賢者の贈り物
今日はクリスマス・イブ。
毎年、街中には山下達郎とマライア・キャリーとワムが溢れだし、耳にすれば今日を連想するよね。
私はそれと同時に、このオー・ヘンリーの代表作も連想するんです。
聞けば知っている方も多いと思います。
あらすじ
とある町の貧しい夫婦。
夫婦にはそれぞれ、人も羨む宝物を持っていた。
それは、夫の懐中時計と妻の長く美しい髪です。
妻はイブまでの何ヵ月も前から節約しましたが、物を買うには程遠く、鏡に移った自分を見て、ひざまである髪を売る決心をしました。
夫へのプレゼント探しに街中を探し周り、夫が持つに相応しい、これ以外に無いと思える一品を見つけ、自慢の髪を売ったお金で買いました。
それは、夫の宝物の懐中時計に着けるチェーン。
夫の懐中時計には革の紐が着いていましたが、それを気にしていた夫は、隠す様に時間を見ていたのです。
妻は大急ぎで帰り、イブの用意をして、夫の帰りを待ちました。
その内、家のドアが開き夫が帰って来ました。
夫は妻を見て、何とも言い表せない表情で妻を眺めます。
妻は泣きながら
「髪は売ったの。イブなのにあなたへのプレゼントがなくてはいけないでしょ?私の髪は伸びるのが早いの。髪がなくなっても私は私でしょ?だから、嫌いにならないで」
と、寝起きの小学生の様な頭になってしまった妻は訴えました。
夫は我にかえり、妻を強く抱き締めた後、妻へのプレゼントを渡しました。
そこには、妻の長く美しい髪を飾るにはお似合いの、鼈甲の櫛のセットが入っていました。
妻は感激し
「ねぇ見て、これなら1日に何十回も時間を見たくなるでしょう?」
と、夫へのプレゼントを開けて渡しました。
夫は両手で受け取り抱き締め、優しく言いました。
「懐中時計は売ってしまったんだ。君へのプレゼントを用意したくてね」
こういうのが良いなぁ~。