ロシアの囚人への刑に「精神的拷問」というのがあるそうだ。





運動場に土を山にして積んであるのを


スコップひとつで５ｍ横にその土の山を移動させるよう指示される。





土の山を移動できたら、

今度はまた別の５ｍ横に山を移動させるよう指示される。





その意味の無い作業を毎日、たんたんと繰り返す。






すると囚人は、精神的に滅入ってくるようになり

やがて発狂寸前になるそうである。






人間は意味の無い行為に対しては根本的に弱い。






実際に､会社で仕事がめちゃくちゃ忙しい人間よりも

窓際族で仕事がない人間の方が鬱病になることが多いらしい。







後輩は、お見合い結婚をして1年目の新婚さんだ。





毎日、奥さんとセックスしているらしい。





大変羨ましい話ではあるが、どうやら新婚生活に問題があるらしいのだ。





今の奥さんとは性格も感性も抜群に相性はいいらしい。





ただひとつ体の相性だけは


最悪なくらい合わないんだという。







とても重要な相性を無視してなぜ結婚したんだと思うんだけど、


何度目かのお見合いに失敗し年齢的にも焦っていた後輩は相手を選ぶ際の条件を消去法で選択した結果、セックスの相性は消去したらしい。

（なので結婚したハネムーンで初セックスした）





奥さんとのセックス中、一応、勃起はする。



だけど最後までイケない。





奥さんも快楽の声をあげてはいるが


それが本当の声ではないことは、挿入している彼が一番わかっているという。





そしてほど良い頃合いを見計らって



後輩は「ううっ！」っと声を出しイッたふりをする。



本人はうまく騙せてると思ってるみたいだが




男のイッたふりをわからないほど女もアンポンタンではない。








ともかくこうして毎日の日課であるセックスは終了である。






この話を聞いた時に





果たしてこの行為に意味はあるのだろうかとしばらく考え込んでしまった。




後輩は俺にアドバイスを求めてきた。




考えた結果、この行為に意味はあるのだと思う。





夫を男として見ることができない、女として見てもらえないセックスのない夫婦関係の日々よりも




イッたふり、演技の声をあげてでも




夫婦としての営みと向き合い続ける「愛情」の方が意味があるのだと思う。




後輩は俺にアドバイスを求めていた。





「とりあえず女の腰のこの部分を押せば穴はギュっと締まるよ」



このアドバイスだけしてあげた。