俺が、下心満々で鼻息荒くここに登録した初期の頃かな。




「出会い系サイトなのに出会い方がわかりません！」

ってくらい何をどうすればいいのかわからんかったの。




ドキドキしながら掲示板で飲みを誘っても完全に放置されて、その時のショックで今も掲示板は一切利用していない。



当然、誘いのメールなんかも全然なかった。




半ば、出会い系サイトとしての体を諦めてて大阪のたかしちゃんを始めとした当時のド変態と、チンコやウンコの話をしてキャッキャと喜んでいたの。


まぁ、実際に楽しいことこのうえないんだが…





そんなある日のこと





ふと俺に新着メールってのがあったのである。





「遂にキターーーー！！！！」



テンションが上がったな。





だって出会い系サイトに登録して、初めてのメールだもの。




とりあえず、俺、落ち着け。




冷静になってちゃんと決めていた手順を守ろう。



あらかじめ、出会い系サイトに登録してた時にメールを読むときの手順をシュミレーションしていたのである。





深呼吸しながら


正座して背筋を伸ばし



右手で半勃起のチンコを握りしめながら



左手でメールＢＯＸを開いてみた。





ここまでの手順は完璧だった。






ただ思ってたのと大きく違っていたのは。





差出人が






20代前半の“男”







メールの内容が―。











「りょうまさん、早漏の治し方教えてください」





なめとんのか。




アドレス回収業者でもよっぽど夢のあること書きよるわい。






ここに登録しているたくさんの男がいるなかで、どういう理由で俺を選んだのだろうか。





無視してやろうかと思ったのだが、何となくついつい気になってしまって




「どれくらいもつの？」って返信したら




すぐに返事が返ってきて






「長くて30秒、早くて5秒です。平均20秒です」



うっ！それは早い( ´・ω・｀)




そうして早漏くん（仮名）と俺との交流が始まった。


早漏君は日記のコメとかには一切、現れずメールだけのやりとりをした。




そして直メを交換した。




俺は早漏を克服するための色んな文献や情報を仕入れては早漏くんにレクチャーした。




いつしか、早漏君は俺を「りょうまさん」ではなく「兄貴」というようになっていた。




正直・・・




すっごく気分は悪かった。






早漏君は写メを送ってきた。



ちなみに初めての写メ交換は、この早漏くんだ。




早漏くん、いがぐり頭で真っ赤なＶネックのセーターなんか着てアヒル口に上目遣いの自分撮りだったけど







ブサイクだった（電波少年の坂本君似）





でも、そんな早漏くんにも彼女がいて


何としてでも早漏克服がしたいのも、彼女を満足させたいという想いがモチベーションになっていた。



立派な根拠やなぁ…とますます彼を応援したくなった、




だけども本当に彼女なのかどうかのかという猜疑心が出てきた。




「本当に彼女ですよ～！！ただね金のかかる女なのが難点なんです」




「ほう。プレゼントとか要求されんのか？」





「違います！彼女は何も欲しがらないけど




セックスする度に…






2万円を要求するんです！！」





…それ…お前…きっと





彼女と言うより







相手はプロの人やで。







だけども彼女と言い張るし、そう思い込んでるのも幸せなんで、何も触れずにそっとしておいた。





ある日、「彼女と別れました」とメールが来た。





きっと早漏くんのお金が尽きたんだと思う。





いっちょこ前に傷心している様であったが




「兄貴！俺はココで真面目に付き合える彼女を探しますわ！」



そんな純粋で前向きな青年をますます応援したくなった。





その後も早漏のトレーニングは続き、毎晩、早漏君からメールが届いた。




「兄貴！今日のオナニーは昨晩より○○秒長持ちしたぜ☆」



俺はニンマリ笑みを浮かべて




「そうか、その調子で頑張れ☆」

と送る。



20代の青年と早漏克服に向けたメールラリー。





出会い系サイトで何やってんだ？俺？？





ふと我に返って


3日くらいメールを無視した時もあった。





そんな関係がしばらく続いたある日のこと。



遂に早漏君のオナニーの持続時間が１分を超えた。




「兄貴！俺やりました。自信が付きました！ここでイイ彼女みつけて真面目に交際したいです。」





なんか純粋な青年の成長に関われたことが嬉しくってホッコリと温かい気持ちになったのを覚えている。





ところが早漏君はそんな俺の温かい気持ちを、たった１日で一気に冷めさせたのである。





何気なく見てたアダルト掲示板に早漏君を発見した。



本文の内容はウル覚えだけど



タイトルだけは鮮明に覚えている。






タイトル：


『イカヌナラ、イカセテマス、ホトトギス！』



テクニシャンだと思います。

ちょっと早いけど、アレは大きい方だと思います。

セフレいっぱい欲しいです。お願いします。




この二日後くらいに早漏くんは[退]になってた。



その後、まったく連絡が無いからどうなったか、わからない。


セフレできたのかな？( ´・ω・｀)




オナニーして寝ようと思ったら、なかなかイケなかったので、ふと早漏君どうしてるのかなと思いだしてしまった話である。