出会い系サイトで忘れられない出会い[わーい(嬉しい顔)][指でOK]
40代前半  大阪府
2012/04/18 4:36
出会い系サイトで忘れられない出会い[わーい(嬉しい顔)][指でOK]


もう、ずーっと以前に出会った女がいた。




出会いは初めてじゃなかったけどドッキドッキの待ち合わせ。



本名は知らない、写メももらってない。
ただメールでずっと交流していた。




あまり事前の情報を交換しないまま、何と無く約束して何と無く会ったから驚いたんだけど。




年齢は俺よりも一周り以上も下の20歳。





出会い系でこんな若くてカワイイ子が来るものなの?


「何かの詐欺か?」


思わず警戒心から周りを見渡した。



うん、大丈夫だった。







ちっちゃくて黒髪の長い色白の女の子。



話すとなかなか愉快な子だった。





もう、テンション上がってしまってチンコを半勃ちにさせながら焼き鳥屋で酒をガンガン飲んで大いに盛り上がった。






そこで、事件は起こった。





彼女はいきなりテーブルの上にゲロ吐くと、そのゲロの水たまりの中に顔をうずめて爆睡してしまった。




もうほとんど失神状態で意識が無い。




アワワワ…ドン引きして軽いパニックになってしまったが、冷静に考えると―





「酔った女を介抱」


これは、りょうまのチンピク52(チンコピクピク52手の略)の一つ。




おしぼりでとりあえず髪の毛と顔を奇麗にふいてあげて半ば逃げるように彼女を担いで店を出た。



「部屋まで送ろうか?」



「ここまででいい」



俺の下心を見透かしてか、意識が少し戻った彼女はマンションの前からフラフラ千鳥足で自室に帰って行った。



しょんぼりの俺とちびりょうま。



ごめんよ、チビりょうま。



帰ってから右手で慰めてあげた。





次の日彼女から、たくさんメールが届くようになっていた。





学校は中退し仕事もしていない女だったから朝も昼もメールが届いて、最初は邪魔くさかったが、


なんとも屈託のないメールで、だんだん、なんだか楽しくなってきて、時間ができればせっせとチャットみたいにメールのやりとりしていた。




「腹減った!何か食いたい~」ってのが多くて


時間ができれば焼き肉に連れて行ったりした。




酒はほとんど飲ませんかった、また吐かれるとたまらんから。




最初に会った時のゲロ事件のことをからかってたら




「あの時は会えると思わんかったから薬飲んで寝ようと思ってて、酒と薬はアカンから…」




「薬飲んでたん?体調悪かったんかいな?」





「薬は毎日飲まんといかんねん」




彼女は初めて




精神疾患を患ってることを俺にカミングアウトした。






腕をまくるとたくさんの傷。



そう、リスカである。




彼女はポツリポツリと話し出した。



この小娘は・・・



劣悪な家庭環境、過去の壮絶なイジメ、現在の状況・・・





一人暮らしをするまで人間らしい暮らしとはほど遠く、若くしてあまりにも壮絶な人生に唖然としてしまった。








うーん、困った。


俺が何かしてあげることはあるか。



めんどくさいと思ったが、



何故か彼女がほっとけない。







彼女は彼氏がたくさん変わっていた。



その度に彼女は一喜一憂し様々な人格を俺に見せた。





俺は付き合う男によってスタンスがコロコロ変わっていく自分を持ってない女性や、「男がすべて!」的な恋愛依存体質な人がとても苦手。




だけど、彼女にとって男を作る作業は愛や恋などではなく、身を切るほどの『孤独を埋める作業』以外に他ならなかったように感じる。





例え近寄ってくる男が身体目当てとわかっていても、男の「好き」という言葉に血が通ってなくても



彼女にとって生きるための心の拠り所となるのが体温を感じさせてくれる異性でしかないと・・・・




ただ、残念ながらそれによって彼女自身が救われていなかった。





一日署長ならぬ一日彼氏もいたな。



わかっていても傷つくんだ。



男に裏切られるたびに、薬をたくさん飲んでラリり、腕に新しい傷も増えていった。



時には過呼吸みたいな症状を起こす時もあった。




そして彼女はいつしか


「死にたい」と



頻繁につぶやくようになったのである。


彼女が「死にたい」と呟くたびに。


「生きてればいつかええことあるで」と俺は言う。




「・・・それは・・いつ?」




「・・・・」





いつなんだろうか。




いや彼女に幸せは訪れるのだろうか。




彼女の今の客観的状況から鑑みても幸せになれるイメージが浮かばなかった。






「生きてればいつかいいことあるやろ」


彼女の人生を1g足りとも引き受ける気のない俺の言葉の、まぁ軽いこと。



もちろん彼女もそれを見透かしていただろうと思う。





(信頼できるいい男を見つけなさい)


現実的にはこういうことだと思うのだが


男を作って人生を変えろとは口が裂けても言いたくなかった。だって夢がないやん。




だけど、生きてればいつかいいことあるのは本当なんだ。




そうやって俺も生きてこれたんだから。




そこだけは嘘やない。







「仕事、決まったよ」



彼女から一通のメールが届いた。



仕事をしたくてもできない。


彼女は生活が相当困窮していた。



生活保護の受給申請等、アドバイスしたが、彼女は首を縦にふらなかった。



プライドなのだろうか、飲みや食事をねだることはあっても、一切、俺に金の無心をしてくることはなかった。




ただ、彼女が選んだ仕事は




「風俗」だった。





やっぱり、そっちを選んだか・・・






俺は風俗という職業に偏見は無い…つもりだ。




技術でお客に性的快楽を与え、心身を癒す職業。俺も何度、感涙させてもらったことか。






だけどその風俗の仕事を身内はおろか自分の身近な人にはしてもらいたくないという、ずっこい矛盾も抱えているのも事実。




内心覚悟はしていたが、やっぱりかと落胆した。



なんの感情だったんだろうか。




とにかくいい気分ではなかった。



「今、仕事終わった。今日のお客は○人で疲れた」



「リピートで優しい客がいたから本番させてあげた」



「テクをお客に褒められた。今日は○万円稼いだ」




連日、読みたくないメールが届く。




落ち込む俺の一方で彼女は少しづつ元気を取り戻していった。




理由は恐らく「働いている」という充実感と金が入る安心感



さらに仕事上の疑似恋愛とはいえ人肌の温もり感じることで孤独感を紛らわせていたのではないかと思う。



だけども時々、ひどく落ち込むこともあった。



そりゃそうだろ、簡単な仕事やないもの。




うう・・・一日も早く足を洗わせたい。




仕事を辞めさせてどうする?




俺が彼女の人生を背負うことも、生活を支える金銭的援助をしてあげることもできない。




無力な俺はお店のホームページを見て彼女の源氏名を検索し「今日も出勤か・・・」とため息をつくぐらいであった。




そうしてだんだん彼女と俺の間に壁ができ(俺が作ったのか)関係はだんだん疎遠になっていった。





そして季節が変わろうかとしたある日・・・



突然、彼女からメールが来た。




「信頼できる彼氏ができた」



風俗のホームページから彼女の引退が告知されていた。




なんだか安堵感と嬉しさでテンション高いメールを送ってしまった。



だけど、今度裏切られたら彼女はどうなるんやろ、どこまで落ちてしまうんだろう。


実際に不安はあった。




そして少し月日が流れ、再び彼女からのメール。





「妊娠した。今の彼氏と結婚する。」



メールの添付には2枚の画像。



説明してくれてたけど何が写ってるのかよーわからん胎児エコーの写メと



そして


出会ってから一度も見たこともない幸せそうな彼女の笑顔の写メだった。



笑顔の可愛い普通の女の子じゃないか。




写メを見てると自然に俺の顔もほころぶ。




エロ画像を見てるよりニヤニヤしてたはず。



ブサイク(らしいけど)信頼できる優しい旦那。


何より、お腹に宿った新しい命。



良かったな、もう一人ぼっちにならんな。





ほらな?


やっぱり生きてればイイことがあるんやん!!







世知辛い世の中も、男女の関係も、出会い系サイトも嘘ばっかの世界やけどな


だけど、彼女には人として根本的なとこで嘘つきにならんで良かったわい( ´・ω・`)



お互いメールアドレスも変えてて、今はまったく連絡はできんようになってるから一言だけ言いたい。




どうか今までしんどかったぶん、まとめて君にたくさんの幸せが溢れていますように。






あと





やっぱ一発ヤッとけば良かった。



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