100人の友達より1人の親友
「100人の友達より1人の親友を作りなさい」
俺が小さい頃からオカンに言われてきた言葉である。
(オカンは何を言ってるんだろう?)
正直、言葉の意味がよくわからなかった。
頭の中ではシーソーみたいなものをイメージしてて、比重で考えたら一人よりも「100人の友達」の方がいいのになって思っていた。
このオカンの言葉が理解できるようになったのは、大人になってからだった。
もう10年くらい前の話である。
ひとつ年下にY君という男がいた。
友達の大学時代の後輩で、飲み会や遊びの行事にはちょくちょく顔を出していた。
俺はこのY君がちょっと苦手であった。
いつも笑顔で腰が低いから好印象を持たれそうなのだが
手はいつも揉み手のようにスリスリしてて、頭もヘコヘコと米つきバッタのように下げてる。
何となく全体からただよう卑屈感が好きになれない。
そのうえ顔はニニコニコ笑顔なのだが、目は全然笑っていない。
ちょうど水戸黄門に出てきそうな悪い商人のような無気味な感じの男であった。
調子のいい男で「りょうまさん、たまにはサシで飲みに連れてって下さいよ~!」ってペコペコ頭を下げてくる。
「また機会があったら行こうか」
と言ったものの、やっぱり苦手だから気が進まない。
前述したような無気味さもあるし、何よりいつもシャツを開けた胸元から除く汗に濡れた胸毛も苦手だった。
だけどあまりにも「飲みに行こう、飲みに行こう」としつこいので一回だけサシで行くことにした。
やっぱり変な男であった。
目の前で話をしてても、まったく話は聞いていない様子で気持の入っていない相槌を満面の笑みで繰り返す
俺の話よりも周りの会話が気になるのか常にきょろきょろしてて本当に落ち着きがない。
俺も話す気が失せたのでチビリチビリと酒を飲んでいると今度はY君が語りだす。
「俺、友達めちゃくちゃ多いんですよね」
Y君曰く
携帯電話のメモリには何百人単位の友達が登録されてるだの
当時流行ってた「mixi」でのマイミクの数もすごいと自慢気に語る。
「毎週のように、mixiのオフ会に呼ばれて大変ですわ~!友達が多いのも考えものですね」
ひとしきり"友達多い"自慢を終えると
今度は何を思ったのか俺へのおべんちゃらタイムである。
「りょうまさんはすごいですよね!」
「どうやったらちょうまさんみたいになれるんですかね?」
俺もさすがにたまらんようになった。
「つまらん!お前の話はつまらん!!」
大滝秀治ばりに怒鳴ってしまったのである。
怒りついでに、この際だからと俺が持ってるY君への印象もぶちまけてやった。
「俺、人に嫌われるのが怖いんですよね…」とY君。
Y君は人に嫌われたくない症候群だという。
常に人の顔色を見てはヘコヘコと機嫌を伺い、
"友達たち"が自分のことを悪く言ってないか気になって何度もログインしては不安で眠れなくなったり
周りの会話の内容が自分の陰口を言ってないか気になって落ち着かなくなるという。
彼から漂う卑屈感はこのせいか…
人に嫌われたくないから、必要以上に媚びへつらう。
可愛そうな男だと思った。
後から聞いた話だと、毎週のように誘われるオフ会とやらも
バーベキューの準備やめんどくさい幹事役をすべて"友達たち"になすりつけられてるだけだったそうだ。
そしてしばらく経ったある日のこと
「Yが自殺未遂したみたい」
衝撃的な言葉に、さすがに動揺した。
詳細は伏せるがY君の身に、一人では解決できない重大な事件が発生していたということを後から聞いた。
友達から見せてもらった
Y君のその日のmixiの日記には
「疲れました。誰にも相談もできないし、死ぬために今大量の薬を飲みました。今までありがとうございました。」
恐ろしいことに、この日記に対しての友達たちのコメントは
「お薬の用法用量は守りましょうピンポ~ン(*^_^*)」
の一つだけだった・・・
(友達が何百人もいるって自慢してたくせに、相談できる人が誰もおらんってどういことや…?)
まぁ、良かったのは
Y君は今もちゃんと生きてて大阪から離れた土地で生活はしている(らしい)。
実際に自殺未遂をしたのかどうかも定かでは無いのだが…ともかく生きてて何よりだと思う。
先日、仲間達と飲んでて
Y君の話は極端な例だけど、冒頭で行ったオカンの言葉
「100人の友達より、一人の親友を作りなさい」
子どもの頃はこの言葉を理解できなかったけど
大人になった今ではこの母親の言葉が染みるほどわかるって話をしたら
友人たちは激しく同意し「うん、うん」と大きく首を縦に振り同意してくれた。
その中で一番真面目なT君が
「『100人のセフレを作るより、一人の愛する女を作りなさい』ってことと同じだよね」
「お、おう…」
みんなの賛同の声がめっちゃ小さかった。
もうちょっと成長すればわかるのか?
それとも男は一生わからないのか。
コメント
2013/09/25 0:01
20. >>15 みぃさん
そんなセコムみたいな親友が欲しいよね (´・ω・`)
返コメ
2013/09/25 0:00
19. >>14 たかしちゃんさん
チンコ舐め合った時点で、親友というカテゴリーから完全に別のものになるよな (´・ω・`)
1冊のエロ本と100冊のセシール下着カタログだと・・・セシールだなおれは。
返コメ
2013/09/24 23:57
18. >>13 255/1022さん
そういうレベルで言うと
俺は80,000人くらいセフレいるんですが。
今日も電車の中で4人くらいセフレにしました。
返コメ
2013/09/24 23:54
17. >>12 磯野カツオさん
そうですね。
親友ってお互いを尊敬しあう関係とかいろいろ言われますが嘘ですな。
ヨシとは、お互い相手が自分より下と思い合って優越感に浸る、傷口をなめ合う素敵な親友関係ですw
返コメ
2013/09/24 23:52
16. >>11 どなんさん
友達と知り合いの壁は
自分のオナニーの話ができるかどうかが境界になると思う。
友達と親友の壁はもうひとつ高いww
セフレの境界って難しいよね。
セフレが大好きで大好きで仕方がない場合、それはセフレでは無いのだろうかとか考えますね (´・ω・`)
返コメ
2013/09/24 23:34
15. 1人でもすぐに駆け付けてくれるひとがいると思うと心強いよね(´・ω・`)w
返コメ
2013/09/24 22:43
14. 親友って、自分の中にある、喜び 悲しみ 怒り 愛しさ なんかの重なり合いだと思う。
一言で言えば………………………………………「もう、お前のチンコ…… 舐めていいよ」
みたいな。
りょうまちゃんが言いたい『100冊のエロ本より1冊の仏教本』って事はよくわかった。
返コメ
2013/09/24 22:43
13. 私100人以上セフレいるんですけど。
真田広之から佐藤蛾次郎まで。
(妄想のなかで)
返コメ
2013/09/24 19:27
12.
ふと自分も考えてしまいました。
親友か~。
携帯は完全に仕事用になっちゃってるな。
りょうまさんの親友はやっぱりヨシさんかな?(笑)
返コメ
2013/09/24 15:25
11. みんな100人のセフレの誘惑に即答できなかった訳ですね。わかります。
どこからが友達なのか?
難しいですよね。
Y君には親友どころか友達もいなかったんでしょうね。
どこからがセフレなのか?
こちらはセフレかそれ以上なのかの境界が難しいですね~
返コメ