焼きそば。
今日私は2年半ぶりに我が家に帰る。
なぜそうなったのか
なぜ別居生活をしていたのか
についてはここでは省略します。
朝から現実を受け入れられなく
これからかなりしんどい日々を送る事。
精神的にも体力的にも不安しかなぃ。
出発するギリギリまで
身体を休める為にも
ゴロゴロしていたかった。
でも、それはダメだ。
2年半お世話になったこの家。
大掃除をすべきだけど
大それた事をすると
もう二度と帰って来れなくなるようで
やめた。
この家に来た当初。
最初は1日中ほとんど口も聞かず
ただただ引きこもっていた。
母に言われ少しずつ何かを始めなくてはと
階段の拭き掃除から始めた。
今日は朝から涙脆い。
最後の階段掃除。
心を込めて丁寧に拭く。
……ポタ、ポタ、と涙が落ちる。
拭いても、拭いても、
ポタっ……ポタっ……
と雫が落ちる。
拭いても拭いてもこれぢゃぁ
拭ききれないよ。
私の4畳半の少し小さい真四角な部屋。
最後の掃除機掛けをしようとした。
母は掃除にうるさい人で
掃除機は毎日掛けなさいと
常日頃うるさい程言われていた。
掃除機を持とうとしたら
母は言った。
「 明日お母さんが掛けるからいいよ 」
いつも口うるさく
キツい言い方ばっかりなあの人。
" 疲れる事はしなくていい "
……今日だけ優しくなんてしないでよ。
いつも通り口うるさく
私を叱ってよ。
全くアンタはって言ってよ。
母は夜ご飯にとミートソースを作って
タッパーに入れて持たせてくれた。
今日この後の大変さを軽くしてくれる為に。
せっせと無言で
ひじきの煮物も作っていた。
家にあるありったけの
新米も持たせてくれた。
優しくされるとさ
涙が止まらんのよ。
涙を止まらせる為に
私は久しぶりにピアノを弾いたよ。
お昼ご飯は焼きそばだった。
いつもは私が作るけど
今日は母が作ってくれた。
私は親の前では泣かない。
強がりで意地っ張りで
強情で負けず嫌い。
弱い自分を見せたくない。
最後のお昼ご飯かぁと思うだけで
また泣けてしまいそうだった。
しかし、私の嫌いなピーマンが
焼きそばに大量に入ってたっけ。
しかも固いのなんのって。
なんだかあの人らしいなって
笑っちゃったよ。
泣かないで笑おう。
今日は快晴だ。