30代の頃、友人宅で男6人で飲んでいた時の話である。




「こないだナンパした女が俺のチンコを見て「キャー！毒キノコだ！！」ってドン引きしてさぁ・・・」





友人のＳ君による、この一言がきっかけだった。








「ちょっと気になるから毒キノコ見せてみろや…」





「ちょｗ俺だけは嫌やわ！みんなでチンコ見せ合いをしようや」






男だけで集まって飲んだら数年に一度は、チンコを見せ合うという謎の儀式が始まる。





かれこれ4回は見せ合いに参加している。





なぜ男同士でチンコを見せ合わなければならないのか考えてみた。






野生動物には「性淘汰」という本能がある。




オスの鹿やカブトムシのように立派なツノを持っているオス同士がお互いのポジションを争いけん制し合っている。






その野生動物のオス同士の儀礼的な闘争が、人間社会社会に置き換えるとチンコの見せ合いなのかなぁと漠然と考えてはいる。






かくして人間のオス同士の「性淘汰」が始まったのである。




















正直、チンコは自信の無い俺。




過去4回くらいメンバーを替えてチンコを出しているが。







「・・・・・・・」




一同ノーコメントとなる。





笑えるくらい小さいわけでもなく



当然、驚くほどの大きさでもなく



何の変哲も個性もないチンコなのである。




なのでみんなコメントに困る。









チンコを出してスベる。


こんなことがあっていいのだろうか。（あるんだけどな）







オス同士の性淘汰が始まれば

（いい歳してチンコの見せ合いなんか止めようぜ）

なんて野暮なことは言えない。







ふと周りを見ると



短小なうえ早漏のヨシも同じように不安な顔をしている。







俺をさらに不安にさせることがあった。



それは俺の座っている場所である。







俺の左隣りに座っているのが「に○ぶ君」という小学校の頃からチンコがでかくて有名な男だったのだ。




有名なに○ぶ君のチンコ写真事件というのがあって





うちの小学校の行事についてくるカメラマンはかなりファンキーなｼﾞｼﾞｲであった。








時代と言えば時代なのかもしれないが、小学校4年の時の臨海学習（お泊り）の時に、男子風呂に入ってきて写真を撮りまくり、チンコむき出しの写真を廊下に販売目的で張り出す事件があった。

※これは後ほど問題になりカメラマンはクビ。




ファンキーなジジイにとっては、小４のツルツルのチンコだから何も問題は無いと思ったのだと思う。





実際、俺たちも羞恥心は無く、張り出されたチンコ丸出し写真を見てゲラゲラ笑っていた。








しかしその笑いはある写真を見てピタっと止まった。





「おいこの写真・・・」




に○ぶ君のチンコ写真である。






風呂の縁に大股開きで座っている「に○ぶ君」の股間のところだけ黒いマジックで●で塗りつぶされていた。







まさかのファンキーなｼﾞｼﾞｲによる自主規制である。






ともかくに○ぶ君はその日から3日間学校を休んだ。









後から聞いた話だが実際に「に○ぶ君」はそのジジイに





「おめーのチンコはアカンやつ」



と言われたそうだ。




大人に「ダメなチンコ」と言われる小４のチンコって・・・







ともかく、その進撃の巨チンといわれる「に○ぶ君」が俺の左隣りに座っているのである。そのに○ぶ君の左隣りがヨシである。








だいたいチンコを見せ合うときは反時計周りと相場は決まっている。







Ｓ君が毒キノコを出した後に反時計周りにチンコを出して行くなら俺は「に○ぶ君」の後にチンコを出さなければいけなくなる。








太いエリンギの後にシメジを見たらエノキにみえないか？




大きなハマグリの後にサザエを見たらシジミに見えないか？







これは何が何でもに○ぶ君の後にチンコを出すわけにはいかない。






俺は立ちあがってビールを取って、に○ぶ君とヨシの間に自然に割り込んで座ろうとした。







しかしヨシもバカではない。




俺の魂胆に気づいたのだろう「に○ぶ君」にグイと詰めより俺が割り込むスペースを無くしやがった。





俺とヨシの闘いである。






他のメンバーが、Ｓ君の毒キノコを見てどよめいている間に俺はヨシの頭を3発くらいハタキ強引に、に○ぶ君の左隣りの強奪に成功した。




口パクで不満そうに俺をにらみつけるヨシ。





Ｓ君「そんな毒キノコかな～？」




に○ぶ君「完全に毒キノコやわ」





Ｓ君「ほんじゃー次は、エーヤンのチンコ出してな」







俺＆ヨシ「！！！！！？」










（・・・何で時計周りなん？）








この日、一番大きな歓声が上がったのがやはり、に○ぶ君のチンコだった。





俺も声を出して驚いてしまった。









リアルに表現すると先が太いトイレットペーパーの芯みたいなのがボロンと出てきた。




（これはアカンやつ！！）





に○ぶ君「まぁ勃起したらもっとえぐいけどな」




もし本当にこれが勃起したら









ＤＶＤの50枚パックくらいあるかもしれない。









そして俺の番。






ポロン♪







一同大爆笑







はいウケた。




でもいつもみたいにスベらんでよかった。










そしてヨシの番





ピコ♪








ええ・・・！？



俺もみんなも2度見した。







全員が悲痛で神妙な面持ちで、ヨシの学ランのボタンのような埋もれたチンコをずーーと眺めていた。





ヨシ：「これも勃起したら・・・」








あれから数年。



40代になってもチンコを見せ合わなければならない日は来るのだろうか。