私が
前の店を辞める理由になったお客さんの連れが
度々お店に訪れる｡

この店に出戻ってから１度もついたことがない｡
気にはされてるみたいだが､私は気にしないように努めてた｡

ｶｳﾝﾀｰでお客さんの相手をしていると
その客についていたﾏﾏが､私の隣にすわり､｢あそこにいって｣
と促した｡
ﾏﾏだってわかっているはずである｡
まあ､大人なんだから､うまくやれということだろう｡
努めて普通にﾃﾝｼｮﾝ高く会話をもりあげた｡

｢あれっ､そういうｷｬﾗだったっけ？｣


相変わらず口が悪くて
なかなか私への飲み物飲んでよし がでない｡
仕事なので､いただかないわけにはならなかった｡


｢あのｰそろそろ私もﾉﾄﾞがかわきました｡いただいていいですか？｣
控えめに言ってみると
｢いつ､いうんだろって思ってたよ｣
とｽﾑｰｽﾞにいただけた｡
私がぶったたいた客の連れなんだけど
相変わらずﾄｰｸの最中で左腕をたたく｡

その痛さで
思い出した｡
あのときのことを｡



｢私がお店を辞めた理由｣の日記参照｡



そのまた連れというのが30代の男で
｢ｷｽしよっ｣
を何度もいい
御煎餅を､口に加えて私に差し出す｡
ﾎﾟｯｷｰでやる､ｱﾚだ｡

ｷｽは好きな男としたいのが本音だし､こんな客の餌食になってたまるか！

それでも
うまくかわす台詞も技もない｡
未熟なお水の修行中の身｡

御煎餅の先っちょを少しだけかじった｡



この時､注意しなければ､ちから付くで引き寄せられたら､弾みでﾌﾞﾁｭとなる可能性が高まる｡
まあ､相手がその気がある場合に限るので､
うまくかわせた｡



ところが
拒否するﾀｲﾐﾝｸﾞが狂い､自分の舌の先を思い切り噛んでしまった｡


あああ
私ってば､､だなあ｡