ボロアパートで生活した結果[!?]
40代前半  大阪府
2015/02/13 13:42
ボロアパートで生活した結果[!?]


春が近づき新生活に向けて準備をしてる人は多いのではないだろうか?





後輩も二人くらい親元を離れ1人暮らしを予定してて



今現在、不動産屋に回ってるのだが、家賃とか立地とか間取りのこととか俺にアドバイスを求めてくる。







家賃や立地とか間取りのことは正直、俺にはわからん。





ただ一人暮らしをするうえで「大事」なことは話せる。






思えば俺の一人暮らしの初体験は強烈だった。



結婚するまで色々なとこに住んでたが特に印象的だったのが


学生の頃に住んでた日本一治安の悪いと謳われた


大阪市西◯区の激安ボロアパート。




ここはとても酷かった。







まずボロい。


これは家賃は2万3千円だから仕方がないのだが…





困ったのが図鑑にも載っていない


足のいっぱいある昆虫が壁にへばりついてた。




殺しても殺してもどこからか出てくるので巣があったんだと思う。





前にも後ろにも顔みたいなのがあって俺は「ヤノ」と名付けた。






他にも深夜にシャブのきれたオバハンが上半身裸で

奇声をあげながら廊下を走り回る。


「タクシー!タクシー!」って俺の窓をドンドン叩く日もあった。






何語かわからない男女の口喧嘩は毎日。





早朝に上の階から胡散臭い宗教のお祈りの儀式が始まる。


オッサンが大声で「フンガーハロホレヒレハリ」って叫んでたのだけは覚えている。





これは俺が悪いのだが、


わりとアバウトに部屋を解放していた。






当時の俺はバンドやら映画制作やらいろいろクリエイティブなことに熱中してて


しょっちゅう、そういう仲間が俺の部屋に入り浸っていた。





しまいには友達の友達の、それまた友達みたいなのも入り浸ってて、顔も名前も知らない人と部屋で酒盛りをしたりした。





今思えば、この時の仲間と今も一緒に仕事をしているし、この頃の経験が今の人脈や社交性に繋がってるのかもしれない。



ある日にこんなことがあった。





ある冬に、バイトで3日間くらい部屋を空けてて、クタクタになって帰ってくると


コタツに作業着を着た黒人2人とホームレス風のジジイがコタツに入ってテレビを見ていた。





「ん?誰の友達やろ…?」






もはや俺の部屋に知らない人がいることは珍しくないのだが、今回はバラエティに飛んでるなと思ったが



「ま、いいか!」って、


チキンラーメンを肴にして4人で酒盛りをした。






切り替えの早いとこは唯一、自分が惚れ惚れするところ。







ホームレスの爺さんは歯が2本くらいしか無くて、まぁ臭い臭い。


完全にアル中のソレでずっと支離滅裂なことを言ってた。




黒人の一人はまったく日本語を話せず


もう一人は片言の日本語は話せた。




壁に張り付いてた虫の「ヤノ」を見て





「コレ、ホントにアブナイね」


って2人で相当脅えていた。





この黒人がどこの国から来たのかは知らないけど、

この脅え方を見ると相当ヤバい虫だったんだと思う。






何年か経って、バックパッカーをしてた友人の一人が「ヤノ」そっくりな虫をニカラグアで見たって言ってたから


本来は中米の熱帯雨林に生息する虫なんだと思う。






そのままドンちゃんドンちゃんと酒盛りをして俺は疲れてたこともあってそのまま寝落ちをした。





コタツの中で昼ごろに目を覚ますと、ホームレスも黒人もいなかった。




その後、誰だったんだろう?って仲間たちに聞いても、誰もそんな人は知らないという。



夢だったのか?

ボロアパートが見せた幻覚か?




結局、今でもあの3人が何者だったのかは不明である。





1年弱住んでたかな?


その後、俺もボロアパートから別の場所に引っ越すことになった。




今ではそのボロアパートは取り壊され綺麗なマンションが建っている。







「で、1人暮らしするうえで大事なことって何ですか?」と後輩。





「一人暮らしで一番大事なことは・・・



「成長」である」と俺。







「1人暮らし=女を連れ込んでヤリまくれる」程度しか考えてない彼らはポカーンの表情である。






俺は一人暮らしで成長したと思う。




まずは、今までご飯を作ってくれて身の回りのことを世話してくれた「母親に心から感謝したこと」と


ボロアパートをきっかけに「色んな人間と出会って語り会えたこと」




初めての一人暮らしの経験、あのボロアパートは今でも俺の人生の担保になっている。





これから一人暮らしをする人、今、一人暮らしをしてる人はただ寝る場所としてではなく、成長する場所としてワクワクしながら日々を過ごしてほしいなと思う。






ちなみに、俺があのボロアパートから引っ越しを決意したきっかけは





あらゆる女子が部屋の中に入ることを拒否するほどのヨゴレ部屋だったので


いつの間にか




「女人禁制の部屋」として、勝手に神聖化されたためだった。

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コメント

40代前半  東京都

2015/02/13 15:41

3. 「ヤノ」と暮らせるりょうまさんは無敵な感じがする。

若いうちから会話のスキルが磨かれて今
それが日記に表れているんですねw

大阪西〇区は危険すぎるイメージだけど
日記になるとドラマチックにすら感じるwww

40代後半  宮城県

2015/02/13 15:10

2. いつ見ても、見事な文章(*^◯^*)

人付き合いは、財産ですよね。

40代前半  東京都

2015/02/13 14:05

1. 昔、写真で見た
曾爺ちゃんの隠居部屋を思い出しました

深イイ話。息子はこのくらい逞しくあって欲しいなあ~

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