縁あって､20代前半の学生や若い青年達と飲む機会が多い｡


当然俺は､ｵｯｻﾝで彼らよりは人生経験もある方だから､よく酒の席で人生相談されることがある｡



本当に､今の若い青年は苦悩が多い｡



世界を見渡しても､国際的な文化摩擦､先進国と発展途上国との経済格差､貧困や環境問題という課題に加え


国内においても､震災以後も政治不信や慢性的な経済不況が続き混迷を深めた日本社会｡



こんな閉塞感漂う日本社会で生きる青年の



一番の悩みごとは












｢ﾌｪﾗって女にどうやってお願いすればいいですかね？｣

である｡




ｾｯｸｽはしてても意外とﾌｪﾗﾁｵをされていない若い青年って多いんやね｡



やはり草食系というべきか｡



ちなみに俺はﾌｪﾗが無いｾｯｸｽは､多々ある｡



昔から攻撃は最大の防御と教えられたし､

根っからのｺﾞﾙｺﾞ体質が身についたのか

信頼した女にしか､急所（金玉及び前立腺）を向けることはない｡



そんな感じで受け身になる経験がほとんど無いので


あまりﾌｪﾗに固執していないというか､

どっちでもいいやってのが実情である｡




ただ､ﾌｪﾗには異常に固執している人も多くて



ｶﾚｰと福神漬けのように


ｾｯｸｽとﾌｪﾗはｾｯﾄで無いといけない！と力説する男はみかける｡


なんなら―


｢ざるそば､みたいに派手にすする音を鳴らさなくてはﾌｪﾗじゃない！｣

って､ﾌｪﾗのお作法まで口うるさい頑固な大阪のｵｼﾞｻﾝもいてます｡



いや､女の立場からしたら､あんなものを口に含んでｼﾞｭﾎﾟｼﾞｭﾎﾟするのは


よほどＤＮＡﾚﾍﾞﾙでのﾁﾝｺ好きか､愛に溢れた献身的な女性以外は


すすんで咥えたいとは思わないはず｡



まぁ､ﾌｪﾗが気持ちいいってのは間違いは無いのだけども､そもそも､ﾌｪﾗってお願いするものでは無いとは思う｡




初めてでも“手が合う”関係の人は



金曜8時だったﾌﾟﾛﾚｽの生放送でﾋﾟﾝﾁだったｱﾝﾄﾆｵ猪木が､


必ず試合の流れの中で､7時45分くらいに形勢逆転の延髄蹴りが飛びだすように



ｾｯｸｽ中に何も言わなくても､一定の頃合いで自然な流れでﾌｪﾗﾁｵにいくものである｡



んで､このﾀｲﾐﾝｸﾞにﾌｪﾗが無いってことは､ﾌｪﾗが｢嫌なもの｣として諦め


｢お願する｣という無粋な行為はしないようにしているのだ｡




ﾌｪﾗを知らない青年達を


さて､どうしたものかと考えてたら｡




学生時代の友人Ｔ君を思い出した｡



彼は｢ﾌｪﾗﾁｵ｣をさせない男として有名だった｡



Ｔ君は異常なくらい彼女に嫉妬深く､束縛をする男である｡



俺も一度その現場を目撃したことがあるのだが､ちょっと彼女が電話に出ないだけで､

頭を抱えてﾊﾟﾆｸって狼狽するのである｡



ｼｬﾜｰを浴びているので出れなかっただけなのだが､

その彼女に35件連続着信履歴を残したこともあるという｡





そんな異常な彼が何故｢ﾌｪﾗ｣をさせないのか―



『ﾌｪﾗは彼女の元彼を連想してしまうから』と彼は言う｡




つまり､ﾌｪﾗの技術って今まで付き合った男から教えられた集大成であり


これまでのｾｯｸｽ歴で担保としてきたものなのだ｡



Ｔ君は付き合ったばかりの彼女との初ｾｯｸｽで､ﾌｪﾗが上手な彼女ほど歴代の元彼に教わった姿を連想してしまうという｡



Ｔ君は気持ち良さでﾋ～ﾋ～声をあげながらも､同時に元彼を連想して悔しくて涙も流すんだって｡



んで､射精後に嫉妬の大喧嘩｡


そんなんだから､付き合って初ｾｯｸｽで別れるｹｰｽが多くなってしまい


Ｔ君はいつ頃からか｢ﾌｪﾗﾁｵはしないで｣って彼女にお願いするようになってしまった｡



俺なら､付き合った彼女のﾌｪﾗﾁｵが絶品だったら―


その元彼に｢丸代ﾊﾑのｷﾞﾌﾄ｣か何か贈りたいくらい感謝の気持ちでいっぱいになるのに｡




ってな話を青年達に語ってやったら



ｷｮﾄﾝとした顔で聞いていて


｢俺ﾔｷﾓﾁ焼きだけど､それでもﾌｪﾗされたいっす｣


ってしつこく言うから



｢んじゃ､今度やる時は､ﾁﾝｺにﾘﾎﾞﾝをつけとけ！｣


って滑るの覚悟でやっつけｺﾒﾝﾄ言ったら


思いのほか大爆笑になった｡



ほんと､男はﾁﾝｺの話がいくつになっても大好物である｡


ってなわけで､ﾌｪﾗ嫌いな貴女､若い男はﾓｼﾞﾓｼﾞしてるので


ちゃんとﾌｪﾗしてあげてね｡