あるお客様がいた。
その方は、私が昔勤めていたスナックのママさんと
おつきあいしていたらしく
病気に、なると
別れたらしい。

なんて酷い話と私は彼に同情した。
十八番は増井山の今度逢えたら


主人公の愛する人の名前はゆうこ。。


その歌を聞き

まだ、好きなのだ

未練があるんだろうなと

私はその歌で涙した。


そのことがきっかけで数回お店にきてくれたのだが


ある時、




ゆうこを忘れられないのには
理由がある



とポロリ。




素敵なお話を期待していた私。





「ゆうこのカラダがわすれられない。
ゆうこを超える女はいない。」



なにもこたえられない　　私


お客様は続ける



「ゆうこは名器だった。ミミズなんとかという
だから、気持ちよかったから、それだけではなれられなかった」



絶句。





その言葉をきいて
私はそのお客様には
関わりたくないと思った。



男女の秘事を
他人に話したらダメだ。


大川栄策の古い歌に

別れりゃ他人のはずなのに
身体があのひと覚えてるという歌詞で始まる
　　　　雨の港

という歌をおもいだした。




いい思い出として忘れられないのなら
なんて素敵なんだろうと思うのだが



名器だから


とか
言われると



それいがいはダメな女でとか
聞きたくない台詞を言い放つし



私は男性じゃないから
わからないけど



気持ちを大事にしたいと思うのは
綺麗事なのだろうか。


一度は好きになった人なのだから

自分を否定しないためにも

縁のあった深い仲の相手を

カラダだけとか
言わないでほしい。



そりゃ
別れたら

顔もみたくないんだろうけど。






なんかうまく文字にできない自分がもどかしい。



ひとは気持ちで生きていく。

気持ちよかったことだけ覚えていてほしくない。




わかるかなあ