どういうわけなのか昔から俺は知らない人に道を尋ねられることが多い。




街には色んな人がいるのに何でいつも俺なんだろうと思ってたのだが





最近は大人になってきて「道を尋ねられる」ということを一つの才能として受け入れ、


知ってる限りはできるだけ丁寧に道を説明してあげるようにしている。





で、この才能が最近になってワールドワイド化されてきており




外国人観光客に声をかけられることが多くなった。





道を歩いてると、後ろから肩を叩かれたので振り返ってみると、インド人の青年が立っていた。





俺が「ギョっ」と驚いてると、そのインド人の青年が一生懸命タドタドしい日本語で語りかけてくるではないか。





はじめは早口で何を言ってるのかわからなかったけど、集中して聴いていると何を言ってるのかわかった。








「オイシイ、カレーハ、ドコデスカ？」





インド人が俺に「美味しいカレー屋さん」を訪ねてるの。






なんなら、


逆に俺がお前に聞きたいわ！！





しゃーないので、とりあえずcoco壱を教えてあげた。




ここ最近だけでも





名古屋に出張に行った時は、ホテルのロビーでいきなりムキムキの白人男性に





「オレ、お前好き一緒にビール飲まない？」



って性欲ムキダシに誘われたり。







大阪城ホール横の噴水のとこでタイ人らしい観光客のオッチャンにどういうわけか




「空手を教えてくれ」


って哀願されたり。







最近では、とあるショッピングモールの雑貨屋さんの前を通りかかったら




カラフルな民族衣装を身にまとったアフリカ系黒人の外国人観光客と店員さんが何やら揉めてる。




店員さんも、その黒人さんも、お互い困った顔をして疲弊している。





その黒人と目が合った瞬間、俺はあわてて目をそらす。




だけども例の才能があるみたい。




その黒人男性は俺の前に来て必死に何かを訴えてる。



何か悲壮感があるので、何とかしてあげたい。




日本語でもない、英語でもない。



もはや何語かもわからない。







店員さんは俺に何かを期待している目で見てくるが、ごめん何を言ってるのかさっぱりわかりません。




ほんと、あの時ばかりはドラえもんに翻訳コンニャクを出して欲しかった。





しかし、せっかくのご縁。




わからないで放置するのも冷たい話ではないか。






何かの本で読んだんだが




人間と人間のコミュニケーションって会話で成り立っているのが20％。


実は残りの80％は言葉ではなく動作や表情でコミュニケーションで成り立ってるんだって。





（よし！言葉はわからんが、動作と表情で解明したるわ！）





黒人男性は、雑貨屋さんの商品である「白い布（バンダナ）」を右手に、左手に「木彫りの鳥」を持って、その商品を俺の前に突き出し何かを訴えてる。





・・・・・・






・・・・・・・・





ダメだ、わかんねorz






「この鳥に白い布をかぶせて、１．２．３でハイ消えます～！」としか聞こえない（´_ゝ｀）




結局俺がギブアップ！





黒人の人は何に困ってるのかはわからず、何となく申し訳ない気持でモヤモヤしてたんだが１時間後に別の店にいるのを見かけた。






「侍の刀そっくりな”傘”」を持ってニコニコしながらユニクロにいたので、





たぶん何らかの悩みは解決したんだと信じたい。