大阪は人情の町で､人間同士の触れ合いの心地良さは

俺が大阪から離れられない理由の一つなんだけど


その人情が｢おせっかい｣という形に変わるとさすがの俺も少々ｳｻﾞｲ時がある｡



大阪人はおせっかい焼きが多いのである｡



俺は性格上､ﾃｷﾄｰでめんどくさがりなとこがあるから､人間関係のﾄﾗﾌﾞﾙ等に巻き込まれたくなくて

ややこしい話には極力､首を突っ込まないようにはしている｡



だけど､そんな俺もやっぱり大阪人気質なとこがあって


どうやらおせっかいな部類に入るんだと思うことがしばしばある｡




先日も白い服を着てる人が｢ｶﾚｰうどん｣なんか食べてるとこを目撃してしまって


黄色い汁が飛ばないかｵﾁｵﾁ自分の食事ができないくらい心配になった｡




こないだも大衆居酒屋でｻﾗﾘｰﾏﾝが



｢ほら課長､ｻﾀﾃﾞｰなんちゃらって映画の俳優の名前なんでしたっけ？｣



｢いや､わかってるねん｡顔は浮かんでるねん｡名前がほら､うｰん｣



｢あの鼻のでかい人ですよね？｣



｢そうそう､こんなﾎﾟｰｽﾞしてな（人差し指を立てた右手を伸ばして､左手は腰に当てるﾎﾟｰｽﾞ）｣




俺は少し､離れたとこで酒を飲んでたんだけど


なかなか俳優の名前が出てこない､このｸﾞﾙｰﾌﾟを見てたら何だかｲﾗｲﾗしてしまって


思わずｻﾗﾘｰﾏﾝｸﾞﾙｰﾌﾟに向かって


｢生中！｣って言うみたいに








｢ｼﾞｮﾝ･ﾄﾗﾎﾞﾙﾀ！｣って叫んでしまったり｡





公衆便所で､うんこしてて､これ以上でもこれ以下でも無いというくらいのﾍﾞｽﾄﾀｲﾐﾝｸﾞで

ﾄｲﾚｯﾄﾍﾟｰﾊﾟｰを使い切ってしまって､次に並んでいる人に､罪悪感を感じてしまって


すれ違いざまに手を合わせてしまったり｡




ｲｵﾝとかで小さな子どもが一人でいたら｢迷子かな？｣って気になってずっと見てしまう｡


あまりにも一人だから､こりゃあｱｶﾝと思って｢お母ちゃんどこ？｣って近づいたﾀｲﾐﾝｸﾞで


お母ちゃんが登場して､子どもをｷﾞｭっ！と抱きよせて､おもいっきり誘拐犯を見るような目で睨まれて唖然としたり｡



挙げだしたらｷﾘが無いんだけど


やっぱり俺も大阪人気質なんだと思う｡




そんな俺でも､絶対におせっかいはしないと心に決めているのが



他人の｢恋愛事情｣である｡



恋愛に首を突っ込むほどﾒﾝﾄﾞｸｻｲものは無いと骨身にしみているのだ｡



だけども､どんなｸﾞﾙｰﾌﾟにも必ずいる｡

他人の恋愛事情に嬉々として首を突っ込む女｡



Ｈ美がそうだった｡



学生時代から仲間内の恋愛のｺﾞﾀｺﾞﾀには必ずＨ美が関わっていたのである｡



恋愛のｺﾞﾀｺﾞﾀだけではなく､学生時代に



俺が｢○○ちゃんって､いいよな｣ってH美に言ったら



H美は｢○○ちゃんね…まぁ､性格良いし､顔も可愛いよね｣ってまず褒めながら





｢だけどあの子､乳首黒いし乳ﾘﾝ大きいで？｣



唖然としてしまった｡


なんで誰も得しない､いらん情報をｻｸっと言えるんだろうか｡


（実際に乳首は黒かったけど乳ﾘﾝは､さほど大きくなかった･･･ｗ）




他にも､付き合ったばかりのﾗﾌﾞﾗﾌﾞの友達に向かって


独自の人脈を屈指して仕入れた情報を基に



｢あの子はね､ちょっと前まで○○が好きでｴｯﾁまでしてﾔﾘ逃げされたから
寂しくて､ｱﾝﾀと付き合ったとか言ってたよ｣



友達は下唇を突き出して絵に描いたような憮然顔｡



何が嬉しくて本当に誰も得しない不必要な情報をﾍﾟﾗﾍﾟﾗしゃべるんだろうと泣かすまで説教したこともある｡




仲間内の恋愛ごとのｺﾞﾀｺﾞﾀにはいつもＨ美が相談相手として関わっていて


黙って相談相手に徹してればいいのに余計に火に油を注いて､仲をかき乱すのだ｡



本人は無自覚で良かれと思ってやってる行動だと思うんだが



縦横無尽に他人の恋愛ﾄﾗﾌﾞﾙを駆け回るのに何だかｲｷｲｷとしてて


関係がﾄﾞﾛﾄﾞﾛになればなるほど､嬉しそうな表情を浮かべて報告してくるのである｡


そんな報告一つも聞きたくないのに｡



確かに俺も葛藤はするのだ｡


女友達の好きになった相手が浮気性で悪い男だというのを俺が知ってたとする｡


幸せになれるはずがないって思うんやけど､あえて何も言わないようにしてる｡


昔は｢止めとけ｣とか言って反対してたんだけど､まぁ､笑えるくらい女は素直に聞かない｡



逆に周りからの反対をﾊﾞﾈに意地になって燃える的な感じになる場合もあって



周りが反対しても､どうやら本人が好きなもんは仕方がないのである｡



付き合う前から周りの友達がｺﾞﾁｬｺﾞﾁｬ言って､関係が悪くなるより


それが例え辛い恋でも､その子にとって勉強になればええかって思うことにした｡



せめて､できるだけ彼女にﾀﾞﾒｰｼﾞが残りませんようにと祈りながら････


どうせ1ｹ月～２ｹ月くらいで｢捨てられた～！｣って泣きついてくると思ってたんだ｡



ところが蓋を開けたら､そのﾔﾘﾁﾝ彼氏は､彼女と付き合ってからというもの


人間が変わったように真面目になって､彼女一筋｡


今では結婚までしてﾗﾌﾞﾗﾌﾞの幸せｶｯﾌﾟﾙが実際に存在してる｡



あれだけ周りが反対してたのに､恋愛は何があるかほんまにわからん｡


人間は恋愛でも成長する生き物やからね｡



だから他人の恋愛ごとには､よほどの例外を除き


｢温かい目で見守ってあげる｣


｢辛い時にだけ相談に乗ってあげる｡｣



ってｽﾀﾝｽでいる｡


日常の恋話やのろけ話に関しては耳をふさいで｢あｰ！あｰ！｣って言うけどな｡




ちなみに､Ｈ美は今でも他人の恋愛ごとに首を突っ込むのに命をかけすぎて


自分の恋愛をおろそかにしてるせいか今も独身街道を突っ走り中である｡



あなたの周りにもＨ美みたいなの必ずいるでしょ？


まさか､あなたがH美になってないだろうか？



なんでもかんでも､おせっかいで首を突っ込むｸｾのある人は注意しような｡





俺が突っ込むのは首は首でも



ｶﾘ首だけって決めているのである｡