あれからもう十日も経ったのかと思うと、色々と考えることがたくさん頭を巡る。

今でも、帰らない親や子供、夫や妻を探してひたすら歩きまわる人や、力尽きて避難所に消えていく命がある。

いかに人間が知恵を誇ろうとも、絶対に勝てないものが存在すると感じずにはいられない。

そんな中で私の家は、幸運なことがたくさんあった。

私のアパートは天井を高くした部分にロフトがあり、それは一階と繋がっているので、ロフト側面の手すりを越えると一階に落ちてしまうような構造になっている。
ロフトにはベッドがあり、その周りにはパソコンやプリンターなどの段ボール箱を積み上げて置いておいたが、ベッドや重い家具がすべて手すりの方にむかってズレているにもかかわらず、一階には何も落ちてこなかった。

ロフトのハシゴ近くに置いていた古くてかなり重い扇風機も、なぜか手すりと反対側の奥に向かって倒れて他の物に引っ掛かる状態になって落ちず、大怪我を免れた。

テレビの上にあったお気に入りのガラス花瓶は、何と、水もこぼれずジュウタンの上にチョコンと立っていた。

他、やはりガラス容器のハイドロカルチャーも出窓の棚からから転げ落ちたのに、なんと無傷で、現在も青々と茂っている。

なんと不思議なことばかり起きるのだろう。

だいたい、東京ですら停電が行われているのに、ここ郡山の私の地区は震災前から一度も電気、ガス、水道が止まっていない。

一時的に止まったのは携帯電話と固定電話のみで、しかもすぐに復旧。

更に、以前の日記でも紹介したがベランダや室内の出窓で野菜を栽培しているので食料がある程度自給自足でき、そして日記に書いた通り、生ゴミ処理機を役所から借りて運用していて、ゴミ収集がいつ止まっても全然平気だった。

信仰のおかげであることがありがたくてありがたくて本当に涙が出てくる〓。