お前の根拠の無い自信はどこから…?
中途採用で我が社に入ってきた30代のY君という男がいる。
このY君、
まぁ~ダメな男なのである。
まず仕事ができない。
物覚えが悪い、頭の回転が悪い、積極性も無い。
いいところがあまり見つからない。
ずっーーと結婚はおろか彼女もいない。
趣味はパチンコと風俗だけ。
ただ負けが続き借金で首が回らないから、最近の休日は酒をぐだぐだ飲みながら1日中、YOutubeを見て過ごすという私生活だそうである。
で、こういうダメな男は、だいたい俺のチームに送られてくる。(毒を持って毒を制するってことなのかしらん?)
ともかく、このY君はダメ男なのだけど
なぜかすごく自信満々なのである。
その自信の表れは、言動ではない。
行動や態度でもない。
ニュアンスは難しいんだけど、Y君が身にまとっている存在感が、妙に自信にみなぎっているのである。
Y君の全身から発せられる自信。
(こんなダメ男なのに、何を根拠にこんなに自信を持てるんやろうか・・・)ずっと不思議に思っていた。
先日、そのY君と仕事の前のりで東海地方に行っていた。その夜に居酒屋で飲んで時におもいっきり聞いてみた。
俺「おい!前から聞こうと思ってたんやけどお前のその根拠のない自信はどこから来とるんや」
Y君「はい?なんですかいきなり?(笑)」
驚いたことにY君には自分が自信に溢れているという自覚は無いそうだ。
自覚は無いが、やはり呑んでる最中も、どこか自信に溢れているように感じた。
この日に泊った場所は大浴場のあるビジネスホテルだった。
俺はY君と軽く呑んだ後はホテルに戻り貸切状態の大浴場につかりながらくつろいでいた。
誰かが入ってきた。
「あ!風呂に来てたんですね、誘ってくれたらよかったのに」
入ってきたのはY君だった。
どんどん近づいてくるY君。
俺は湯の中に入っているはずなのに急に冷や汗が噴出した。
満面の笑みを浮かべるY君とは対照的に俺は全身が金縛りにあったように硬直する。
(そうだったのか・・・)
この日にすべての謎が解けた。
Y君の根拠のない自信にはちゃんと根拠があったのである。
Y君の自信の根拠は
チンコだった。
コンキョはキョコン的な自信。
女子にはわからない話だと思うが
大人になった今でこそヒエラルキーは、学歴であったり年収であったりとその社会的地位によって決められていくわけだが
小学校の男子にとってのヒエラルキーの頂点は
チンコの大きさであった。
「ケンカの強いやつ?足の速いやつ?アホか!チンコの大きいやつがいっちゃん偉いねん」
俺が小3で転校してきた初日に、クラスで一番チンコのでかい奴にチンコを見せられながら言われたセリフである。
チンコがでかい男が一番偉い。
少年時代からチンコの大きさに自信を持ちその地位を約束されて生きてきた奴は、大人になってもその輝きを失うことはない。
もっと言うとチンコのヒエラルキーでは最下層で卑屈だった俺は、そのトップにいる人間の存在感を、誰よりも敏感に感じとっていただけのかもしれない。
野生の草食動物が肉食動物の接近を常に警戒するように、短小の俺は勝手に巨根のY君の存在感におびえていただけなのである。
彼の根拠のない自信は、身体からではなく
下半身から発せられていたのである。
あなたの周りにもいると思う。
常に根拠のない自信を持ってる男が。
その自信の根拠は下半身にあると思ってほぼ間違いないと思う。