前回は「笑いの神」に愛された男の話を書いたが


今回は「セックスの神」に愛された男の話を。





先輩のTさんは４０歳の男性である。



頭も薄く中年太りのふつうのオッサン。




パチンコばっかしてて金も無ければ、オヤジギャグを連発する。






普通に考えると完全に女性に嫌われるカテゴリーに属しそうな人なのだが



どっこい彼は女にモテまくりの「ヤリチン男」なのである。




話に聞くとこれまで馬鍬った女性はゆうに3桁を越え



合コンでのお持ち帰り成功率は９３％という信じられない噂も耳にしたことがある。






なぜこんなオッサンがモテるのか。






こればっかりは、本当に俺もわからない長年の謎だったのである。






一度、直接Ｔさんに尋ねたことがあるんだが





「女の方が勝手によってくるんよ」


と無精ひげのエビス顔で笑った。







っていう話を地元の飲み会で話してたら、



「Ｔさん、モテるよね」




元キャバ嬢だった後輩の明美もＴさんのヤリチンっぷりは知ってる。



ちなみに明美の友人の一人もＴさんとセックスしているらしい。






俺：「女から見てなんでモテるかわかる？あの人？」




女：「何でやろうな？私は生理的に絶対に無理な人やけどｗ」



素人よりも男を知りつくしてるはずの元キャバ嬢もＴさんがモテる理由は謎らしい。






「ちょっと私も調べてみるわ」




彼女なりに好奇心があったのであろう。


Ｔさんがモテる謎を俺と一緒に調べてくれることになった。






「よし何か情報が入ったら俺にくれ」





ってな約束をしたことも忘れて３ケ月後くらいの飲み会で明美から衝撃的な話を聞くこととなった。












「あんな、私・・・Ｔさんとエッチしてん」





生ビールを噴霧しそうになった。






明美は律儀に約束を守るためＴさんがモテる理由を調べようとある夜にＴさんを飲みに誘ったらしい。







その飲んだ帰りにホテルに入ってセックスに至ったという。







ミイラ捕りがミイラになってしまったのである。







俺「な、なんでやねん、お前！？」




明美「・・・それが・・・




私にもよーわからんねん」







よーわからんでセックスさせるほど明美は軽い女でもない。





俺「Ｔさんがモテる理由はわかった？」




明美「全然、普通のオッサン」




俺「でも、セックスしたんやろ？」




明美「ほんまにわからんねん、ただ何となく最近、ムラムラしてて・・・」







その話を聞いてＴさんがモテる理由にある仮説をたててみた。






Ｔさんは「セックスの神」に愛されているのである。






男性ほどではないんだけど、実は女性にも性欲なるものが存在する。



実際に生理前後に何となくムラムラする人とか多いはず。





個人差はあるのだが



そのムラムラの壁には、さらに「向こう側」はあるらしく


ごくごく稀なんだけど、ムラムラが突っ切りすぎて


「誰でもいいから抱いてほしい」


というモードになる時があるというのだ。







つまり明美はその突っ切った状態の時に、Ｔさんと会うことになった。



それはムラムラしたからＴさんを飲みに誘ったのか、


たまたまムラムラした時期がＴさんと飲んだ夜に重なったのかはわからない。





ただその夜まで、まったくその気のなかった明美がＴさんに股を開いたのは事実なのである。





なぜさえないオッサンのＴさんが、これほどまでに女性とセックスができるのか。






それは年に1回、あるいは１０年に一回、訪れるかどうかという女性の貴重な

「性欲の向こう側の日」にその女性と遭遇することが多いからではないだろうか。





「誰でもいいから抱いてほしい女」との遭遇率が高いがゆえに

高確率で女性とセックスに持っていけるのである。





まさに「セックスの神」に愛された男である。





「セックスの貧乏神」しかついていない俺にはただただ羨ましい限りである。