俺が若いころ、一番長く付き合ってた彼女は、とても変な人だった。




俺の誕生日の夜、その彼女が「プレゼント持って行くから」って言うから部屋でずっと待っていた。





「いったいアイツは俺のためにどんなものを選んでくれたんだろう・・・」




ドキドキしながら部屋で待っていたのである。




「誕生日、おめでとう」



彼女がボンと俺の前に投げ出したプレゼントは



新聞紙に包まれた、







蒸し鶏（ニワトリ一匹）だった。






「おい俺は山賊か？」





「美味しいよ」





彼女はなれた手つきで素手で鶏を解体し始めた。




たしかに美味しかった。

まぁ鶏だから間違いはないでしょう。





「雄鶏（おんどり）だから柔らかいでしょ？」


ってふいに聞いてきて、



雌鶏（めんどり）と比較もしたことがないから、返答に困ってしまった。




食べ進めながら、もしかしてニワトリの腹の中に、プレゼントが埋まってる、にくい演出かも？という淡い期待もあったが





鶏を丸ごと一匹たいらげただけで俺の誕生日は終了した。




デートと言えば



突然「野生の白メダカを見たい」って言いだして、わけのわからん村に行って、そこの村人に聞き込み調査を始め出したり。

（結果、発見して抱き合って喜んだんだけどね）



他にもあって



「日本一美味しいカルピスが飲みたい」って言いだして、カルピスの原液を持って、わけのわからん険しい山に登って、そこの湧水でカルピス飲んだり。

（美味しいって言ってたけど普通の水道水でも十分美味しいからね）




およそ普通のカップルがするようなデートをした記憶が余り残っていない。





そんな彼女はある日突然、「ちょっとアフリカに行ってくる」って言い残して俺の前から姿を消した。





実はものすごく悲しかったのである。



ものすごく面白い女だったから。






その後も彼女はできたんだが、あまりにも前の彼女の印象が強すぎて、普通の女性が退屈。




カップルみたいなことをしながらも何をするにも全然楽しくなかったのである。





誕生日プレゼントで、腕時計をもらっても本当に申し訳ないけど「はぁ・・・」みたいな感じだった。



俺は彼女の「毒」に侵されていたのである。





結局、彼女の「毒」が抜けるまで相当の時間を要したのである。





付き合うなら個性のある人が飽きないぶん、長く付き合うなら最適だと思う。



ただ別れた場合は個性的な異性と付き合っていたことが災いする。






俺の知人女性で彼氏のいない人の話を聞くと、これが元カレは強烈な個性の人ばかり。




基本はみんなダメ男だから別れたんだけど、個性が強い彼氏だっただけに、その後の男が退屈すぎて長続きしないそうなのである。






実際にいい意味で個性的な男はモテる。






俺の友達を見ても、いろいろだけど、大阪府民だけ４万人くらいいてそうな個性のない普通の人よりも




個性のある男の方が妙に女性を惹きつけるのである。






なので競争の激しい出会い系サイトおいてライバルを出し抜く男になるには



どこか人とは違う自分だけの個性をアピールするのは重要なのではないかなと思う。







最近、彼氏と別れたという女友達の彼氏は

個性的な面白い男だった。








セックスが終わった後は必ず、部屋を真っ暗にして彼女に「見てみ、見てみ、綺麗やで」って声をかけると





ベッドの上で足を大きく広げて



アナルに近づけた火の着いたライターに、「バフっ」とおもいっきり放屁をするらしい。




当然、屁のガスによって火柱が上がるのだが




彼氏は「キレー！」って大声でゲラゲラ笑うんだって。





「なぁ、お前もたまには、これしてみろよ」








すぐに別れたらしい。




「あんな気持ち悪い奴は２度とごめんやわ」








個性が強すぎるのはよくないみたい。