ﾍﾞﾛﾍﾞﾛに酔っぱらって､家に帰るのがめんどくさい時は

天満で一人暮らししている従兄弟の家に転がり込む日がある｡



その従兄弟がﾐﾆﾁｭｱﾀﾞｯｸｽを飼ってて､俺が訪問するたびに大歓迎してくれる｡



俺の顔を見た瞬間､その犬がﾊｲﾃﾝｼｮﾝで俺めがけて飛び込んでくると､顔をﾍﾞﾛﾝﾍﾞﾛﾝ舐めてくる｡




ここ最近､俺の訪問を歓迎してくれるのは



犬と子どもしかいないことに気づいた｡




今の俺にはたとえ犬でも歓迎してくれるのは貴重な存在｡


とりあえず､ﾑﾂｺﾞﾛｳさんなみに､犬を愛撫しながら


（始めて見たときﾌﾟﾙﾌﾟﾙ震えていたこの子犬が､いつの間にか大きくなってるな･･･）


って感慨深く犬と熱い抱擁をしてたんやけど




俺の顔を舐めていた犬が､ﾋｮｲっと俺の横に飛び移るやいなや








俺の肘めがけて､






高速のﾋﾟｽﾄﾝ運動で腰を振りだした｡




しかも舌を出しながら恍惚の表情で｡





俺は思わず悲鳴をあげてしまって､腕を振り払った｡




｢誰がこんなﾊﾚﾝﾁな性教育（ｼﾂｹ）をしたんや！｣


って従兄弟に問いただしたら､ある日､突然そうなったとのこと｡



ある日､突然俺に発情するのか？



｢心なしかﾋﾟｽﾄﾝ運動も｢の｣の字を描く感じの高等技術やったぞ！！｣




ｾｯｸｽｾﾝｽ抜群の犬であった｡




あの日以来､性別を意識せずあれだけ可愛かった子犬に


なんだか｢ｵｽ｣を感じてしまって､以前のようにｶﾜｲｲと思えなくなった｡



犬に犯されそうになった俺は､昔のﾊﾞｲﾄ仲間のＹを思い出していた｡




Ｙは２０代の男性にして､ちっちゃくて155cmくらい｡

色白で目もｸﾘｸﾘして､声も小学生みたいに高い｡


ﾘｱﾙ不二家のﾎﾟｺちゃんみたいな男性だった｡



合ｺﾝでＹを俺の片膝に乗せて自己紹介をする｢腹話術｣は鉄板ﾈﾀであった｡




そんなＹを見て､ほとんどの女性は｢ｷｬｰかわいい～！｣ってﾃﾝｼｮﾝを上げる｡



Ｙも自分の外見が可愛いのを知ってるから｢ｳﾌﾞな少年｣な感じのﾘｱｸｼｮﾝをする｡



女たちはＹが大人の男性であるのにもかかわらず頭を撫でたり､抱き締めたりしてるのを俺は遠巻きに見ていたのだが


やっぱり女は外見に騙される｡



ｷﾞｭｰってﾊｸﾞされて､おっぱいを顔に押し付けられているＹのﾎﾟｺちゃんのような顔が一瞬にして




山城新伍のような顔になるのだ｡




｢ﾋﾟｽﾄﾝは直線の動きだけじゃｱｶﾝ｡｢の｣の字を意識して腰振らな｡｣



｢手ﾒｺの時､ちゃんと親指活用してる？上手に親指使わんとｱｶﾝで！｣



｢見るのも立派な愛撫やん｣



｢緩いと思う女にはな､ここ（腰のﾂﾎﾞ）押したらな､｢ｷﾞｭ！｣って締まりよるんよ｣



これは全部､小学生みたいなＹが俺にﾚｸﾁｬｰしたｾｯｸｽ指南である｡




外見からなんとなく｢ｵﾁﾝﾁﾝ｣ってｲﾒｰｼﾞなんやけど



実物は､あえて｢ﾎﾟｺﾁﾝ｣って呼びたくなるほど､小さな体と反して立派なﾓﾉを持っていた｡



Ｙは相手の女性に性別を感じさせないことを逆に武器にしたﾔﾘﾁﾝ野郎なのである｡



ﾊﾞｲﾄ先の新年会の時､お姉さんの家で


｢一緒に寝よ～♪｣

って抱き枕みたいに添い寝されているＹを目撃したこともある｡


｢一緒にお風呂に入る？｣って言われてたし｡



羨ましくて仕方がない｡



｢女は俺を男と見やんからな｡警戒心無いぶんﾔﾘやすいわな｣

Ｙの弁である｡



おもしろいのが



Ｙが男に変貌した瞬間､ほとんどの女性は目を白黒させて唖然とするらしい｡




はじめは何が起こっているのかわからない状態で｢え？｣｢え？｣とか言ってるんだって｡



やがてＹのﾃｸﾆｯｸで｢あ～～～ん｣と叫び声を上げるのである｡



そんなＹはｾｯｸｽはたくさんするのでﾓﾃるのかなと思えば､意外とそうでもなく


悲しいかな一回こっきりの関係が多くて､なかなか彼女はできなかった｡





Ｙに男の部分を感じないからこそ興味があった女性も､Ｙの｢男｣の部分を見て一気に覚めてしまったんだろうな｡



果敢に何度も俺を犯そうとすると従兄弟の犬のように｡


しかし動物（♂）に性的対象に見られるなんて…

いよいよ俺がﾔｷﾞと交わる日が近くなってきたのかもしれん｡