俺は面白い店が大好きである。



「西日本面白い店食べ歩き隊」の副隊長を担ってるほどである（まぁ隊長、副体調の２名の隊だが）



ただし面白い店が好きだからと言って「監獄居酒屋」とか「釣船茶屋」とかいかにも「ウチの店、面白いでしょ？」って店にはまったく興味が無い。





店主やお店はいたって真面目にやってるつもりなのに、どことなく面白くなってるお店が大好物なのである。




ともすれば普通の人は「こんな店、２度と来るか！！」って憤慨する店も俺にとってはおもしろい店になるかもしれない…





そしてこの「西日本面白い店食べ歩き隊」の醍醐味は人伝いに聞く面白い店に行くよりも




偶然に入った店が“そういう店”だった時の感動。


自分の引きの強さに思わずガッツポーズをしてしまうのである。







偶然に入ったボロボロの食堂は、お婆ちゃんが一人で切り盛りしていた。





メニューが無いので、とりあえず定食があるのか聞いてみた。





「お兄ちゃん、ごめんな、ウチは定食は２つしかやってないねん」



ということらしい。





その２つの定食とは



「うどん定食」


「カレー定食」




それぞれの定食の内容を聞いてみた。



「うどん定食は、“うどん”に“カレー”がついてますんやわ」




「カレー定食は、“カレー”に”うどん”がついてますんや」




・・・・・




「それって定食は一つってことですよね？」





お婆ちゃんは定食が２つあるってのは譲らなかった。






それが面白くって、しばらくその店に通って日替わりで２つの定食を食ってみたんだが





日替わりとはいえ結局、うどんとカレーしか食ってないから、４日で飽きてしまった。




先日、数年ぶりに店の前を通ったら潰れていた。







隊長のヨシと一緒に入った新世界にあったカウンターだけのホルモン焼きのお店もおもしろかった。






カウンターの上にメニューが貼ってあるのだが






「牛肉」「豚肉」「鶏肉」「肉」







「肉」である。





これは何肉なのか聞かないといけないと身を乗り出したら、ヨシが俺の肩に手を置いて首を横に振りながら止めた。






聞かぬが花。



はじめて友人から学んだわびさびである。






地元の某駅前にあった、昭和の香りが漂う古ぼけた居酒屋も楽しかった。



ずいぶん年老いたお爺ちゃんがお店をやっていた。





メニューは無く「お任せ」と言ったら色々出てくるシステムである。




そしてお任せで目の前にボンとおかれた



「甘エビの刺身。」





しかし




実は最初の突き出し(お通し）も「甘エビの刺身」だった。




結局、皿を変えて出てくるのは甘エビばっかで、最終的に大量の甘エビしか出てこなかった。




別の日にヨシが行ったら、最初から最後までマグロの刺身だったそうだ。






これまた、某駅前の居酒屋は、かなり年老いたお爺ちゃんが経営している。




このお爺ちゃんが面白かった。



居酒屋で働いてる衣裳が競輪選手のソレだった。




競輪選手の格好で、料理を作り、競輪選手の格好で食べものを運んでくる。



理由はよくわからないが、



本人は「自転車が好き」とは言ってたからたぶんそういうことなんだろう。




違う日に、商店街でお店の仕入れをしているお爺ちゃんを目撃したが




競輪選手の姿で前と後ろにカゴの付いたｵﾊﾞﾁｬﾘを軽快に漕いでいた。





また、老夫婦が経営してるとある食堂で


「魚のフライ定食」を頼んだ。



もう俺もプロだから、その老夫婦の姿を見ただけで、ここは「おもしろい店」だろうと睨んでいた。




しかし出てきた「魚のフライ」はいたって普通で実に美味そうであった。




「期待外れだったか・・・」




しかし、一口、魚のフライをかじった瞬間、全身に寒気が走った。



ものすごくアンモニア香がする魚なのである。



どれをかじっても「おしっこの味」、


こんな不味い魚は食ったことが無い。




「ちょっとおばちゃん、この魚なんですか？」俺は眉をひそめて尋ねてみた。




エプロン姿で腰の曲がったお婆ちゃんは、はっきりした大声で




「わかりまへん！！！！」




やっぱり変な店であった。








ある天ぷら屋は…







・・・・だめだ、もう書ききれない。






みなさんの周りにある面白いお店があったらぜひ、情報を教えて欲しい（*^_^*）