キャッチコピーに惹かれて献血に行く。
狙うはトミカ。これを当てて甥にあげよう。

貰ったスポーツドリンクを飲みつつ質問に答える。
同性はもちろん、ここ半年以上、異性との性的接触の無かった俺には献血の妨げになる質問など無いのである。…少し寂しい。
隣のバスへ移動し血圧を測る。上が115、下が70。問題ない。

採血するバスへ乗り込むと特有の匂いがする。好きな匂いだ。さっきは匂わなかったのにな？

バス内の3つの簡易ベッドは満員。ベッドが空くのを待つ間に立ちくらみを起こしたことがあるか？等の簡単な質問に答え、移動して採血の準備。
必要以上に力が入っていたのだろうか？妙に気を遣われてしまう。
この年で恥ずかしい限りだ。
針を刺される時はチクッとしたが、あまり痛みは無い。うまい人に当たってよかった。

滞りなく採血が終わり、バス最後部の席に座りアセロラジュースを貰ってひと休み。
壁には子供らしい字で「大きくなったらけんけつしたいです。」と書いてある紙が張ってある。
景品狙いで献血に来たことを恥ずかしく思う。

恥ずかしいとは思いつつも、景品を貰うべくクジを引く。
邪な思いを持つ者には狙った景品が当たらないのは世の常か、200ミリリットルの魔法瓶が当たる。ハガキに書いてあった夏のグッズの正体はコイツか…
甥っこが要らないと言うのであれば俺が職場に持っていこうかな。
普段使いの水筒と合わせて刀と脇差しみたいな感じかな？こちらの水筒にはジュースでも入れようか。