今日、久々にある上司と昼飯に行ってきた。





本当に口数の少ない上司で、昼飯に一緒に行っても、ほとんど会話もせず黙々と食うので、一緒に来た意味がほとんどない。





口数は少ないが、たまーに口を開くと




ニュースで見かける「天王寺動物園の白クマに氷のプレゼント！」的な



本当にどうでもいい話をしてくる。




ともあれ、その上司と昼飯に行ったのだが




大阪は連日の猛暑なので、喉がカラカラの俺は食堂のテーブルに着くなり何杯か水を飲み干した。





俺が水を飲む様をニヤニヤ見ている上司。



珍しくおもむろに口を開くと



「なぁ、りょうま…川越達也シェフの経営するお店の「お水」が一杯800円もするらしいで」





「…はぁ」







「ここが川越シェフのお店ならりょうまは既に会計が4800円だな」とドヤ顔。



（こいつ、最初からこの話をするつもりで、俺が飲む水の杯数を数えてやがったな！）





ニヤニヤ笑ってた上司が、急に真顔になると



ヌッと俺に顔を近づけると



「りょうま！水が800円やど。どう思う？」





（もう正直、どうでもええわいっ！！）




本当にそう思っているのである。






川越シェフの店が潰れないのは、水が800円でもヨシとする客がいるから成り立ってるわけで



水の値段が高いか安いかの感覚もその人の価値観だと思うのだ。






昔、俺の女友達が街を歩いてると、前から40代くらいの中年サラリーマンが近付いてきたらしい。




するとそのサラリーマンは彼女の前で手を合わせて






「５万円払うので、貴女のウンコを食べさせてください」

って哀願されたらしい。






慌てて逃げてきたらしいが





「５万円あったら、もっとええもん食えるやろ！」


って彼女は憤慨してた。





でもそのサラリーマンにとっては５万円払ってでもウンコが食いたかったのだろう。




若い女性のウンコ一本５万円が高いか安いかの感覚も人それぞれの価値観なのである。





で、俺の価値観で言うと





水が800円の店には行きたくはない。




ともかく高級と言われる食事が口に合わない俺は、


前に接待を受けた時に食わせてもらった京都の某有名懐石料理も食ってて味がよくわからなくて





「すいませんマヨネーズ無いですか？」


って聞いたほどである。





高級フレンチと言われる場所で食ったハンバーグも



ぶっちゃけ「びっくりドンキー」のハンバーグの方が全然、美味しいと思った。




もう財布の中というより舌が貧乏なので仕方がない。






「個人的には川越シェフのようなお店には立ち寄りたくないですね」




上司は「うむ」と深く頷くと




「だいたい蛇口をひねったらタダで出てくる水に800円も払う奴の神経が知れんわ…まったく金の価値をわかっとらん。」






ちなみに水の値段でぶつぶつと文句を言ってる上司は、ぼったくりバーにひっかかる率が異常に高い。






でも口数が少ないからガールズバーのようなシステムが好きらしく、懲りずにまた繁華街に繰り出しては、女の子の呼び込みに釣られてボったくられる。





先々週も、難波のガールズバーで二人で１時間43,000円ぼられたらしい。




今週末に誘われたけど丁重にお断りした。





「またボラれんちゃいます？」




「う～ん、でも楽しいからええねん」だって。







偉そうに水の値段でお金の価値の話をする上司。






一杯800円の水と



ぼったくりガールズバーの缶ビール一本6,000円。





正直、あんまり違いは無いと思う。