江戸時代のお寿司。
門前仲町駅近くにある『深川すし三ツ木』さんに行ってきましてん!
『深川すし三ツ木』さんでは江戸時代の寿司を再現したお寿司も提供されているというので、ずっと行きたかったお店なのである。
そのお寿司の名は『正調 江戸前にぎり鮨』(予約推奨)!
「江戸期の文献を紐解き、酢や塩でしめて保存性を高めたネタと今の3倍も大きい赤酢シャリが特徴」(お店のHPより)
とのことなのだが、たしかにこれが今のお寿司とぜんぜん違うの! 赤酢も現在の米酢と違って、酒粕から作られる"粕酢"という酢が使われており、ツンとくる酸味がなく、まろやか。大きさも通常の3倍で、一口で食べるのは大変。ネタ自体も塩を使ったり漬けにしたり炙ったりと、日持ちがする下ごしらえがされており、醤油に付けずそのまま食べられる。これがまた、現代の寿司とは違うが、大変美味しかった。
これを頂きつつうかがった、ご主人のお話がまた面白かった。
「"一人前"というのは戦後にできたものですね。昔はこのサイズが普通だったのですが、戦後に女性や子供も食べやすいよう半分に分けたというのが定説になっていますね」
「うちは昔ながらの店なので、一人前で2貫出すんですが、たまに若いお客さんに"一つでいいんてすが"と言われまして、ごめんなさいね、一つがよろしければ注文の時にそう言って下さいね、とお願いしてます」
「干瓢巻きにワサビが入っているのを昔は"鉄砲"って言ってまして、大人が頼むのは鉄砲、ワサビが入っていないの干瓢巻きは子供が頼むものでしたね」
などなど、ユーモアたっぷりに語って下さって、めちゃめちゃ興味深かったですね。
で、食べ終わったあとお腹はいっぱいだったんですが
「せっかく来たし、食べ比べということで、今お店で提供しておられる現代のお寿司も食べたいな」
と思い、二貫握ってもらったんですよね。赤身と、ご主人おすすめのアナゴを。
べ ら ぼ う に 美 味 か っ た 。
なんというか、「食事」から「研ぎ澄まされた一品料理」になったって感じ。え? 一流の職人さんが握るお寿司ってこんなに美味いの? 正気?
特に穴子が美味いの! 凄まじいの!! ふわとろで、筋も味の濁りも何も無い上品な甘さ! 「舌の上で蕩ける」とはこのことか!って思ったね!
さらに、握り方もネタの硬さとかにあわせて、強さを変えているそうで……。本当に、絶妙にホロリと崩れる。
寿司ってすげえな。ハマりそうや。
惜しむらくはただ一つ。江戸時代に使われていた関取米という少し小さい粒の米があって、「正調江戸前寿司」は、本当はそれを使って作るらしいのよね。一軒だけ作っている農家さんがあって分けてもらっているそうなんですが、今年の分はもう終わってしまったとのこと。しかも来年手に入るかも分からないらしい。
うわー! 食べてみたかった!
来年秋ごろ、またチャレンジしてみようかな! それがだめだったら、普通のおまかせとか食べよう。いや、秋を待たずにおまかせ食べに行きたい! 明日にでも!(≧▽≦)ノシ