ねぇ…
気を使ってしまう私には、
魔法の様な言葉。
絡まった糸もたちまち解れて、
重い観音扉にも気が付かないで、
ずっと前からそうだった様に
心にすっと入り込む。
思わず私も
「うん?」
と、返事をしてしまう。
勿論、誰でもという訳ではない。
そういう話し方が、常態的であれば何も感じる事はないだろう。
常日頃は、誰に対しても
しっかりと敬語で話している様な人が、
なんの前触れもなく不意に、
本人さえも口が滑ったかの様な自然さで…。
そんな時は、肩の力が抜けて、何でか穏やかにホッとしてしまうんだ。