弱くてもOK｡

足が速ければ､鼻から青虫のような鼻水が垂れててもOK｡


とにかく足の速い男が大好き！


これはもう―｡


｢狩りができる｣男に魅かれるという

動物的本能以外に説明できるものが見つからないのである｡



今では50ｍ走の完走でさえ危うい不健康体質な俺だけど

実は小学生の頃は意外に足が速くて､O君と競いあってはいた｡



だけど絶対にO君には勝てなくて､いつもかけっこでは２位｡


なのに､女子からもらうﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝﾃﾞｰのﾁｮｺ数の差は１位､２位ってﾚﾍﾞﾙではなく､


もうﾀﾞﾝﾄﾂの差で負けていた｡



小学生女子にとって足の速い子も､おもしろい子も､喧嘩の強い子も

ﾓﾃる男子は､みんな一番じゃないといけない｡








｢２位じゃﾀﾞﾒなんですか？｣

絶対に蓮舫より先に俺が言ったｾﾘﾌだと自負している｡



ただ､そうした女子もさまざまな経験や情報を通じて大人になり

｢やれ３高だ！｣｢やれｲｹﾒﾝだ！｣と理想が多様化されるようになってきた｡



あれだけ子どもの頃は｢足が速い男子｣がﾓﾃたのに､ﾜｸﾜｸﾒｰﾙのﾌﾟﾛﾌを見ても



誰一人として


望む相手：｢足の速い人｣


なんて女性は見当たらなくなったのである｡



むしろ大人になった今､｢足の速い男｣なんて

｢ｻｸﾏ式ﾄﾞﾛｯﾌﾟｽの『ﾊｯｶ味』｣くらい

あっても無くてもどっちでもいいｵﾌﾟｼｮﾝにまで位置が下がってしまったのである｡




小学生のころ､足の速いO君が好きだったH子（独身）とは今でも飲み友達なのだが


H子が好きになったﾀｲﾌﾟを年代別にｻﾞｸっと書くと以下のような感じである｡



小学生⇒足の速い男子（O君LOVE)


中学生⇒おもしろい男子


高校生⇒おもしろくてｽﾎﾟｰﾂ万能｡


大学⇒おもしろくて､ｲｹﾒﾝで､頭のいい男



好きなﾀｲﾌﾟ“足の速い男”は小学生でさっぱり消え失せ､


中学生くらいから新たなｵﾌﾟｼｮﾝが加わっていく｡



もう､H子が２０代前半になると､手がつけれないほどハードルが高くなった。


収入はいくら以上が必要で―｡

身長は自分よりも20ｃｍ以上は必要で―｡

顔は芸能人で言うと…

車は…

ﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄは…


もう､ﾋﾞｰﾙをぶっかけてやろうかと思うくらい､うるさくてしょうがなかったんだが


そんなH子もまた20代後半くらいから好きなﾀｲﾌﾟが微妙に変化してきたのである｡


H子２８歳｡


｢暴力を振るわず､安定的な仕事してくれてる人がいい｣


この年代になると｢好きなﾀｲﾌﾟ｣を聞くだけで､元彼にどんな目に合されてたのかわかってしまうから悲しいものである｡



そしてH子が３０歳の頃は


｢もう健康で真面目なら贅沢は言わない…｣になって



３５歳の今､好きなﾀｲﾌﾟは




｢ﾁﾝｺあれば誰でもいい｣



ﾊｰﾄﾞﾙ低くっｗｗｗ！！


確実に大人になるにつれ､男を求める動物的本能は薄れていくようだ｡


男は穴があれば誰でもいいってのは良く聞くけど


女性は動物的本能を呼び起こし､今一度自分の理想のﾀｲﾌﾟを再考してみてはいかがだろうか｡