「中川 衛 美しき金工とデザイン」展。
パナソニック汐留美術館で9/18まで開催されていた「中川 衛 美しき金工とデザイン」展!
「彫金」の人間国宝、加賀象嵌の中川 衛氏の特集展である。
『中川が追求する「象嵌」とは、金属の表面を鏨で彫り、できた溝に異なる金属を嵌めこんで模様を作り出す技法です。象嵌部分の深さはわずか1mm以下と非常に薄く、精緻な仕事が求められます。その中でも中川は、複数の金属で構成し、難易度が高いとされる「重ね象嵌」を極めていきました。「工芸も工業デザインも創作の展開は同じである」と語る中川は、企業で身につけたデザイナーとしての制作手法を生かし、金工の試作を重ね、日常生活にヒントを得たフォルムと、自身の記憶から紡ぎ出した抽象文様により、現代的な象嵌の作風を築きました。
本展では、中川の初期の象嵌作品から最新作までを辿るとともに、1970~80年代に手がけたプロダクトデザイン、金工の道に進む原点となった加賀象嵌の名品、現代アーティストとのコラボレーション、中川から技を受け継ぐ次世代の作品まで、作品と資料を合わせて約130点を展覧します。』(公式サイトより)
いやもう、凄まじい精緻さ。コンピューターでもこんなに緻密にはでけんやろ、という整然とした美しさなのである。しかも、それでいてどこか温かみもあるという。
この紋様が全て、1mm以下の溝を掘り、そこに金属を埋め込んだものだと、信じられる!? 真っ直ぐ掘るだけでも難しいのに、曲面に合わせて掘って、しかも溝の下部をほんの少し内側に削り込んて、嵌めた金属が取れないようにしてたりするのである。なんという超絶技巧……!!
中川氏の作品も良いけど、師匠の高橋介州氏の作品も良いんだよねえ。写真不可だったので見せられんが『加賀象嵌錦鶏伏香炉』と、中川氏の『象嵌置物 牛』がめちゃめちゃ好きだったなあ。手に持って、ひたすら撫で回したい。(*´ω`*)
現代アートも良いですが、伝統の技を現代に活かした作品もまた、良いものですね。
この展示は終わってますが、今、三井記念美術館で『超絶技巧、未来へ!明治工芸とそのDNA』展という、伝統工芸の超絶技術を身につけた現代作家の作品や、明治の逸品を集めた展示をやっているので、気になった方は見に行くと良いと思いますよ。面白いよ!〓