今月もまた、月末定例会議が終わった。

議題の根幹は、問題の取締役について……。

取り留めもない会話が続いて、私はもう無関心。

それと、後輩の退職報告……。

上の人間達の会話に、歯軋りをして怒りを押さえ込んだ。

「りんた、何かないか？」

私の心の内を理解している社長から発言の機会を頂くも、俯いたまま沈黙した。

他人と無駄な摩擦を起こす事が嫌いで、常に温和に穏便に、問題を笑いに変えて事を進め、上も下も皆が働きやすい様に立ち回って………。

いつもニコニコ朗らかマッタリ、何をやられても言われても、笑って冗談で返すりんたが、爆発寸前にイラついてるもんだから、誰も口が開けない。

「今回の件で、上の者は教育について考えるべきだろう」

社長のこの言葉も思惑も、前々から察する事は出来ていた。だからこそ、苦虫を噛み潰す様に沈黙を守った。必要以上の波風を立てない為に……。

だけど……悔しくて、悔しくて、悲しくて……。

付き合いの良い私が初めて、上の人間から誘われた飲み会を拒否して帰って来た。

いつまでも引きずってはいけない。気持ちを切り替えて、明日はいつもの自分にならねばいかんだろう。

しゃきっとせんかい！