ありがた迷惑[むかっ(怒り)][むかっ(怒り)][むかっ(怒り)][爆弾][爆弾][ぷっくっくな顔][ダッシュ(走り出すさま)]
40代前半  大阪府
2013/04/18 15:04
ありがた迷惑[むかっ(怒り)][むかっ(怒り)][むかっ(怒り)][爆弾][爆弾][ぷっくっくな顔][ダッシュ(走り出すさま)]



何を隠そう俺には「魚釣り」という趣味があって、この趣味は小学生から現在に至るまで続いている。





俺が中学生のころ、友人と一緒にとある防波堤で夜釣りを楽しんでいた。





その日の夜、防波堤で釣りをしていたのは、


俺とその友人、そして少し離れたところに




ホームレス風のおっちゃん。






おそらく、このおっちゃんは釣った魚を日々の食糧としているようで、



天然のドレットヘアーに薄汚れた服。



見るからにホームレスたらんとした風貌で、街で見かけたら少し距離を開けたくなるような、


非常に汚いおっちゃんだった。





しかしここは海。



そんなおっちゃんを気にすることなく釣りに没頭していたのだが、なんと俺の竿に魚がヒット。





意気揚々と釣った魚を針から外そうと、魚に手が触れた瞬間、親指を棍棒で殴られたような激痛。






まだ知識も浅く夜中ということもあったので、



その魚が背びれに猛毒を持つ「オニオコゼ」だとは知る由もなかった。





基本的にMっ気があるから俺は痛みに強いはずなのだが、オコゼの持つ毒の激痛に大声を張り上げのたうちまわったのである。




そして押し寄せてくる悪寒と吐き気・・・・友達は苦しむ俺を見ながらオロオロしてる。





そこに颯爽と登場したのが、例のホームレスのおっちゃんである。





「坊主、大丈夫か?」と言わんとばかりに俺を抱き寄せた。



激痛で苦しむ俺だが、鼻をつんざくおっちゃんの強烈な臭いで余計に吐き気が止まらない。




おっちゃんは、持っている釣り糸で俺の親指の根元をグルグルに捲くやいなや



手に持ったお酒(ワンカップ大関)を口に含み、クチュクチュとうがいをすると



まさか、まさか…




あろうことか俺の親指めがけて、その酒を「プー!!」と噴霧しだしたのである。




色んな意味で「ひ~っ」となる俺。




しかし、さらなる衝撃を受けることになる。





(それだけはやめてくれ~!!)




ホームレスのおっちゃんは、迷うことなく俺の親指をパクっと咥えだしたのである。



俺の指をチューチューと吸っては、唾を吐いてを繰り返す。





色んな意味で気が遠くなる俺。




ぶっちゃけ




オコゼの毒より、おっちゃんの毒が心配なんですけど!!!




オロオロしてた友達が今度は腹を抱えて笑ってる。





「これで安心や」



おっちゃんは前歯の無い口でニンマリ笑った。




ホームレスのおっちゃん曰く、そうやって自分もオコゼの毒を抜いてきたらしいが



俺はオコゼの痛みと、精神的苦痛のダブルの苦しみを余儀なくされたのである。




朝一番にさっそく病院に行って




医者には、オコゼに刺されたことより先にホームレスに指フェラされたことを伝えた。



両方問題なく現在に至っている。






そして、また別の話。





20代のころアフリカに旅行に行ってきた友人が俺にお土産を届けにきた。




「りょうま、こんなん好きやろ?めっちゃ探してきたから・・・」




箱の中身をみると、薄気味悪い民芸的な「木彫りの仮面」が。





「お前が欲しいと思ってマジ必死に探してきてん」




確かに俺はその土地の歴史や文化に思いを馳せることができる手作り民芸品が大好きなのだけど





こんな気味の悪い仮面が好きなんて一言も言ったことがない。





あまりにも禍々しいその仮面に「あ、ありがとう」と引き攣り笑いを浮かべるしかなかった。




友人は俺が頼んでもいないのに、「ここに飾ろう!」と勝手に仮面を壁に飾りだしたのである。




そして、その日の夜から








三日三晩、謎の高熱にうなされた。







後から調べると、その仮面はアフリカの黒魔術で使用される「呪い用」の仮面だった。





何も知らず買ってきた友人。


今でこそ笑い話で「訴えてやる!!」って笑い話で憎まれ口を叩いてるが



当時はその友人の気持ちを思うと何も言えなかった。




だって俺のためにしてくれたことやもん。




呪い用の仮面だと知らず俺が喜ぶと思って言葉の通じない国で必死に探して買ってきてくれた友人。



オコゼの毒から助けてくれようとしたホームレスのおっちゃんも、みんな俺のためにしてくれた「善意」なのである。






ほんの一例だが、こんな「ありがた迷惑」は、これまでの人生でさんざん受けてきた。




そしてその逆で俺が良かれと思ってやったことが、相手にとって裏目に出てしまうことも多々あった思う。(相手が言わないだけでw)




実は若い時はそういうことを考え出す時期があって、人付き合いがめんどくさく感じることもあったりした。





でも、それが結果的にどうあれ



「誰かのために何かをしてあげる」善意の気持ち。


「自分のために何かをしてくれた」感謝の気持ち。



他人との関係を通じてこの気持ちは忘れてはいけないなぁと思う今日この頃である。
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コメント

40代後半  福島県

2013/04/18 15:28

2. りょうまさんってMなんですね。

続き、読みます。

50代半ば  大阪府

2013/04/18 15:21

1. 呪いの仮面の威力、すさまじいですね。
ホームレスの毒にやられなくてよかったです。
よくぞご無事でww

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