懐かしい英語の授業のﾜﾝｼｰﾝ

当時高校二年生

英語の教師は寡黙で恐ろしく厳しい人だった

教科書をﾗﾝﾀﾞﾑに指名で英文を読まされていたときのこと

ｸﾗｽではNo.1の英語の不出来な仲間○○君が当たった

いつもたどたどしく音読をする


よく覚えていないが彼が次に読むのが

Susie-was....

こんな文頭だったと思う

彼がいつもの緊張した表情で始めた

｢ｽｼｴ,ﾜｽﾞ｣

周囲が凍りついた

教師は｢はっ？｣と声を荒げた

只でさえ自信のない彼であったが

｢まだ間違う読み方をするようなところじゃない｡先生には声が小さかったのだろう｡｣

と判断したに違いない

改めてﾃﾞｶｲ声でﾓﾛ外人風に｢ｽｩｼｨｴ,ﾜｽﾞ｣とまた始めた

ｸﾗｽ全員は次の教師の行動が予想され皆が教師に目をやった

ﾊﾞｼﾝ！

教師はまさに鬼の形相で顔面を紅潮させて教科書を教壇に叩きつけた

皆はさらに凍りついた

｢こら！○○！ｽｼｴってどこに書いてあるんだ！なめてるのか！｣


..本来笑うべきところである

ｽｰｼﾞｰという女の子の名前

Susieをｽｰｼﾞｰとさらりと読めないのは分からないでもない

しかし彼は教科書の女の子のｲﾗｽﾄがどう見ても外国人の女の子なのに

｢ｽｼｴ｣という日本人でもあまり聞いたことのない女の子名を生み出してしまったのだ

せめて｢ｽｰｼｰ｣とかの間違いなら..先生の怒りは爆発しなかったはずだ


皆が○○君に注目した

彼は一瞬ｷｮﾄﾝとして教科書に再度目を向け声に出さずにゆっくりと文頭を確認しようとしていた..

口の動きは皆が分かった

｢ｽ､ｼ､ｴ｣



この後は鬼教師の説教が永遠と続いた


きっと普通の教師なら笑いで済んだであろう

Susie..

ありがちな名前だけどいざ読むとなると微妙な名前

読めないのは分かる

でもｽｼｴと読んではいけないだろう

ｽｼｴと読んだ彼は皆に永遠の思い出を作ってくれた

おしまい