只々…
解らない。解らないで立っていた。只々溢れ出てくる涙を抑えるのに必死になっていた。
スーパーマーケットに立っていた。
歩き回り見つける。幼なじみだ。
地元のスーパーであるらしい。
「あのさ、これなんだけど。」
傍にある棚に陳列されていた袋を持ちながら、後ろから声をかける。
手に取ったのは何故かペンネだった。
「えっとさ、これなんだけど………トッピングには………どうでもいいか………」
話しかけたものの、何を言いたいのか判らず棚に戻す。
「まぁいいや、じゃあね。」
上を向き隣のレーンに移ると何故か今の会社の人たちが何人かいた。
昔から世話になっている先輩に
「おう。どうした?大丈夫か?」
相変わらずぶっきらぼうではあるが、親しみのある言い方である。
「あ、お疲れ様です。大丈夫です!」
そう言うと、また隣のレーンに移動した。涙はもう溢れていた。隣に同僚が立っていた。
棚には古びた日本酒の瓶が一本だけ横たわっていた。製造して5年程経っている古い物だった。
「やばくないっすか?5年も経ってますよ。」
何事も無かったように話しかけた。
「もうオバサンだな。清水ミチコか、ピンクの電話の清水…」
「何で清水縛りなんですか?ははは。」
笑いながらまた隣のレーンに移動し、泣き崩れ落ちる。理由は無い、只悲しかったのだ。
そろそろBGMが流れてきてもいいのだか、無音の中泣いていた。一人泣いていた。
そこで眼が覚めた。同時に悟った。
一人で死ぬのであろう。
人間死ぬ時は大概一人であるが、一人で死んでいくのが悲しかったのか悔いているのか淋しいのかは判らないが。
只々、悲しかった。それだけだった。
という今朝の夢
何か意味がありそうな夢なので記してみました。
最後まで読んだ(読んでしまった?)方、よろしければランチにペンネアラビアータでも如何でしょうか?