先日、ちょっとした親族の集まりがあった。



そこで中学3年生になる従甥（いとこの息子）と話してたのだが、最近、従甥に彼女ができたというではないか。







俺：「お前から彼女に告白して付きあったん？」





従甥は顔を赤らめながら




従甥：「俺からそんなんせえへんし！」






従甥から話を聞くと彼女の方からＬＩＮＥで「好きやから付きあって欲しい」と送られてきてそれに対して「ＯＫ」と返事をして、その日から付きあうことになったとさ。





ＬＩＮＥで付き合うことになった。




まぁー何とも味気ない話ではないか。






デジタル技術が飛躍的に進み便利な時代になったとはいえ、一方で失っている事も多いのではないかと感じている。





とりわけ今の子が失って可哀想だなって思うのが３つあるのだ。





一つ目は、彼女と電話するために固定電話にかけるドキドキを味わえないこと。




話すことを事前にメモかなんかして、緊張しすぎて受話器を上げてはまた下ろし。




「お母さん」や「お父さん」が出たらどうしようと？緊張しながらのドキドキ感。



このドキドキ感を味わえない今の青少年たちは可哀想だなと思う。








今の子が可哀想だと思う二つ目は











ブルマが消えたこと。




今の若い子はブルマという言葉さえ知らないらしい。





男女平等の時代がブルマを消滅させた。



男女平等社会になることは本当にいいことで大賛成なんだけど





それと引き換えにブルマが消えるなんてひどすぎませんか？







なぁ諸兄達よ。




ブルマを知らないって


今の子はほんま可哀想やと思わへん？(´･ω･‘)













もうひとつはラブレターが無くなったこと。



いや、厳密にいえばラブレターというアナログな手段が残っているのかもしれない。




ラブレターが無くなった！と断言できるサンプルが少なくて何とも言えないのだが




ＬＩＮＥで付き合うことになった従甥の話を聞く限り、周りの友達もだいたいそういう付き合い方が主流らしくラブレターが圧倒的に減ったのではないかと思っているのである。






ラブレターが下駄箱の中や、体育館の裏で女の子からもらっていたドキドキしていた時代。






俺はそんな時代を生きていた。






忘れもしない中学２年の冬の話。






当時俺はサッカー部に入っていて毎日サッカーに没頭していた。



ある日、部活の休憩中にマネージャーから声をかけられた。






「りょうま、Ｒ子が呼んでるで」






心臓が飛び出そうになった。




Ｒ子とは俺がずっと好きだった女の子である。





信吾は俺の肩を抱いて「ひゅーひゅー」と煽りながら俺の気持ちをさらに高揚させた。




信吾は小学校からの親友で俺がＲ子を好きなのを知っている。






Ｒ子が待っているという場所に向かった。



心臓が口から飛び出すとはこのことである。



緊張と高揚感で軽い吐き気を覚えながら俺はＲ子のいる場所に向かって歩いてた。






Ｒ子はうつむきながら照れたような表情で俺を持っていた。





Ｒ子が俺の前に差し出したラブレター。




呼ばれた時に何となく察してたとは言え、みるみる顔が熱くなり脈がドクドクと波打ってるのが自分でもわかった。






もはやラブレターなんて読むまでもない。






開封する前に俺は交際ＯＫを出そうと思ったその時－









Ｒ子「あのね…そのラブレターをな











信吾に渡して欲しいねん」







俺：「・・・はい？」






Ｒ子「信吾にラブレターを渡して欲しいねん」




俺：「はい？」












今、俺の頭の上に



大きなタライが落ちてこないかなぁと思った。







何でよりによって信吾なんだろう・・・




それから家に帰るまであんまり覚えてない。






信吾が「Ｒ子とはどうやった？」と色々聞いてきたが俺はその日一日中信吾を無視した。







このラブレターを開封して中身を見てやろうか？


ビリビリに破って帰り道のどぶ川に捨ててやろうか？とは思っていた。





Ｒ子からのラブレターを信吾に渡さないことが一番の正解だと俺は思ったのである。





朝まで一睡もせずにラブレターを持ちながら布団の上をゴロゴロと転がっていた。









次の日の朝ー





俺は信吾にＲ子からのラブレターを渡した。




ひっくりするくらい驚いてた信吾。




俺は精一杯の作り笑いを浮かべた（たぶん）





この一枚のラブレターで俺は色んなことに気付くことができた。





告白もしてないのに失恋した心を突き刺すような痛み。



ラブレターを破ってやろう！絶対に信吾に渡さないと思った俺のどんよりした心の汚さ。




でも結局信吾にラブレターを渡してしまう俺の心にもあった真っ直ぐな人間性。




何より自分もＲ子が好きだったくせに俺に気を使って隠し続けた信吾の俺への「友情」





たった一枚のラブレターが俺を大人の男にひとつ成長させたのである。






従甥がせっせとＬＩＮＥで彼女とやりとりしている。




（従甥よ・・・可哀想に…機微もないドキドキもない悲しい時代に生れやがって…）








俺：「ちなみに従甥よ。お前はスマホでエロ画像とかエロ動画と見るのか？」





従甥：「うん。たまに見るで（笑）」





俺：「俺がお前くらいの時は、オカンのセシールの下着カタログが宝物だったよ。ブラジャーのとこを10円玉で削ってみたりしたな」





従甥：「うわ！可哀想･･･悲しい時代に生れたね」






俺：「・・・






・・・・ほんまやな。」












来月の5月5日で信吾とＲ子が結婚10周年。




セックスレスだそうだから「ブルマ」のコスプレでも10周年のお祝いに送ってやろうかと思っている。