こないだ仕事帰りに友人と一杯やっていた話。




狭いＢＡＲ居酒屋みたいな感じの雰囲気の店。






朝までやってるから俺はかなり重宝させてもらっている。






んで、そこでお酒を飲んでたら、３０代くらいのカップルが俺の横の席に着いた。






狭い店なので隣の会話は丸聞こえである。







俺にはゴルゴチックなところがあって







とりえあず安全に出れる出口を確認し、入口に背を向けて座ることができないクセがある。






おまけに周りの客が俺に害を及ぼす人物（聞かれたらマズイ話等）かどうかプロファイリングしたくなるﾀﾁの悪い男なのである。






視界でうっすらそのカップルを観察しながら会話を盗み聞きしつつ酒を飲んでいた。







むろん、そのカップルをプロファイリングしつつ。







（敬語を使ってたどたどしい雰囲気）


深い関係の男女ではない。



（女がしきりに頭の後ろに手をやる）

女が軽く男に警戒している。





ふむ、初対面の男女か






さらに会話や観察からプロファイリングを進める。






男

身なりや会話内容から

３５歳。既婚者、子どもあり、営業系サラリーマン



女

身なりや口調から内容から

３０歳。既婚、子どもなし、デザイン系の派遣社員、４年以上のセックスレス（たぶん）








深い関係では無いが、お互いがニックネームで呼び合う関係。




二人がどういう経緯で一緒に飲んでるのかは知らないがどうやら俺に害を及ぼす人達では無いらしい。





そしてプロファイリングを解こうと思った瞬間―








男「んで、ワクワクメールがな…」






ビールを吹き出しそうになった。








そう、隣のカップルはワクワクメールを通じて、初めて会ったカップルだった。








ワクワクメールの話になると、手さぐりでたどたどしかった会話が、二人ともめちゃスムーズ。





最近のランキングがどうとか、




タイプ？のあれがどうとか





共通の知り合いがいるのかワクワクの誰々が実は…とか、







めちゃくちゃワクワクメールの話で盛り上がってる。




たぶん１時間半以上話してるんちゃうか？



お互いがスマホを出し合って見せ合ってケラケラ笑ってる。





よーワクワクをテーマにそんな話すことあるな！






んで俺は二人がワクワクの人とわかった瞬間




一緒に飲んでる友人との






おっぱいネタは封印（超自意識過剰）







女性の方が何度かトイレで席を立つ。




その度に男がスマホと腕時計をしきりに見てる。






うん、わかるぞ。





君は終電時間を何度も確認しているんだね。







終電時間で女に帰られるのか。


それとも終電が過ぎても女は男といるのか。






なんだか俺も時計を見ながらソワソワしてきた。







そして時計が、地下鉄、環状線、すべての終電の時刻を指した。






女はまだ席にいた。




俺は口元だけニヤリとなった。




（男、今日はお前の勝ちだ…）




ちらりと男を見ると、さっきまで優しい目をしていた草食系男子の目が






歌舞伎でいう



「睨み」みたいな「目」になっていた。





酔ってるとかでは無く


軽くテンパってるのである。






さっきまで紳士的な会話をしていたのに

終電が終わったやいなや「下ネタ」に切り替えた。







（早くないか？・・・・）



俺は再びソワソワしてきた。





その男の話題は、


「どのようにおっぱいを揉むと女は気持ちいいいのか」







おい！ワクワクに登録してて


誰に断っておっぱいネタしてんだこのやろう（超自意識過剰）







「えっとな～これが前から揉む手つき、んでこれが後ろから揉む手つき」



「どっちも一緒やん」


しかし、女は爆笑している。




（くっそ～！俺におっぱいネタ使用料を払え！）





女が下ネタを受けいれたとわかると





男の顔が名手である團十郎がやる、それよりも


さらに、いい睨みの目になってる。







さっきまでスムーズだった会話も、何度も男が話を聞き逃して、聞き返すシーンが目立つ。



男は上の空。




うん、わかるぞ。




君はその後のシュミレーションで頭がいっぱいなのだね。








極めつけは、女が河内長野で見た「蛍」の話をしてるのに






３回ほど「ホテル」と言い間違える男。







うん、うん、頭がいっぱいなんだね。







客観的に出会いの場を目撃して言えることは一言。







どうやら下心ってのは、隠せません。



おそらく女には丸わかりなのだと思う。





出会いの場のイニシアティブは男だと思ってたけど



実は男の下心を知らないふりして、その場を上手にコントロールをしてるのは女なのである。








午前ン２時くらいにそのカップルは会計して出て行った。




外でタクシーがどうとかこうとかの声。






大阪のさ○○くん、あれからどうなったの？