お持ち帰り[黒ハート][ハートたち(複数ハート)]
40代前半  大阪府
2011/08/04 5:07
お持ち帰り[黒ハート][ハートたち(複数ハート)]


先日、オカンを飲みに連れて行って、懐かしい昔の話をしました。



今回はとても長い話になりまする。




俺は幼少期から色んなものを持ち帰ってきたらしい。



自分のことなのに「らしい」ってのは、実は俺もあんまり覚えていなくて「持ち帰り」についてはオカンに聞いた話が多い。



小さい頃の俺は、目に付くもの気に入ったものは、すべてポッケに入れてしまう悪いクセがあったんだって。



洗濯の度にポケットの中から出てくる俺の収集物には本当に難儀したという。



枯れ葉、ドングリ、松ぼっくりなどの植物類。


小石、貝殻、ガラス玉、キラキラ光る金属などのアート類。


誰かよくわからん写真、何かよくわからんキャラのシール等の怪しい類。



蝉の抜け殻が大量に出てきた時は、さすがのオカンも悲鳴をあげたらしい。



少しだけ大きくなると、俺のお持ち帰りの対象は圧倒的に生物が増えてきたという。



俺が覚えてるだけでも



ザリガニ、カエル、メダカ、金魚、どじょう、ゲンゴロウ、カエル、ヤドカリ、沢ガニ、カメ
テナガエビ、カブトムシ、カナブン、バッタ、鈴虫、コオロギ、クワガタ、トカゲ・・・・



もう、たくさんの生物が家にいた。


どこかに捕まえに行ってひっきり無しに生物を持ち帰ってくるものだから


飼育ケースが間に合わなくて、仮ケースとして頼んない容器に入れていたんだが一度、全部容器をひっくり返してしまい


たくさんの生物が部屋の中で大脱走したことがあった。



俺ん家がちょっとしたグロいムツゴロウ王国みたいな感じになったw



後日、お馴染みのメジャーな昆虫たちが冷蔵庫の横のゴキブリホイホイに捕獲されていたのは


今でも俺の軽いトラウマになっている。




ある日、洗面器のような巨大な亀を近所の子と二人がかりで持ち帰ったことがあったという。



当然、オカンは元の場所に放して来きなさい!と激怒したらしいが、俺は一歩も譲らなかった。



むしろ、もう一匹大きな亀が欲しいと地団駄を踏みだしたんだって。



なんで大きな亀が2匹いるのか―。



実は当時の俺はものすごく変わった子どもだった。



自分の伝えたい想いをまったく言葉にすることができなかったみたい。



ただただ奇声をあげて駄々をこねる。




何を考えてるのかまったくわからない子―。



オカンは当時の俺と接していて困惑の毎日だったという。



結局、次の日の朝に隣に住むおっちゃんが、巨大な亀を池に放しに行ってくれたそうである。



オカンは、なぜ俺が異常なほど駄々をこねて亀を2匹欲しがっていたのかは知るよしもなかったが


後日、俺のお絵かき帳を見て大爆笑したらしい。



公園にいる俺の自画像。


その足の下には2匹の亀。



つまり


「両足にそれぞれ亀を乗っけて移動したい!」

ってのが俺の当時の野望だったみたい。



いや、本当に今考えても巨大亀が2匹いなくて良かったと思う。



もし仮に当時、亀歩行が実現していたなら俺は今も【リアル亀仙人】として

2匹の亀に乗って行動している変人になっていたはずである。




さて、オカンが我子のはずなのに幼少期の俺との生活に困惑していたのには理由があった。



実はそれまで母子で接する時間がほとんど無かったのである。



俺は産まれた時から父親の顔を知らない。



俺が生まれてオカンも色んな客観的事情があって、俺は施設や親戚の家をタライ回しにされていた。



タライ回しって言うと悪いイメージだが

実にいい親戚達に恵まれていて

「施設に入れるくらいならウチが預かる」

と次つぎ名乗りを上げてくれて結果としてローテーションで俺を預かってもらうことになった。



親戚には俺のような変人を本当の家族のように接してくれて今でも感謝してるし


将来、親戚や甥っ子達が困った時は俺が絶対に支えようと心に誓っている。




さて、親戚達は幼少の俺がどうやら「変な子」であるということに気づき始めたのである。



先述したが年齢のわりに自分の想いを言葉で表現できないことに加え


じっと座っていられない落ち着きのなさ、注意力や集中力の欠如の凄まじさに



大人達は何らかの「障害」では無いかと大きな病院で脳波の検査をしたり



東洋医学が変な子に効くとして鈴の音の鳴る小児針で痛めつけられ



挙句の果てに

「キツネが憑いてるんじゃないか」

って山伏みたいな人にお祓いをされたこともあった。




そうこうしている間にオカンを取り巻く客観状況が変化し、やっと俺を引き取ることのできる状態になった。



とは言っても、平日の昼間は親戚の家、夜だけはオカンと一緒という生活サイクルだった。




そら当時は俺との生活に困惑したはずである―。



ちょっと酔いが回ったオカンに聞いてみた。



「当時、俺が色んなモノ持って帰ってきてなんで怒らんかったん?」



「いや、そら最初は怒ったよ!アホかいな!と。だけど、きっと寂しかったと思ってん」


「寂しくて、寂しくて、色んなものをポケットに入れて、寂しさ紛らわしてるって思ったらな、なんか申し訳ないって思えて何も言えなくなったわ―」



ちなみに、この頃のことは、まったく覚えて無いから本当に寂しかったのかどうかも記憶が無い。



オカンは笑いながら話を続ける。



「あまりに色んなもん持って帰ってくるから、

そのうち人間を持って帰ってくるんちゃうか?

って笑ってたら、ほんまに人間を持って帰ってくるんやもん。しかもオッチャンばっかり(笑)」




保育園に入った頃には俺の「持ち帰り癖」は、遂に人間(オッサン)にまで進化していたのである。



「知らん、オッチャンの手をつないで私のとこに連れてくるんやもん。いつも、びっくりしたで!」



「そうか、そうか、俺は全然覚えてないわ(笑)」


ってオカンにはそう言ってるが


実は当時の俺がオッサンを収集した理由ははっきり覚えているのである。




「父親が欲しい」と思ったのである。



当時の俺には父親という概念は無かったから不必要なものだった。


厳密にいうと父親ではなく家に「オッチャン」が必要だと思った。



とりわけ、オカンには絶対にこの「オッチャン」が必要だと思ったのである。




当時、夜になるとオカンは俺が寝たかどうか顔を覗きこむ。


俺が寝てるのを確認すると


時々、ふいに布団の上で泣きだすのである。


俺を起こさないよう声を殺すため布団を噛んで嗚咽する。



ちなみにそんな時は俺は起きてる。


だてに親戚中をタライ回しにされていない。

大人の微妙な変化は子どもは察するものである。


オカンに気づかれないように寝たフリしながら薄目をあけて大粒の涙を流すオカンの横顔を見つめていた。




今、普通に考えるとオカンも小娘な年代。


女手一つで子どもを育てる社会の厳しさ、先の不安、相当なプレッシャーで日々を過ごしていたはず。



昼間は外で働き、夜に親戚の家に俺を迎えにいき、一息ついて俺の寝顔を見て初めて緊張が解けるのだと思う


オカンはさめざめ涙を流すのである。



当然、当時はそんな事情は露知らない。



ただ、なぜかオカンが泣くのを見てると無性に悲しくなって俺の目にもどんどん涙が溢れるのである。



ただ子ども心に、オカンが俺に隠れて泣いてるってのを知ってるから

俺が起きてることオカンに悟られたくない。


そんな時は寝がえりに見せかけて、うつ伏せで枕に顔をうずめるのだ。


そして寝息のように小さく泣く。


子どもに見せたくない母の涙と、母に見せたくない子の涙。


決して美しい光景では無いんだが


今は酒を飲んで笑いあってる母子の約30年前に6畳一間のアパートでの光景である。



保育園の友達にも、俺がいた親戚家族の家にも全部「オッチャン」がいた。



ウチには、なぜかその「オッチャン」がいない。


ウチに「オッチャン」がいたらオカンは、もう泣かずにすむのだろうか・・・ばっか考えてた。


そんなことを考えているうちに、優しそうなオッチャンを見かけたら無言で手を握って


オカンの前に連れてくるようになっていたのが

「オッチャン持ち帰り」の真相である。



顔真っ赤にしてひたすら謝るオカンと苦笑いのオッチャン達の顔は今でも鮮明に覚えている。



結局、オカンは新たなオッチャンを見つけることも無く女手一つで俺を育てあげた。



俺が小学校に入るとオカンはOLを止めて自営業をするようになり


俺と一緒に過ごす時間が長くなり
俺は必然的にカギっ子と学童保育から卒業した。



そうして、日記でも紹介している愉快な仲間達との出会いや経験を通じて、


大人が心配するほどの変テコな子どもは、自分の伝えたい言葉は人一倍話すことができるほど成長し



あれよあれよと「違う意味で変な大人」に成長した俺が完成したのである。



ただね


今でも海岸とかで奇麗な石や貝殻を見つけてはポケットにいれてしまうし、

気になるものはすぐに衝動買いしてしまうし


酔っ払って目が覚めたら変なマスコットキャラクターを抱いて寝ていたり


友達の彼女(霊能力者)に「りょうま君、変なの持ち帰ってきたね」って言われたり



「お持ち帰り」のクセは全然成長していなかった。




一方で、大人になって合コンでまったく女を持ち帰れなかったのは


やっぱり子どもの頃に持ち帰るものが多すぎたからなのだろうか?

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コメント

60代前半  北海道(道央)

2011/08/15 1:38

74. ヤバい…

これは……泣いた[涙]

りんご[退]
30代半ば  静岡県

2011/08/06 14:01

73. >りょうまさん


そっちか(笑)

じゃあ、がんばって

緑色の〓さん

発見してね(笑)

40代前半  大阪府

2011/08/06 12:01

72. >りんごさん


アバは映画の「アバター」ねww

全身緑色やから象さんも絶対に緑色(‘・ω・́)ゝ

りんご[退]
30代半ば  静岡県

2011/08/06 11:47

71. >りょうまさん


作るのありなのかなぁwww

アバそぅなの〓

みたぃ〓

40代前半  大阪府

2011/08/06 11:43

70. >りんごさん

え?

作るの反則なん( ´・ω・`)

パンツの中の象さん緑色って・・・俺『アバター』になるやんww

りんご[退]
30代半ば  静岡県

2011/08/06 11:35

69. >りょうまさん


作るの(笑)

パンツの中の〓さん

緑色にするのは

反則だからねwww

40代前半  大阪府

2011/08/06 11:28

68. >りんごさん

んなもの、自信があるかないかは俺が決める(笑)

世界のおっぱいはすべて「俺様」基準(‘・ω・́)ゝ

いなければ、緑の象さんを作るかもしれんでww

りんご[退]
30代半ば  静岡県

2011/08/06 4:07

67. >りょうまさん


あはははは[泣き笑い]

おっぱぃは自信がなぃゎ[あっかんべー]

緑の〓さん…

絶対にいなぃことを祈るょ(笑)

40代前半  大阪府

2011/08/06 2:16

66. >りんごさん

[りんご]の写メはもちろん、俺の大好物なおっぱい系のでしょうね?( ´・ω・`)

だとしたら-。

緑の象さんが俺のラッキーアイテムやんw

明日、探しに行ってきます(‘・ω・́)ゝ

40代前半  大阪府

2011/08/06 2:14

65. >まっぴさん


それは、なかなかヘビーな仲にありますね(-_-;)

ちょっと背景がわからないんですが、不倫している女性の3人の子どもにはお父さんがいない?

そのお母さんを支えてくれる、お父さん(オッチャン)にまっぴさんがなろうとしている。

って感じでしょうか?

う~ん…不倫だとなろうとしても、オッチャンになりきれませんよね。

本当にその家族にとってオッチャンになろうとするならば、まっぴさんも腹の括りは必要ですねww

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