握手会に行くのは9枚目のシングル以来。
幕張メッセに行くのは初めてだ。どんな珍道中になることやら…との心配も杞憂に終わった。
普段、電車に乗る機会の無い俺にとっては、電車に乗って移動する事すら特別な事だ。
無事に海浜幕張駅に着く事ができて一安心。

小腹がすいたが、腹ごしらえをしようにも道中の吉野家は満員のようだ。約20人程がレジに並んでいる。
牛丼を諦め、近所のミニストップを覗くが、またもレジに長蛇の列。
ここはそれほど時間がかかるまいと店内へ。おにぎり、パンの類が売り切れだ。
イベント、恐るべし。
スナック菓子も売り切れつつある。
インスタント麺でも食おうと店内を見渡すが、どうやらお湯が入っていそうなポットが無い。
この人数で一斉にお湯を使われたら迷惑か。お湯を置かないのも無理はない。
何も買わずに店を出るのはバツが悪いので、ガムと水を買ってメッセへ向かう。

メッセ着は13時30分。
モンハンのイベントも行っているらしいが、今の時間の人波はみな一様に乃木坂46の握手会会場へと向かう。
さすがに勢いがある。

待ち時間も相当なものになるだろう…といった予想と裏腹に、1時間程で握手会の会場に入る事ができた。
パシフィコ横浜の時は会場に入るまでに2時間強かかったと思ったが…時間帯がよかったのだろうか？

レーンの確認をする。
2レーンにまいやん。
7レーンにななみん。
残りの1枚は…と考えつつレーンの割り当てを見ていると、21レーンのみ3人居ることに気づく。
きいちゃん。らんぜ。みりあ。
これだ！なんというユーザーフレンドリー(？)な編成なのか。
他の人もそう思うのだろう。複数人のレーンでは一番混雑しているように思う。

21レーンはトイレから最も近い。
先に用を足そう。
待ち時間は2分程。男に生まれて良かったと思う瞬間のひとつだ。
スッキリしたところで21レーンに並ぶ。
途中でメンバーの休憩がありながらも、1時間強で握手することができた。
緊張のせいか、ひとりひとりの手の感触を全く覚えていない。
なんとも勿体ない。
ただ、みりあの手は汗をかいていたように思う。
彼女も緊張しているのか？可愛いげが増すというものよ。
きいちゃんに元気がなかったような気がするが、体調が優れないのだろうか？


ななみんレーンに並んでいる時に、21レーンの北野日奈子は体調不良により握手会を中止するとのアナウンスが流れる。
無理をせず休んでもらいたいものだ…というのは、既に握手をしている人間だから言える事なのだろうか。
自分が列に並んでいる途中なら、もう少し頑張ってくれよと思ってしまうだろう。

例によって、ななみんも調子が良くないようで、握手会では会話をすることが出来ませんとの注意書きがレーンの入り口に貼ってあった。
喉が悪いらしい。

ななみんレーンに並ぶのは初めてではないのだが、初めて来た人を装う。
俺の顔など覚えているはずもないから。
「いつも応援してます！いや～、どえらい美人なんすね！」
そう言ってやったさ。
気を悪くするかもしれないと思ったが、テレビで見るのと同じように左手で口を隠して笑う姿に見とれてしまう。
綺麗だ…
作り笑いでも構わない。
剥がされた事で我に帰る。

ラスト！
まいやんレーンに並ぼう。

2レーンにやってくると、妙に列が短い事に気づく。
人気に陰りが？そう思っていたのだが、やけに列の流れが速い。

列に並んでいる途中でな～ちゃんレーンを覗く。
剥がしが仕事熱心だ。
手に触れた瞬間に剥がしている。

ここもあのスピードなのか…
ななみんレーンに戻ろうかな…などと思ったものの、やはり流れが速い。
もう俺の番だ。

何を喋るか考えていない！

咄嗟に「いつも応援してます！」という何も考えてない言葉を口にする。
恐らく、固い顔で。
まいやんもやや固い笑顔で「ありがとう！また来てね！」と返してくれた。

レーンの帰り道で振り向けば、笑顔で対応をするまいやんの姿が見える。
固くさせてしまったかと悔やむ。
まいやんの卒業までにもう一度握手に来よう。
間近であの笑顔を見たい。