俺は、非常に食いしん坊である。





特別グルメとか美味しい物を求めてるではないのだが、死ぬまでに色んなものは食っておきたいと思う派なのである。






およそ人間が食べたことのある実績のある食べ物ならば俺は臆せず食える自信がある。





昔、大阪の某所に、ボロボロの古びた串焼きの屋台があった。




汚い壁に札のようなメニューが貼ってあって





そこには「鶏肉」「牛肉」「豚肉」「肉」ってあった。





鶏、豚、牛はわかるが「肉」って何なのか。








何の肉か尋ねても、赤ら顔のショぼくれた店主がニヤニヤするだけで教えてくれない。


仕方がないので結局、何の肉かわからないまま、その「肉」を食ったこともある。



今もまったく何の肉かわからないが想像が膨らんでとても楽しい。






最近は、昆虫に注目している。





昨年、国連食糧農業機関（ＦＡＯ）が人口増加に伴い「昆虫食が人類の食に貢献する」との報告書を発表された。




これは近い将来、地球上から食べ物が無くなるから高タンパクでビタミン豊富な昆虫を今から食っとけ！ということである。





昆虫は何度かこれまで食ってきた。




イナゴの佃煮やハチノコは基本中の基本。


コオロギの素揚げはエビのようで美味しかった。


幼虫たちもクリーミーでいけた。


実はセミなんかも最高に美味しいらしい。




昆虫はまだまだ食ってないので

今後はぜひ、注目しておきたい食材なのだ。






あと、海の生物はだいたい食ってきた。




水族館とか行っても


基本的に俺は「美味しそう」という目でしか見ない。





もし俺が石油王か何かになったら水族館を丸ごと買い取って




酒の一升瓶を片手に、まな板と包丁を持って、

片っ端から活きのい魚を食らいたいと思う。







とりわけ今、一番俺が食いたいのは



海生哺乳類の「ジュゴン」である。







辺見庸が書いた「もの食う人びと」を読んで以来

ジュゴンの肉が頭から離れないのである。






ジュゴンの肉は高級牛肉のような霜降りの肉で、

噛むたびに肉汁があふれ出る。


もうこの世のものとは思えないほど美味いらしい。






大昔はあまりの美味さに乱獲されたことで絶滅の危機をむかえ、今は国の保護生物として食用で捕まえるのは禁止されている。





生レバーと同じで禁止と聞けば余計に食いたくなるのが人間のサガ。




しかし「食べたい、食べたい、食べたい」と地団太は踏んだところで、残念だが食べることはできないだろう。







あとは鳥羽水族館の館長と仲良くなって


ジュゴンが寿命か何かで死んだら、切り身をわけてもらうしかないな。




できれば鼻の両側のプニプニしたところを食べたい。






ってなわけで、巷では肉会なるものが流行っていて、最近、ワクワクメールでも焼肉を食うオフ会みたいなのがあったみたい。






じゃあ俺は「虫会」を開催したいと思う。




『食べられる虫ハンドブック』を片手に片っ端から虫だけを食うオフ会。





参加希望の方がいればぜひご連絡を。