午前４時



携帯が鳴り響く。



うとうと眠りについたのはいつだっけ？
時計の針が２時半までは覚えてる。




着信は
昨夜登録したばかりのお店のお客さんの一人。



昨日は、「休んでください」とメールきたにもかかわらず、けいこちゃん欠勤から、恋桜さん出勤できますか とママからのメールで。特に予定もないので出勤した。
二時間たちっぱなし。
ようやく座敷で、若者の席についた。
一緒についてた30代のチイママが二人組のお客さんがきたのでボックス席に移動。 時間制だったので11時半に片づけも終わり、カウンターの客の相手をする。
カウンターの客は超ワガママで淋しがりや。
他の客のカラオケ止めて自分のをかけろと言う。
カウンター内で四人の相手をしなきゃならないのに
客のいない左となりに座れと駄々をこねる。
「おもしろくない」を連発しているその客の周りがよっぽどおもしろくなくなる。どうすればいい？
忙しい時にそんなこと聞けるわけもなく
何とかしなきゃならなかった。
その客の左となりにちょっとだけ座り、ご機嫌とり、再びカウンターに。
そんな私をみて、ボックス席の客が興味をしめした。よりによって、バタバタぱにくってるときにだ。
ママがカウンターに行き、私がボックス席にけいこちゃんと。

乾杯して、しばらくすると次の客かはいりママがついたので
私は、零時に帰れなくなった。
カウンターの客は
すでにお金ももらってる。
私が帰ると帰るだろう。
ママの指示もなく盛り上がった店の状況で帰れるはずもなかった。

１時。
私が先にあがるために
「ごちそうさま」の挨拶をボックス席に。そこで電話を聞かれた。





そのお客さん。

茶飲み友達がほしいという話でもりあがったので、好感を持ってくれたのだろう。


午前４時。

いきなり
「つきあってください」


客「最後のチャンスだから、ガンガン積極的にいこうと決めた」

勝手にきめるんじゃありません。←私の心の声


「酔ってる時に言われても明日は忘れてるでしょ」
あくまで明るく返す私。

女心を揺り動かす台詞。
いくつになっても きゅん の気持ち、女はずっと持ち続けているから。
タイミング、シーン、言葉のひとつひとつが恋のスパイスになったりする。


それが
少しも感じない。
全くときめかないのだ。


タイミング、常識はずれてる。
極めつけの台詞 「お店に行かなくてすむように、僕とつきあってください」


私には
「ただで飲みに行ったりご飯食べたり、いろんなことができる都合のいい女になってください」
としか聞こえなかった。

なんで夜の仕事をしなければならないのか？
昼間も仕事してるのに
そんな時間なんてない。

女を口説くのに自分勝手な理由を並べてはいけない。
いままで飲んでいたの？
の問いかけに

「一人暮らしだから、洗濯してたら今になった。」




女にきゅんと
させる要素がない男。
私には客としてしかない。
こんな男性と食事をしてみたい

そう 思わなければ
店以外で絶対会えないし
わざわざ時間なんて作れない。

飲み屋のオンナだから？


飲み屋のオンナだから結構むずかしいんです。(笑)
私なんて、まだまだ未熟ですけど
まさか、ご飯４時に口説かれて はい なんて言えないよ。