羽田につくと
方向音痴の私のために彼は待っていてくれた。
私に会いに来てくれたことが未来があると信じていた。
数ヶ月ぶりの彼は
相変わらず私が見上げる高さで、ヒゲぼうぼうだった。
私が見た彼の中で最悪な彼の姿だった。
そんな彼は彼女と区切りをつけてきてくれた。
彼は彼。
今日を楽しもう。
手を繋ぎ
東京タワーに登った。
「彼女がね、鹿児島の女に会ってきなさいといってくれた」
明け方まで ずっと隣に違う女がいて ヒゲを剃る時間もないくらい…
鹿児島の田舎の女に別れをつげてくれば。そう言った彼女は自信に満ちあふれ、田舎もんがまよわぬように相手してきて
と そんな感じだったらしい。
で
彼が私をかばったら
「お願い、私のところに帰ってきて。」
と胸にすがり泣きじゃくったらしい。
泣きたくなるのはこっちだ。
一言も話さないで東京タワー。繋いだ手だけがあたたかかった。
ココロはとっくに冷えていた。
彼が寿司を食いに行こうと言った。
回る寿司をキャツキャツはしゃぎながら食べてたあの日を思い出すと涙があふれそうになる。
暖簾をくぐると
高級な寿司屋さん。
別れの晩餐てやつですか?
男性と寿司屋に行く場合、カウンターを選択は大人の女の常識。
間の悪いことにボックス席。彼は、元気に寿司を食べる。私の前でお酒なんか飲んだことないのに
生ビールを何杯も飲み干す。
無理してるのがよくわかる。
私は
酔った彼をタクシーに乗せた。
ホテルに着くと
彼が私を抱き締めた。
泣きながら彼を受け入れることができなかった。
先のみえない彼にだかれることがどうしてもできない。
私と会う少し前まで
他の女を抱いた手
唇、広い胸
「ばかばか」
と泣きじゃくる私に
「なんでつっぱるんだ。男は女の涙に弱いから、泣いてすがられたらどうしようもないんだよ」
「バカな女を泣かさなきゃいいじゃん。私みたいに、東京の女を泣かさないで幸せにしてあげたらいいじゃん。」
私の性格はわかってるはず。強がりでさみしがりや。
泣きじゃくる私に
「最後に抱いてあげようと思ったのに」
と トドメの言葉をはなち寝息をたて始めた。
彼の広い大きな背中…
大好きだった背中。
愛おしいその背中に隠れるように
声をころして号泣した。
「最後だから抱いてください」
女性が言うのなら
わかる。
この場合、最悪な台詞になるわけで
私の 失恋物語も
これくらいで
コメント
2012/04/01 14:37
6. 前を向いて歩いて行きましょうか…
笑い飛ばしながら(*^_^*)
返コメ
2012/04/01 14:30
5.
味気なく、辛い別れでし
たね 、人は生きていれば
また、良いこともありま
すょ=
返コメ
2012/04/01 13:26
4. あまりにも辛すぎる最後…
本当に切ない恋でしたね
恋桜さんの気持ちが、痛いほど伝わってきました
最後の彼の言葉…酷だな…と思いました
恋桜さんが好きだった彼を悪く言いたくないけど、言ってほしくない一言だなって…
とても、辛かったですね
思い出して書くのもお辛かったと思います
今は、思い出にはなっていますか…?
忘れられなくても、少しでも思い出になっていますように
返コメ
2012/04/01 13:16
3. ん~…
自分は、股をかける男性の心理がわからない
なので、「他に好きな人が出来た」という理由は自分の中にはありません。
これは、本当に辛い話ですね
返コメ
2012/04/01 13:10
2. かける言葉を見失いました。
返コメ
2012/04/01 13:04
1. 切ない ただ ただ 切ない
そう感じました
返コメ