本日より、いわゆる 出戻りデビューをすることになりました。

そもそも
そのお店に働き始め三日目で一人で任されるほどの訳ありなラウンジとは名ばかりのスナック。
ママは、お店の開店から二足のわらじで昼間の店を優先して 結局辞めることになった。
元々の経営者がいて、別な居酒屋と掛け持ちしていた。たまに お店にきて、普段は居酒屋に。

歌い放題飲み放題で3000円。
女の子のドリンク分はお客さん負担のシステム。
よっぽど他にお客さんがいない限り4000円でおつりがきた。

だいたい
「いただいていいですか」で 断る客はいない。

なかには
お客さんから
「飲んでいいよ」と言ってもらえる。


その日、
遠くから私はお客さんを呼んでいた。
キープをされて
カウンターで飲んでる。

30代の男性３人組にママがボックス席でついていた。カウンターのお客さんが気になりながらもママに呼ばれたので私も一緒につく。ママは、なんでもありという感じで息子みたいな年齢のお客さんと、チュッと軽くキスしたりしていた。
ここまでしなければならない客なの？
と思ってた。
私は初めての客で、頃合いをみて
「いただいていいですか？」と言う。

「なんでおまえな飲まさなきゃならないんだよっ
」私のとなりのお客さんは平手で私の頭を叩いた。

がまんした。

ママはヘラヘラと笑いながらじゃれている。

「おい、おばさん、カラオケいれろ」

そう 言いながら
私の頭を叩いた。
お酒がはいっているせいか手加減をしない。


「女はね、優しくしてくれたらもっと優しくしてあげるのに」
と 笑顔で阻止する私。

3000円で飲み放題歌い放題、さわり放題、やりたい放題だ。
なにか話しかけるたび、会話するたびに私の身体をたたいた。

５回くらい頭を叩かれた時だろうか？


「こんな店やめてもいい」と思った。
飲み屋の女だから？
田舎の店だから？
水商売をしてるから？
プライドなんてもったら駄目だよ。



もう そんなことはどうでもよくなった。

私は
ありったけの力を込めて、平手でその男の頭を三回たたいた。
おもいっきり！


叩きながら
「痛いでしょ！叩けばいたいの！女はかわいがるもんなのよっ」



一瞬
空気が止まった。

ママが
「恋桜ちゃん、あやまりなさいっ」
と 悲鳴じみた声をあげた。



私は
「申し訳ありませんでした」と 深く謝罪して
その場は丸くおさまった。


その後
ママの居酒屋におわびのアフターをし、
私はアフターの給料ももらえず
その次の日も
もらえなかった。
アフターというのは
ママの居酒屋に客と店が終わってから行くと千円もらえるという条件だった。
千円よりも お客さんへの義理で断れなかったのだ。

ちょっとでも早く家に帰りゆっくりしたい。アフターは滅多にしない。
アフターすると当然寝るのも遅くなる。


そんなこともあり
ママとの考え方の相違でその店をやめた。

どんなことがあってもお客さんに手をあげたらいけない
ママの考えだ。

キスはしても叩いたら駄目なのだ。

女の子のドリンク代もケチル年に何回も来ない客につく。
お金を落としてくれる常連客をもっと大事にしてほしい私の意見など通らなかった。


それで私はその店を辞めた。


２度ともどるつもりはなかったのだけれど


忙しいからと
去年、一度手伝いではいった。

お金もなかなかもらえず苦労した。



いまは、千恵ちゃんが任されてるなら日払いでほしい。メールしても
その件の返事はないし。


月曜日からとのことだったが、お客さんから連絡があり、今夜からはいることに。



背に腹はかえられないから。
頑張らなきゃ。