ものすごく無口で見た目が若い頃の高倉健みたいな顔した渋い後輩が新幹線の中で爆睡していて








寝言で










「みんな大好き」と言っていた。






高倉健の顏で「みんな大好き」







人は見かけによらないものである。










見かけによらないといえば




俺には外国人の友達が数名いる。







10年前にイギリスから来日して日本人と結婚したリチャード（仮名・３０歳）とは特に仲が良い。







見た目は当然ゴリゴリの白人なのだがなまりのあるコテコテの関西弁を話す愉快な外国人である。





リチャードと初めて会ったのは6年前。



















「ワイ、めっちゃチンコでかいねん」





これは初対面で言われたセリフである。







身長190cmくらいあるゴリゴリの白人に「めっちゃチンコでかいねん」って威圧されたら





謙虚と奥ゆかしさで育った日本人である俺はただただ委縮するしかないのである。









「ワイ、コンドームはオーストラリアから輸入してますネン」


でかすぎて日本のコンドームは合わないというのだ。







チンコの大きさはともかく気のいい奴だったのですぐに意気投合した。








出会って3年くらい経ったある日。

リチャードと一緒にスノーボードをするため長野県に行った。







そこで夜に温泉に入るのだが、リチャードはずっとタオルで前を隠していた。





人間（特に女とは）裸の付き合いが大事だと常日頃から思ってる俺は


「リチャード、チンコを見せろ！」とえいやとタオルを奪ってやった。














「ワイ、めっちゃチンコでかいねん」




初対面でいきなり俺に投げ放った言葉が頭をかけめぐった。




実際に外国人のデカチンコとやらを生で拝見するのは滅多にあることではない。









俺の目の前であらわにされたリチャードのチンコは・・・


























ちっちゃっ！！




もう引くほど小さく細いのである。







しかも白い。


白人だけにチンコが真っ白。








ブナピーっていう白いしめじが頭に浮かんだ。







何がワイのチンコはめちゃデカいや！！

俺はひとしきり腹を抱えて笑ってしまった。










リチャードは白い顔を真っ赤にしながら






「違うネン、俺はボウチョウ率がエゲツナイねん」









外国人にもチンコが小さい人間がいる―


俺がグローバル社会に関心を持った出来事であった。










さて先日、名古屋の飲み屋でそのリチャードと飲んでいたのだが、リチャードが俺にドヤ顔でこう言ってきた―。









リ：「ニホン人の女はみんな心のどこかで外国人とヤリタイと願ってるネン」






俺：「マジかよー！？」





り：「機会が無いだけで、実際に目の前に外人現れたら女は股がユルユルなるネン」





リチャードは日本に来てから日本人へのナンパ成功率１００％で驚くことに、そのうちセックス成功率も100％と豪語する







本当に日本の女は外国人とセックスしたいと思ってるのか？








そういえば俺の友人は外国人のふりをしてナンパの成功率があがったと言ってるやつがいた。








見た目は完全に関西生まれの炭水化物顔なのだが





ひとりで飲み屋のカウンターに座り、おふざけで店の人とカタコトで話しながら飲んでた。



すると女の方が逆ナンして来るんだという。







「メニュー読める？教えてあげようか？」





「ここのお刺身は美味しいよ！お刺身わかる？」






そうやって逆ナンされてセックスまで至ったこともあったという。










その友人が「ほんまに日本の女は外国人が好きだから、試してみて」というので一緒に飲みに行ってダブルで外国人のフリをした。








それがまたやってて楽しいのである。






ちなみに俺のイメージはカルロス・トシキである。





日本の文化はよく知らないふりが楽しい。





俺は割り箸を割らずに、2本使って肴を食べようとすると、友人が大声で



「オマエ、ソレは割らなきゃダメじゃなーい！？」とツッコンでくれる。





「ワカリマシタ」と言って




横に真っ二つに割って短くなった箸で食べようとすると



「オマエ、ソレもちゃうやろが～！」







隣の女性客がそんな俺たちを見てクスクスと笑って話しかけてきた




外国人では無いのはバレてるのだが、外国人コントは楽しんでくれたようで、結果的に仲良くなり2次会は一緒に行くことになった。







バレてたので外国人はモテる検証からズレてしまったが一応、外国人のふりをして逆ナン的なことはされるというのは一定の評価はできる。








（まんざらリチャードの言うことも嘘じゃないかもしれない）










本当に日本人の女は外国人の男とヤリたいと思ってるのか？







リチャードは親指を後方に向け顎をクイっとひいた。





リチャードの後方を見ていると少し離れた席で女の子二人組が座っていた。







リチャードはまるで映画のワンシーンのように


「ワイが彼女たちに魔法をかけてくるから黙って見ときな！」と言って



俺にウインクをすると颯爽と席を立ち女の子の方に向かって歩き出した。







すごい自信満々のリチャード。









本当に日本人の女は外国人だったらすぐに股を開くのか？



俺は興味深く観察した。



ただ席が遠いので何を語ってるのかは聞こえない。






5分くらい経った







それまで会話がまったく聞こえなかったが、


急に俺の席にまで届くくらい女の大きな声が響いた






















「シャラーップ！！！」










あっさり振られたみたいである。


いやめっちゃ女の子から怒られてるのだ。










リチャードはＰＫを外した外国人サッカー選手のように両手で顔を覆い、放心状態で俺の席に戻ってきた。








すっかり肩を落とし元気が無くなったリチャード。

なぜ女の子があそこまで怒らしたのか聞いてみたら
















「ワイのチンコめちゃデカイねん」

って言ったらしい。




本当にバカ野郎である。








「日本人の女には初対面でシモネタはアカンね」
とナンパ失敗を総括したリチャードに




「それは違うリチャード、下ネタに怒ってるんやない。日本の女はウソ付きが嫌いやねん」と言ってやった。






リチャードは両手を広げて寂しそうに微笑みながら自分のブナピーを覗き込んだ。