最近、自分でも老いというものをヒシヒシと感じていて特に若い頃と比較して顕著なのが、







まったく蚊が殺せなくなったこと。







昨晩は自宅にある仕事部屋で仕事をしていたんだけど少し蒸し暑く感じてきた。




かといってクーラーをかけるほどではなかったので窓を開けることにしたのだけど



その時、俺のうっかりミスで網戸を開けたままにしてしまったのである。







仕事をしてると非常に二の腕が痒い。





確認すると、ぷっくら虫刺されの跡があった。




知らない間に蚊に噛まれていたのである。






若い頃なら「プーン」という羽音が聞こえ即座に対応していたはずだ。




どうやら部屋に蚊がいることは間違いない。




しかし驚くことにプーンというモスキート音がまったく聞こえないのである。




耳の老化。






さらに若い頃なら二の腕にモゾモゾと蚊が止まっている違和感を皮膚に感じたら即座にパチンと叩いていたはずだ。




しかしまったく何も感じず蚊に噛まれていた。






これはもう皮膚感覚の老化 。






俺は仕事の手を止めて辺りを見渡してみた。




蚊を確認することができた。




しかも1匹ではない。






数匹が俺の部屋に迷い込み


血を狙って俺の隙を伺っていたのである。







そして果敢に俺に突撃してきた一匹の蚊。



パチン。




掌を確認したが蚊はいなかった。





さらに俺に攻撃を仕掛けてくる蚊。




パチン→ハズレ



パチン→ハズレ




パチン→ハズレ





一向に蚊を捕えることができない。


目で追えないのである。




若い頃は蚊なんて瞬殺できていたはずなのに・・・





動体視力と反射神経の老化。






ただ俺はあきらめず椅子の上に乗っては「パチン」




ジャンプして「パチン」



後ろを向いて蚊が油断したところを振り返って「パチン」




パチン、パチン、パチンを幾度となく繰り返したが全然捕えることができない。





そこでふと後ろに視線を感じた。







視線を感じた先を見ると部屋のドアの隙間からこっちを覗いてたのは



ウチの奥さんだった。







俺がフラメンコのパルマ（手拍子）を踊ってると思ったらしい。







どこの世界に夜中にオッサンがフラメンコを踊ってるやつおるねん。（まぁおるかもやけど）



どうせなら薔薇でも咥えてやればウケたのかもしれない。





さておき蚊がいるとわかっていて仕事を続けるほど俺は人間はできていない。





意地になってパチン、パチンを継続した。






俺の執念がようやく天に通じたのか、ようやく一匹の蚊が俺の中で潰れていた。






俺は歓喜の声をあげた。




今年に入って一番嬉しかった。






恐らく鏡を見れば松方弘樹がマグロを釣り上げた時の爽快な笑顔に負けないくらいの笑顔だったと思う。







掌を再度確認すると潰れた蚊と鮮やかな鮮血に染まっていた。





血を吸って動きがトロい蚊を捕えのがやっとである。それが今の俺の能力なのかもしれない。


まだ血を吸っていない元気で素早い蚊は手に負えないだろ。






そこで俺はあるアイデアを思いついた。





前にテレビか何かで見たのだけど、ロシアのある部族が狩りで仕留めた野生動物の頭部を集落の入口に目立つように掲げていたのである。



一見すればすごく猟奇的で不気味なのであるが
そこにはちゃんと意味があった。





これは何を意味しているのかいうと





外にいる危険な野生動物たちがその掲げた頭部を見て



「ここの集落に入れば同じ目にあわされる…」と


恐怖感を持たせて近づかせないようにするためらしい。




それが実際に効果があるんだそうだ。





「その手があったか！！」







俺は机の上にあるセロテープで殺したばかりの蚊を貼り付けると


天井の目立つところにぶら下げてアピールした。




むろん、他の蚊に俺に対する恐怖心を持たせるためである。






それから2時間経過


何と驚くことに・・・・・






















全身、12箇所くらい噛まれました。








逆に蚊達を怒らせてしまったのかな？






んで心なしか蚊が増えてるような気がする。



俺の血がお得な「ドリンクバー」的な口コミが蚊の中で広がったのかもしれない。




次の日に、ベープマットを買ったのは言うまでもない。





皆さんは、血を吸う蚊を見つけたら


手でパチンと叩いてやってくださいね。






ただオッパイを吸う男には


手で優しく頭を撫でてやってください。