男の見る目が無い女というより、そもそも男運の無い女もいるものである。



先日、東京に出張に行ってきた帰りの話。




いつも出張は一人で行って、一人で戻ることが多いのだが


今回は大阪に戻る新幹線の横には、今回仕事を一緒にした無名のグラビアアイドルAちゃんが（２３歳）が座っていた。





（さぁ・・・どうしよう）




俺は悩んでいた。




新幹線の座席で自然な感じで肘をおっぱいに押し付けるにはどうすればいいのか？


・・・ってことで悩んでいたわけではなく





大阪まで戻る約３時間をこの娘とどう過ごせばいいのかで悩んでいたのである。






実は俺は基本的に人見知りが激しいうえにシャイな方である。


だから一人が大好き。



ずっとエッチも一人でしてるし。




なのに無駄に気を使いしいのサービス精神が旺盛なアラフォー世代なので、無言が苦手なのである。



あの話題に煮詰まった無言の空気感が居心地悪くてその場から逃げ出したくなるのである。





同世代の女ならまだ何とかなるが、相手は小娘である。ジェネレーションギャップってのが顕著に表れてくるのだ。






「チェッカーズを知らない」

ってだけでオロオロしてしまう。




（どうすればいい・・・）






さすがに「明日の天気」の話題だけで３時間持つとは思えない。




ましてや「ウンコ」や「チンコ」の話で喜ぶのは30代後半以上のワクワクメールに登録してる女だけである。




当たり障りのない会話で「この人、私のせいで無理して会話してくれてるのかな？」とも思われたくないし



ウケるはずの得意の持ちネタもあるにはあるが


「え？氷室京介と布袋寅泰って同じバンドだったんですか？」とか言ってる小娘相手に「スベリたくもない」





あれこれ悩んでいるうちに、東京駅を出て早くも品川駅に到着した。




そして閃いたのである。




女相手の話題に困った時の便利なテーマ




「恋話」なのである。






経験上、女は世代を問わず「恋話」が大好き。




俺も下は小学校３年生の女子から上は64歳の熟女まで「恋話」を夢中で語られたことがある。




「恋話」というテーマさえ与えてやれば女は勝手に一人でずっと話してくれるのである。




その狙いは的中した。





まぁ、Aちゃんがしゃべる、しゃべる。






彼女の恋話はそれはそれは悲しい恋話であった。





「私、大学に入ってから卒業するまで12人と付き合ったんです」





４年で12人って多いと思う。




ただ芸能界に入ってこようと思うくらいなので、ルックスは普通の娘ではない。


さぞかし男を振りまわしてきたのだろうかと思ったらそうでもなかった。





「高校生までは田舎に住んでて親が厳しくて彼氏は作れなかったから、一人で東京に出てきて大学１年生の時に初めて彼氏ができました」




よくある話である。





「初めての彼氏ができた時は毎日が薔薇色で楽しくて・・・」






んな話よりGカップのおっぱいを揉みほぐされた初めてのセックスの話を聞きたかったが、そこはぐっと耐えてみた。






「でも、その初めての彼氏が浮気をしていて・・・」




まぁ、これもよくある話である。





「っていうか私が浮気相手だったんですよ」





Aちゃんは初めての彼氏とやらに二股をかけられていたのである。


元彼は本命の彼女がいるのに、Aちゃんに迫ったのである。





「そういえば不自然なことが多くて、住んでる場所も教えてくれないし、電話番号も教えてくれないし・・」





アホすぎるだろうと思ったが、口に出さなかった。






「その時に東京の男の子は怖いなって、これからは気をつけようと思いました。だけど・・・







その後に付き合った8人の男も全部、二股かけられてたんですよ」




「自分、アホちゃうのん？」


口に出してしまった。






一人目の男に二股をかけられていて、気を付けなアカンなって思ってたのに、その後8人連続で、彼氏の本命の女の存在を知らずに付き合っていたのである。



これをアホと言わずになんというのか。






「そうなんですよ、アホでしょ？それで、当時のサークルの先輩の男性にも


「世の中には女の気持ちを踏みにじるひどい男もいるから、もっと男の見る目を養えよ！」


ってめちゃくちゃ怒られて・・・」



うむ、その先輩が正しい。






そのサークルの先輩が何かと親身に話を聞いてくれたり、アドバイスしてくれてるうちに、Aちゃんはサークルの先輩に恋をして付き合うことになった。




その先輩で通算、9人連続、本命のいる「二股彼氏」であった。








「もう、私これはダメだと思って・・・」





Aちゃんは9人連続で浮気で別れた（厳密にいうと浮気相手がAちゃん）


さすがに悩んだあげく、10人目の彼氏は・・・






「太った渥美清そっくりな男性にしました」



写メを見せてもらったが、完全に「寅さん」なの。





「この人、おまけに体臭も酷くて、さすがにこれなら浮気しないだろうなって（笑）」




さすがにアホな女である。





彼氏を作るのに「好きな男」というより、「浮気をしない人」が条件になっていた。



でも考えてほしい。


二十歳そこそこの女の彼氏が「寅さん」やで？



Aちゃんの当時の心理状態を思うと、オジサンは少し涙腺が緩んでしまった。






そして、寅さんは記念すべき通算10人目の



二股男であった。





「落ち込みました。もう何を信じていいのやらと・・・そこで気付いたんです。




どうせ浮気されるならブサイクよりイケメンの方がいいと！」



さすがアホである。





その後、大学卒業するまでイケメンと付き合い、１２人連続で浮気発覚で別れたらしい。





「今の彼氏はどうなん？」と聞いてみた。






「この仕事で前のりの前に別の仕事あるから出発までキャリーケース（ピンク色）を彼氏の部屋に置かしてくれってお願いしたら





ピンク色のカバンはダメって猛烈に拒否されました（笑）」





たぶん、間違いなく本命いるねそれ。





ここまでくると単に男の見る目が無いというより、天性の男運の無さだと思った。




こんな可愛い子でも男に苦労するのである。




男運の無さって怖い(^_^;)





Aちゃんが夢中で「恋話」している間に新大阪に到着した。





Aちゃんが大学の４年回で付き合った数が12人だったが、




身ぶり手ぶり付きで話すAちゃんのGカップのおっぱいが俺の肘に当たった回数はそれよりも多かった。





俺のおっぱい運はわりとある方である。

（今まで出会ったおっぱいでハズレたこと無かったから）